艦これ 転生するジオンの意思 作:ジオン十字勲章
体が石になってしまったかのように動かない。
体が鉛になってしまったかのように重い。
沈んでいく。
深い深い闇の中に……俺は沈んでいく。
一筋の
暗闇の中に沈んでいくサイ・ハルノエは藁にもすがる思いで光に手を伸ばそうとするが腕が動かない。
サイは直感的に思う。
あの光を見失ったら確実に俺は死ぬ。
嫌だ——消えたくない。
嫌だ——死にたくない。
嫌だ——死んで、たまるか!!
動け、
体が動かない。
動け、
腕は動かない。
動けぇえええええええええ!!
サイは……動けない。
——
————
突如光が一点に集まりだし球体を形成、何かの前触れなのか一点に集中した光は心臓のような脈動を打ち始める。
ドクン
ドクン
鼓動を刻む度に光の心臓は肥大化する。
ドクン
ドクン
そして——肥大化しきったそれは爆発した。
全ての暗黒を搔き消すかのように力強く、
傷付いた戦士を包み込むように暖かく、
サイがいる世界全てを飲み込んだ。
一体何が起きているんだ?
さっきまで体が沈んでいくような感覚があったのに今は浮遊感がある。まるで無重力の宇宙空間にいるみたいだ。
一つだけ言えることはここが宇宙空間ではないということ、それは確証を持って言える。周囲を見渡しても目に入るのは光ばかり、宇宙空間特有の闇がない。もしかしたらここには光しか存在しないのかもしれない。
「……こ……すか?」
声?
今……声が聞こえた? とサイは自分の耳を疑う。
「聞こ……ますか?」
いや、やっぱり聞こえる。あきらかにこっちにコンタクトを取ろうとしている。
サイは
「誰か……誰かいるのか!! ここは一体どこなんだ!! 俺は一体どうなったんだ!!」
謎の声は答える。
「結論だけ言えば貴方は戦死しました。そしてここは死後の世界と生者の世界との境界……狭間でも呼称しましょうか?」
「俺は死んだのか……ということはアンタは死神で、そして俺を迎えに来たというわけか?」
サイは自虐的な笑みをこぼし問う。
「死神という認識で概ねはあっています。だだ……あなたを迎えに来たというわけではありません」
「……どういうことだ?」
「実は——」
謎の声、姿が見えない死神(仮)はサイに説明を始めた。
「——というわけです。引き受けて下さいませんか?」
死神(仮)がサイに説明した内容はこうだった。
サイはソロモン撤退戦にて友軍撤退の支援をし獅子奮迅の活躍をするも戦死する。通常なら死神(仮)がその時点であの世に連れていくみたいなのだが、今回は事情が違った。
異世界に転生しとある部隊を指揮してくれ——と死神(仮)がサイに嘆願してきたのだ。
「いいだろう……その話受けよう」
サイにとってもこの話は悪いものではない。
命を繋ぎとめるチャンスなのだ。むざむざと捨てるのも惜しい。それに……生きていれば
「どうもありがとうございます。これで彼女たちもきっと……」
「一つだけ聞かせてくれ」
「なんです?」
「あいつらは、俺の部下は無事なのか?」
「えぇ……ちゃんと生きています。無事あの宙域から脱出しました」
「そうか……良かった」
サイの意識はだんだんと遠のいていった。