弟はマのつく自由業、私はメのつく自由「いえいえ、王たる夫に永久就職です!!」 作:紗代
今回は主人公の設定にあった魔術のことと、花嫁の初夜権話のさわりです。ちなみに主人公的には「イケメンだからって何でも許されると思うなよ」です。
皆さんこんにちは、女神様に毛皮を持って行かれたイノリです。私は現在、ウルクから遠く離れたところにいます。神様たちの次なる試練ってことで見聞を広めるためウルク周辺だけでなく世界を見て回って来いっていうお達しだそうな。
で、ちょっとした発見、というか進歩?があった。なんと、私はペル〇ナのディアいや威力でいうならディアラハンを習得したのだ!ちなみになんでわかったのかというと、答えは単純。怪我をした動物がいたのを見て「痛そうだな~」とか思って怪我に触れたらあら不思議、全て跡形もなく傷は消え去っていましたとさ。意味が分からず「なんじゃこりゃ」とか言って駆け込んだ先には今にも死にそうな病人。けど私を神様と勘違い(いや半神半人だからその辺の区別はよく分からないが)したその人が伸ばしてきた震える手を握ったらたちまち元気になった。さっきまであんなにヨボヨボで意識も朦朧としていた人が、だよ?あ、あれ~?おっかしいな~。とか思ってそのまま旅を続けているうちに全体回復のメディア系や状態異常回復系などの支援・補助系魔法から、万能タイプのメギド系その他攻撃系魔法など多種多様な魔法が使えるようになった。ちなみに巫女さんいわく私のこれは「魔法」並のものだが大きい括りで「魔術」というらしい。
そうして身に付けた力で目に付いた人たちや弱った人たちを治していった結果。どっかでは私を都市神として神殿を建て「女神」として祀り信仰しているところがあるらしいことを風の噂で耳にした。
いや、ぶっちゃけ直したり物品を分け与えたりしかしてないんですけど。
そして、今。
「ねえ、イノリ」
「なにかな、エルゥ」
私の目の前にいる優しい緑色の髪をたなびかせる青年。エルキドゥは私と聖娼シャムハトと生活することで人の形と心を手に入れた、これまた神様お手製の泥人形である。彼はほとんど私と似たような目的で作り出された存在であり、だからこそギルを知る私に預けられた子だった。王の存在を正すために。しかし、ギルはあの通りちょっとたまに黒いところがあるけれどいい子だった。だから私も彼も「今のままでも問題ない」と思ってそのままにしていた。
けれど、私がもうそろそろで成人する頃合いになってから不穏な話を小耳にはさむことが多くなった。
――――ウルクの王は、まるで暴君だ。なんという横暴。なんという圧政。
――――国中の見目麗しい花嫁たちを連れ去り、その貞操を散らしてしまう。
初めは信じられなかった私も被害者の家族の嘆きを聞いてからというものの、現実と向き合わなくてはならないと思った。そして、そう思ったのは私だけではなかった。
「僕は、王様に会ってくる・・・会って、彼の慢心を正す」
「私も行く。好きな人が、変わってしまっていても、自分で納得できなきゃこの想い(恋心)は消化できないだろうし」
「ううん、君はここにいて。友として、ここで待っていてほしいんだ。————絶対、帰ってくるから」
「・・・うん。わかった。必ず、帰ってくるんだよ」
「もちろん」
神妙にだけれど真摯な声で答え、満足したエルゥは行こうとした。でもね。
「あ、そういえば言い忘れるとこだった」
「?」
「ギルの一物。去勢したうえで本人は死なない程度に血祭に上げてきて☆」
穢れなき乙女たちの貞操を奪った罪は重いのです。
ペルソナの技を出せてやや満足です。ちなみに主人公のイノリちゃんは技の威力は高いですが、物理攻撃力に依存してるゴッドハンドとかの技は微妙。でも万能系のメギド・メギドラ・メギドラオンはとんでもない威力を叩き出す人。魔術に関してはほぼ無敵に近い。
そしてギル。書いといてなんだけど逃げて超逃げて。