艦これ 転生するジオンの意思 作:ジオン十字勲章
最近思うんですがアッグはゲッター線を浴びたらグレンラガンになるんじゃなかろうか
サイ・ハルノエが呉鎮守府に着任する少し前、とある事件が起きた。
呉鎮守府提督による呉市在住の女学生殺害――1人の女学生を拉致し性的暴力を加え、口封じに殺害したという事件だ。この事件は大本営によってもみ消され公の場に出ることはなかったが、この暴挙は呉市民から大きな怒りを買い、呉市民は大本営に謝罪を求めた。
大本営の対応は書面による謝罪と鎮守府提督の解任という簡素なものに留まり、上の人間が頭を下げることは一切なかった。
この対応に更に呉市民は激怒、ただでさえ不仲であった呉鎮守府との関係はこれをきっかけにほぼ絶縁状態になってしまった。
よって現在、鎮守府に僅かながらある食料は呉市以外の地域から取り寄せた食料であって――鎮守府に十分な食料を呉市以外から取り寄せた場合はどうしてもコストが
長門が目を覚ます少し前――サイは通信室に足を運び、大淀のところにいた。
「朝早くにすまないな、大淀」
「構いませんよ」
大淀は昨日とはうってかわってサイに柔和な態度で接してくる。大淀の豹変ぶりにサイは若干面食らった。
大淀はサイの心情を知ってか言葉を続ける。
「あなたが、提督がどういう方かは長門さんからだいたい聞きました。長門さんの言ってたことを全部信じるのは無理ですが、提督が私たちの為に色々とやろうとしてくれてることはわかりました」
長門のヤツは大淀に一体何を言ったんだ? とサイは思った。
「それで通信の内容ですが……本当にいいんですね?」
「あぁ、やってくれ」とサイは頷いた。
「――了解しました。呉市の庁舎に繋げます」
「頼む」
「シチョー、珍しく呉鎮守府から電話だヨ〜」
「今更ですか? いや、そう言えば新しい人が来たんでしたね。次の人は一体何をやらしてくれるのやら……新しい人の名はわかりますか?」
「サイ・ハルノエってネームみたい」
サイと呉市長との電話対談は思いの外スムーズに事が運んだ。最初は秘書官と思わしき女性が警戒心丸出しの対応で市長と変わろうともしなかったが、途中で何が理由かはわからないがその態度は一変しすぐに市長に取り次いでくれた。
市長と話をした結果はこうだ。
前任が起こした事件を含め、今まで表沙汰になっていない事件に対しての鎮守府側の謝罪。それが呉市との和解の条件だった。ただし、謝罪の際に何が起きても呉市長や市民は責任を取らないという条件付きではあるが。
サイは市長との電話会談が終えると通信室を後にし、長門がいる部屋に足を運ぶ。
(起きているといいんだが)
コンコン、とサイは扉をノックはする。
「長門、起きてるか?」
扉越しに長門の声がサイの耳に入る。
「少し前に起床しました。何か御用ですか?」
「あぁそうだ。開けるぞ?」
「どうぞ」
サイは扉を開け部屋に入ると手頃な椅子に腰掛ける。机の上に置いてあった資料に目がいき、長門に聞く。
「もう資料に目は通したのか?」
「軽くですが一応は見ました。よく出来ていると思います」
「榛名と吹雪の2人が頑張ってくれたおかげだ。俺1人じゃそこまでのものは出来なかっただろうよ」
「それよりも」と言いサイは続ける。
「資料に目を通したなら話が早い。各場所の責任者に説明を頼んでいいか?」
「構いませんが、一つだけ聞かせて下さい」
「なんだ?」
「何故呉市の住民と和解を?」
「それは――」
サイは、食料を地産地消にしコストを少しでも安くするためだ、と長門に説明する。
「なるほど……確かにそうすれば多少コストは抑えられますね」
「ですが」と長門は続ける。
「私は反対です。呉市の住民とは前任がとんでもないことをしでかした所為で関係は最悪です。もし提督がそんなところに行ったら、どんな目に遭うかわかりません‼︎」
「覚悟の上だ」
「ですが‼︎」
「長門」
「――なんですか?」
サイは長門の目を真っ直ぐと見て「俺を信じろ」と一言。長門は暫し押し黙るも「わかりました」と承諾した。
「提督……無茶はしないでください」
「わかった」
こうして、サイは呉市との和解のため街に向かうのであった。
「サイ・ハルノエか……もしかしたら――」