オバロ   作:スゴロク

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オバロ

 

「あぁ、このゲームも遂に終わりかぁー」

 

 

 

 

一大ブームを巻き起こしたDMMO-RPG、【ユグドラシル】のサービス停止のお知らせと書かれた画面に溜め息をつくとゆっくりとその場で寝転んだ。

 

急な話だが自分は転生者である。

色々と話は省くが特典としてかなりの勝ち組で黄金率や究極の身体能力とか貰って生活してるがこの狭いアーコロジーではあまり意味がなかった。

 

安全性の面から食べ物は寿司すらマトモに食べれず、自然食はまさしくブルジョワでなければ口もつけられない。

 

自分はそのブルジョワの勝ち組の家系ではあるが気軽に好きなものを食べられない環境はキツかった。

おかげでストレスが溜まる溜まる。

代わりに技術力なんかは凄いが生まれる世界を間違えたと内心後悔している。

それはそれとしてさっきはなしてたユグドラシル、かなりの課金をしていた思い入れのあるゲームで最初にリリースされた頃から始めていたのだが今では二時間くらいログインしては抜けるといったことを繰り返していた。

全盛期はギルドで集まってわいわいやったんだが今では自分とギルド長で拠点を維持しているだけだ。

 

そんなギルド長からメールがあって最終日にみんなで集まらないか?という内容の話が出たんだけど多分、忙しくて誰も来れないだろう。

それを伝えるとガッカリしながら悲しみのアイコンで気持ちを伝えてくるスケルトン系異形種のギルド長、モモンガさん。

自分もみんなで集まって前にみたいにわいわいやりたいが無理な物は無理である。

 

 

「せめて運営が最期にイベントでも出してくれればいいんですけどね」

 

 

 

まぁ、そんな事をこのクソ運営がしてくれる筈がないんですが、と続けて運営さえ変わってくれれば長く続いたのかなぁと溢すモモンガさん。

 

それからイベントとして出してくれるならどんなのがやりたいか?という話になっていった。

そこで彼の口からこんな話が出た。

いっそならおわりさんの話してくれた闇の魂とか獣狩りの悪夢とかやってみたいですね。

目から鱗だった。 ついでにおわりさんってのは自分のキャラ名のThe・ENDからきている。

 

運営を替わらないかな→利権やら何やら買っちゃえばいいじゃん!!

こんなイベントやりたい→自分で作ればいいじゃん!!

 

 

「これだっ!」

「はいっ?!」

 

 

思いついたようにテーブルを叩くとギルド長は驚いてビックリのチャットアイコンを出していたが善は急げである。

やってやるぜ! そう逸る気持ちを胸に俺はログアウトした。

 

 

 

 

いきなりログアウトした自分にモモンガは目を丸くして驚いた。

一体何事なのか?

だがその本人は直ぐ様ログアウトして消えており、問うことも出来ない。

 

「おわりさん以外に誰か来てくれるといいな」

 

 

納得は出来ないが仕方ない事なのだ。

形あるものいずれ終わりが来る。

胸に残った虚しさとおわりの謎のログアウトによる疑問を抱えながらその日はログアウトした。

それから3日、一向にログインしないおわりに遂に彼も来なくなったのかと暗い気持ちになりながら新しく更新されたインフォメーションを眺める。

普段は見ないそのお知らせを眺めている理由はログイン時に急に流れたテロップが視界に写ったからだ。

どうせサービスの停止についてだろう。

そう辺りをつけて、

 

 

【サービス延長のお知らせ】

 

 

目を疑った。

よくよく読み込んで見れば運営会社も替わるらしい。

 

が、結局は延長するだけで何も変わらないらしい。

 

 

「なんだ、結局何も変わらないじゃないか」

 

 

そう呟いてどこか安堵と虚しさを抱きながらインフォメーションを閉じた。

 

ピコン━━━

 

 

「んっ?」

 

 

メッセージが届いています。

 

直ぐ様モモンガは内容を確認する。

かつての仲間たちからだろうかと期待を胸にして、

 

 

「なんだ、この数字とアルファベットの羅列は?」

 

 

まさかバグ、いや、ウィルスじゃないだろうか?

替わった途端にこれかよ、新しい運営もダメじゃないか!?

しかも、そのメールは何故か削除出来ないのだ。

ふざけるなよ、本当に。

そう憤慨しながらモモンガはGMコールで連絡をいれるが返答はない。

 

 

くそっ、これだから。

 

 

その日は苛立ちを抑えながらゲームを閉じた。

だが数日後、状況は変わった。

 

あのメールの事を他のプレイヤーはどう思っているのか?

その好奇心からモモンガこと鈴木悟は掲示板を覗いてみたがそれは罵倒の嵐だった。

ウンザリしながらもそれに同意し、適当に下へ下へとスクロールする。

 

(こんなことじゃあ只でさえ少ないプレイヤーがもっと少なくなるよ。

新しい運営は何を考えてんだか━━━)

 

ある一文に差し掛かり、悟の手は止まった。

「えっ?!」

 

更にそこからは慎重に文章を見聞していく。

 

その一文にはこう書かれていた。

 

 

「これっ、バグじゃないわ。

どこか法則性あるんで調べてみたら暗号だった」

 

 

思わず身を乗り出して端末を覗き込む。

 

(嘘だろっ、なんて書いてあるんだ!?)

 

そこから飛ぶ誤情報や釣り、情報乞食の書き込みを無視して同じIDの書き込みを見つける。

 

『解析終わったから書くわ。これもしかしたらもしかするかもしれんぞ!!』

 

 

その書き込みに続く解析結果に悟は大声を上げてガッツポーズを決めた。

 

 

【世界樹の枯れし時、そこに新たなる扉が開かれる。

汝ら心せよ、そこは今までの力が通じぬ場所。

悪夢と宿命、滅びと運命、決意と絆、希望と絶望の物語である。】

 

 

この日からまた少し経って大規模な宣伝と共にそのイベントは公開された。

 

多数の多人数参加型ストーリーイベント、【終わる世界と枯れし世界樹】による大型アップデートが。




プロットがあるのと書くのはまた別やね、めっちゃ書くのはしんどい。
続きは期待しないでね。

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