夜が開ける、遠くに見える山から太陽が顔を出し朝の訪れを告げている。
一体、何時間こうしていたのか。周りには父と母、そして兄弟のようであった仲間が二人、昨日は自分の誕生日を祝い皆でささやかなパーティーを開いてくれたしプレゼントも貰った…それなのに…
16歳になった昨日が終わり俺は今日から独りになった。
「別に珍しい事じゃない」これは父の最期の言葉。そう、こんなことはウェイストランドでは珍しくない。幼い頃から両親達の教えを受けた自分には理解できる。
父は無口だったが、銃やナイフ、使い方に整備の仕方、幼い頃に見たは父の手際は魔法のようで今も記憶に刻まれている。
たまに怪我をしても母はいつでも優しく治療をしてくれた。バラモンから落ちた時は叱られたものだ。
仲間達はバラモンに荷物をのせ各地の商人達とトレードをしていた、それこそ幼い頃は何をしているのかもわからなかったが、最近では一緒に交渉なんかもさせてもらっていた。もう一端の商人だなんて言われたっけ…
彼らはもう居ない、仲間達は突然飛んできたミサイルで、母は自分をかばい父は最期まで戦い、満身創痍の中、最後の一人の眉間に穴を開けつい先程息を引き取った
「………」
父はいつだって最強のヒーローだった。勘働きがよく、よく敵の接近にいち早く気付き迎撃していた、前には人が米粒程にしか見えない距離でレイダーの頭を撃ち抜いてたくらいだ。
ただ昨夜は機嫌もよく、ウィスキーを何本か舐めるように呑みながら自分との16年をポツポツと語ってくれていた。
父の話が終わり、珍しくも褒めながらプレゼントだ、と小ぶりなショットガンを手渡される頃には仲間達も酒が進み、話しかければ、デカくなったもんだと背中を叩いて、俺たちからだとロングコートを渡された。小さい頃に買い物をして行った賞金稼ぎ達をみてかっこいいと言っていたのを覚えてくれていたらしく、少し照れくさかったが、すぐにそれを羽織りショットガンを腰に下げ得意げな顔で腕を組んで見せると何故か笑われてしまう。でも自分でもおかしくなってきて気付けば三人で大笑いしていた。
「あら、似合ってるわよ」
母が料理を持って輪の中に入る、自分が父さんと二人から貰ったと自慢するように見せつけると、じゃあ私からはこれね。と機械の付いた腕輪をくれた。Pip-boyだ!
「あなたももう16歳、本当に大きくなったわね…」
すぐに左腕に付けて掲げて眺めていると母は少し涙ぐみながら随分前に母より高い位置にまで育った自分の頭を撫でてくれた。
「照れくさいからやめてくれ…なんてな…」
もう、撫でて貰えないんだな…
涙は出ない、もう枯れた。貴重な水を無駄にしたと、父が見れば怒るだろうがもう居ない。
「………行くか」
立ち上がり、歩き出す。
父から弾丸と銃とライターを、母から薬と飲み水、仲間達からキャップとタバコを貰い歩き出す。
この先はスプリングベール、小学校にはレイダーがキャンプを張っているここに来た連中もそこから来たんだろう。
続きは気分次第で
GW暇や( ˙-˙ )