彼、神谷優が目を覚ますとベットで寝ていて、見知らぬ天井が見えた
(これは、転生をしたという事なのだろうか…)
彼は神々の不注意によって死亡し、転生へと至った、
そうここでテンプレなら最強の力を手に入れて無双するとか、
モテモテになってハーレムを築くとか、だが彼は違った、
彼が望んだのは「幸せな人生を歩みたい」ただそれだけだった
彼は体を起こして周りを見渡すとここは木で造られた部屋だと分かった
ベットから降りるとある違和感に気付いた
(目線が生前より低くなっている…?)
彼は部屋の中にある鏡で自分の姿を見てみる事にした、
そこに映っていたのは生前より背が明らかに縮んでいる自分の姿が映し出されていた、
だが彼は慌てることもなく、少し面倒だなと思うぐらいだった
「…家の周りの様子を見てみるか」
そう言って彼は部屋を出て、玄関を見つけて家から出た、
外から見た家の印象は森の開けた場所にある一軒家という感じだった、
目線を家から後ろに向けると細い道を見つけた、彼はもう少し奥に行ってみることにした
道を歩いていく途中で、少し近くから声が聞こえた
「誰か、誰か助けて!」
少女の声が聞こえた、優は声の聞こえた場所に向かおうと足に力を込める、
獲物を見つけた獣の様に地を走ってゆく、いや、駆けてゆく、すると
優が向かっている方向から複数の声が聞こえてくる
「大人しくしろこのガキ!」
「そうだぜ、大人しくした方が身のためだぜシスティーナお嬢様よぉ!」
「だから私はシスティーナ様ではないと…」
「ごちゃごちゃうるせぇよこのガキ!」
『ゴスッ』と鈍い音が聞こえたと同時に優は音の聞こえた場所へ飛び出した、
そこには、頬を殴られたと思われる金色の髪をした少女と、
少女を殴ったと思しき全身をローブでまとった男達がいた
その男達は優の方に目を向けて睨みつけた
「あぁ゛何見てんだガキィ!」
「見られたからには」
「殺すしかねぇなぁ!」
最後の一人が言い放ったのを合図に男達は優に指をさして言った
「「「ズドン!」」」
男達がそう唱えると、指先からほとばしる稲妻を発射した
普通の人ならば光る高速の稲妻をただ眺めることしかできないが、優は違った、
飛んできた稲妻の数倍以上の速度で三つの稲妻を避け、男達の背後に回る
「あ、あのガキ何処へ行きやがった!?」
「後ろですよ」
優はそう言い放つと地を蹴って跳びあがり、頭に蹴りを入れた
「フゴッ」
「どうした!?」
「まずは、一人目…」
優が挑発的な笑みを浮かべると、その態度に腹を立てたのか、
二人の男は顔に血管を浮かべ、またもや魔術を唱える
「なめ腐りやがって!」
「「ズド「遅い!」
男達が詠唱をし終わる前に、優は男達の懐に潜り込み男達の腹に拳を
叩き込んだ
「ウ、アガァ」
「つ、強すぎる…」
そう言いながら男達は倒れた
戦いが終わり、優は金色の髪の少女の方を向いた
「君、大丈夫だった?」
「え、あ、はい」
少女は戸惑いながらも返事を返した
「そうか、ならよかった…」
優は胸に手を当て、安堵のため息をこぼした
「あ、あの」
「ん?」
「何で私を助けてくれたんですか?」
「困っている人は見過ごせないんだよ俺」
「すごく優しい方なんですね、貴方は」
「優しくなんてないよ、ただ誰かが悲しむ顔は見たくないだけだよ」
そう言った優の顔は、何処か悲しげだった
「そうなんですか…」
「ほらだから、君もそんな顔してないで笑って、笑って」
優は自分の頬を指でつり上げた
「ププッ、ハハッ、何ですかその顔は」
少女の笑顔をみて微笑んだ優は言った
「俺はユウ=カミヤ、ユウって呼んでくれ、君は?」
「私はルミア=ティンジェル、ルミアって呼んでください」
「わかった、よろしくルミア」
「はい!よろしくお願いします、ユウさん」
二人の出会いを祝うかのように、空は綺麗な茜色に染まっていた
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