オバロ   作:スゴロク

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読んでくれてありがとなす


二話

 

「あれから音沙汰全くないけど大丈夫なんだろうか…」

 

あのイベント告知から1週間、事態は一向に進展を見せなかった。

というよりもアレは単なる没案だったイベントを出して集金しようとしているだけという意見が多くなってきており、そのアップデートすら実は嘘なのでは?と疑う人間も増えた。

だが確かに一部の人間は戻って来ているし、先日もヘロヘロさんとホワイトプリムさんがログインしていた。

 

曰く、「引き抜きがあってここしばらくゲームがプレイ出来るようになったんですよ」とのことだがもしかしたらこの前のアップデートの件でユグドラシル関連の仕事に関わる事になったのかも知れない。

何せ自分もその下請けと思われる仕事に割り振られたのだ。

しかも至急で。

普段なら愚痴や文句を言っている所だが今回ばかりは別だ。

企画書に見えたユグドラシル新規プロジェクト概要、その欄を見ただけでもうにやけてくる。

因みにあの最終日に集まろうと送ったメールだが悲しい事に返答は帰って来たものは全滅だった。

まぁ、その最終日が延長で未定になったのでよかったのだが。

しかし、最近の声優は大変だ。

たまたま聞いた話だが突然大規模な仕事が入ったせいでかなりの混乱が起きているらしい。

新人にベテラン問わずで大量の受注が入り、てんてこ舞いだとメールで茶釜さんが愚痴っていたのを思い出した。

上司から目を盗んでユグドラシルのホームページを見る。

 

「うわっ、本当に大丈夫なのか、これ?」

 

 

新しく書かれた内容にはカムバックボーナスの豪華素材に新規ログインキャンペーンの無料の課金ガチャ。

 

これ、もしかしたら夢なんじゃないだろうか?

 

悟はそう思いながら仕事に戻る。

みんなでまた楽しめる日が来ればいいな、そう思いながら。

 

 

 

 

「はい、お疲れ様でした。収録終了です」

 

 

元気な声で声優達を労いながらおわりこと俺は自然食で作られた食事を振る舞う。

 

 

職員のケアと新しいイベントの為のボイスの収録。

有り余る予算に物をいわせて企画したこの大規模アップデートだが即日実行しすぎて余りにもリソースとか以前にやることが多過ぎて手が全く足りていなかった。

 

 

 

そんな悔しい思いをし、断腸の決断でギルメンに頼る事となってしまった。

だがそれでも足りない。

 

ということで電子世界で時間を加速させるという世界的発明を作製、ゲームに組み込むといった専門家に言わせれば何故、こんな革新的な最新技術が最初にゲームなんぞで使われるのか?という無駄遣いをしているがそれはそれ。

この技術のおかげでもはやゲームの作製速度とバグとりはかなりの効率をあげている。

 

何よりもユグドラシル関連の株は全て自分がもっているので自由に開発出来るのが大きい。

 

 

「とはいえ、3月の期間は流石に焦り過ぎたわ」

 

 

どう考えても開発期間が足りなくて仕方ない日数だが、それを持ち前の特典と資金力で無理矢理に何とかした。

このプロジェクトが終われば多分、景気が落ちるかもしれない。

まぁいいか。

 

 

とりあえずゲーム内容はとあるエリアに出現する扉、これから来る質問に答えると各世界に跳ばされるというもので知り合いとプレイする際は事前にPTを組むように書いておいた。

ただし、ソロの場合は異形種だろうが人間だろうが関係なく組まされる為に注意し、組んだ際は種族関係なく協力するよう注意書きを添えた。

 

 

やはり批判はあるが一応、このイベントは世界樹の崩壊という世界の危機といったイベントなので許して欲しい。

因みにマルチイベントとマルチエンディング方式と入れており、近々有名人や人気声優を呼んでの生放送が配信される。

おっと、そう言えば体験型仮想世界のゲームと言えば━━━。

 

 

「AIじゃん、よし。 ゲーム管理用とか作製補助のやつ造るか」

 

こうして遂に生放送を得て、PVが紹介される。

 

物語、第一世界【Bloodborne】、第二世界【DARK SOULS】、第三世界【NieR】、第四世界【Grand Order】その他etc。

 

自分が覚えてる限りの物語を世界樹へと注ぎ込み、今、新しい世界樹が誕生する。

 

 

まとめてリリースしたいけどダメだったら小出しにして時間稼ぐか。

 

フルボイスにしなきゃ良かった。

そんな事を考えながら海外の声優へと連絡を取る。

 

 

字幕に新造イベント、やり過ぎて運営どうしちゃったの?

これマジで完成すんの?

お布施いる? 俺頑張るよ、金ないけど。

 

といった前の運営では考えられない暖かい言葉を貰いながら、時間稼ぎにイベントに参加する為のキーアイテムを入手するイベントを片手間で発行し、制作は続く。

 

そして、約2ヶ月。

遂に大型アップデート【終わる世界と枯れし世界樹】はリリースした。

 

 

多大な期待を背負って開始されたその物語はプレイヤー達を絶望へと追い込んだ。

レベルキャップの急な開放と大量のアイテムの配布。

それはこの難易度のせいかと各プレイヤーは考えながら攻略していく。

 

 

 

だが、それだけの筈がなかった。

これがどうしようもなく救いのない物語もあるのだとプレイヤー達は悟った。

次いでにマジふざけんなよ運営、とも。




多分、新しいプレイヤーは新規アクションやカッコいい武器に魅力的なNPCに惹かれてプレイしちゃったんだね!
でも残念、そのNPCあとで裏切ったり死んじゃったりするよ!


これにはプレイヤー激おこ、因みにペロロンはかなりの被害者。
声優が姉じゃない幼女からの依頼。
依頼されて探したら形見ゲット。
泣き出した幼女。
しばらくするといなくなって……。
ペロロン泣きながらクリアした模様。
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