名探偵コナン〜新一の妹〜   作:桂ヒナギク

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20.判決

「高木刑事、目暮警部たちを」

「うん」

 高木刑事が目暮警部たちを呼んだ。

「それで、君たちが第一発見者なのかね?」

「はい」

「まいどまいど事件に遭遇するとは、どう言う体質なんだ、聡美くんは」

で──と、続ける目暮警部。「怪しい人物とかは?」

「いいえ」

 と、聡美。

「高木、お前は確か、荻田 鉄平に話を聞きに来たのではないか?」

「荻田はいませんでした」

「そうか……」

「警部!」

 千葉刑事がやって来る。

「どうした?」

「被害者の身元が判明しました。荻田の奥さんだそうです。名前は晶子(あきこ)です。」

「旦那はどこ行ったんだ?」

「それが、一週間前からいないようですよ。近所で聴き込んだら、引っ越した、と。それと、監察医からの報告で、遺体は死後一週間ほど経っているようです」

「どこへ引っ越したんだ?」

「さあ?」

 目暮警部は考え込んだ。

「とりあえず、都内の引越し業社を当たってみます」

 千葉刑事が去ってゆく。

(被害者の晶子さん、どこかで……)

 聡美は俯いて考え込む。

「聡美さん、何を考えてるんだい?」

 高木刑事が訊ねる。

「あ!」

 聡美はスマホを取り出し、荻田 晶子と検索した。

 検察庁のホームページが出て来る。

「やはりな」

「何が、やはり、なの?」

「高木刑事、被害者の晶子さん、検察官のようですよ」

「検察官?」

「あらゆる事件も被告が必ず有罪になることで有名です」

「その話なら私も知ってるよ」

 と、目暮警部。

「それどころか、一緒に捜査したこともある」

「事件の被告人から恨みを抱かれて殺されたのかもしれませんね」

「よし、交友関係を洗うぞ」

 捜査員たちは晶子の交友関係を洗いに向かう。だが──。

「容疑者が浮上しない!?」

 目暮警部が驚く。

「どういうことなんだ、それは?」

「容疑者より、旦那を捜す方が近道では?」

 と、聡美。

「旦那についても、都外の道府県警に捜索してもらいましたが、いずれも発見されず」

「渡航してるんじゃ?」

「それに関しては照会をかけています。そろそろ連絡が来る頃かと」

 捜査員の電話が鳴った。

「はい」

 捜査員が応答している。

 電話を終えた捜査員が、「アメリカに渡航しているようです」と、発言した。

 その後、鉄平は犯罪人引き渡し条約により、アメリカから日本に引き渡され、逮捕された。

 取り調べで、鉄平は警察学校の教官と検事の晶子を殺害したことを認めた。

 鉄平は送検され、後日、刑事裁判所で裁判が行われたという。

 参審とも判決は有罪で、鉄平は小菅刑務所に入れられた。

 鉄平は二人の人間を殺したため、死刑が確定した。

 


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