弟はマのつく自由業、私はメのつく自由「いえいえ、王たる夫に永久就職です!!」 作:紗代
親子の絆はこの世で一番強いというけれど・・・みたいな話。
聖杯戦争が始まったものの、雁夜さんが迎撃用使い魔を飛ばしたり桜ちゃんが路地などの影の多いところに魔術の影を放つがまったくマスターらしい人物もサーヴァントらしい魔力も引っ掛からないままである。とにかくこのまま3人で首を傾げて唸っているわけにもいかないので気分転換に公園に出掛けることにした。ちょうどお昼頃の時間帯でみんな昼食を食べるから誰もいないだろうと思っていたのだが
「雁夜くん・・・?」
美人な長い黒髪の女性とツインテールの女の子の先客がいた。
「葵さん」
ああ、この人が雁夜さんの言ってた幼馴染みで初恋の人なんだ。でも実の母親に会ったというのに桜ちゃんの顔色は悪かった。
「桜・・・」
「っ・・・・せんせ、おじさん…早く帰ろう、桜、ここいたくない」
「桜ちゃん?」
「きもち、わるい」
「!雁夜さんちょっと桜ちゃんとあっちで休憩してきますね、いいですか?」
「あ、ああ。頼む」
葵さんに軽く頭を下げ少し離れたトイレに移動すると我慢しきれなくなったのか桜ちゃんが吐いた。後始末をしてトイレから出ると葵さんたちから離れたところにあるベンチに座って桜ちゃんに膝枕をする。そして閉じた目の上に濡らして冷えたハンカチを置いてあげると落ち着いたのか桜ちゃんの呼吸がゆっくりになった。
「せんせい、ごめんなさい・・・・わたし」
「ううん、だいじょうぶ、大丈夫よ。私もいるし、もうちょっと落ち着いたら帰りましょうか」
「うん・・・・あのね、先生は桜と一緒にいて迷惑?」
「迷惑なんかじゃないよ。むしろもっと甘えなさい。いっぱいいっぱい甘やかしてあげるから」
「ふふ、そっか・・・・私ね、間桐のお家の来てずっとおじいさまに「桜がいらなくなったから桜は間桐の子になったんだ」って言われて・・・でもね、ほんとは信じてたの。お父さんとお母さんのこと。でも待っても誰も助けてくれなかった。どんなにがんばって痛いのも怖いのも苦しいのも全部我慢してもそんな人は来なくて・・・一緒にいて抱きしめてくれたのはおじさんだけだったから・・・・今日のお母さん。桜がいた時とほとんど変わってなかった。やっぱり桜はいらない子だったのかな」
・・・・やっぱり顎を外すだけじゃ生温かった。最初から殺しておけばよかったかもしれない。
「そんなことないよ。少なくともおじさんと私は桜ちゃんにいてほしいと思ってる。桜ちゃんのお母さんは、ちょっと分からないけど、それじゃだめ?」
「ううん、ありがとう先生。桜とおじさんが元気になれたのは先生のおかげだから、先生とおじさんが桜にいてほしいって思ってくれるなら、きっと大丈夫。でも・・・・遠坂さんたちとおじい様は怖いの」
「桜ちゃん・・・」
「帰ろう先生。おなかすいた」
「・・・そうね、帰りましょうか」
それから、私たちを心配して早めに切り上げてきた雁夜さんと合流し家へ帰ることにした。
じいちゃんには元々ですが、遠坂夫婦(特に葵さんに)暗雲が立ち込めてきました。
桜ちゃんは他にも色々じいちゃんから言われていてもう遠坂の人の事を信じられない状態に陥ってしまっており、おじさんとイノリちゃんという希望と修行による成果で自信と吹っ切れで前向き・ひたむきさの鱗片を獲得しました。が、やっぱり植え付けられたトラウマはすぐには解決できず今回のようなことに・・・という話。
ただ気絶しないでちゃんと話せるくらいにはもうこの時点で強くなってると思います。公式で精神耐性が強いと言われているくらいなので。
次は遠坂突入か倉庫街か迷います。