艦これ 転生するジオンの意思   作:ジオン十字勲章

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今回は文字数少なめです


長門の意思 その3

「あなたは私たち『艦娘』を兵器と見ますか? それとも人間と見ますか?」

 

 長門は内心怯えていた。

 この質問の答え……場合によっては今度こそ、提督を、人間を信じられなくなる。

 サイが答える。

「結論だけ言えば、間違いなく兵器だ」

「――そうですか」

 聴きたくなかった答え。

 この人もやっぱり私たちを人として扱ってくれないのか……長門は目の前が暗くなる。が――

「なら俺も長門に質問する。『艦娘』の定義とはなんだ?」

 とサイは長門に質問を返した。

 艦娘の定義? 今まで考えたこともない。

 私たちは生まれた瞬間から艦娘……深海棲艦と戦うための存在、それだけじゃないのだろうか。

「深海棲艦と戦える力を持った娘……かと」

 「違うな」とサイは首を横に振る。

「そうだな……戦闘機をイメージしてみろ」

「……はい」

 長門は二次大戦の頃の記憶を呼び起こし戦闘機をイメージする。プロペラ機の飛行機で、パイロットがいて――それがどうかしたのだろうか?

「戦闘機は立派な兵器だ。だがパイロットがいなければ所詮は単なる鉄くず……そうは思わないか?」

「確かに……そうです」

「戦闘機はパイロットを得て初めて兵器となりその真価を発揮する。『艦娘』もそれと同じだ」

「もしかして」

 長門はこの時点で確信を得た。

 この人は前任とは明らかに違う。

「だいたい察しがついたようだな。艤装と呼ばれる装備とそれを扱える個人が揃って初めて『艦娘』と言う兵器になると俺は考える。もう一度言う、『艦娘』は間違いなく兵器だ。だが、お前たちは決して兵器などではない」

 サイは長門の目を確と見て言う。

「お前たちは兵士であり、俺の大事な部下だ。それがこの質問の答えだ」

 長門は思った。

 この人を、もう一度だけ人間を信じてみようと。

「提督」

「なんだ?」

「私はあなたを信じてみようと思います。秘書艦……やらせてもらいましょう」

「そうか……ならお前にはこれ預けておこう」

 サイは机の引き出しを開き拳銃を取り出し、銃口側を持って長門に手渡す。

「どういう……ことです?」

「簡単だよ。俺がもし、部下に非人道的な行いをするようなら、それを使って俺を殺せ」

「――な!」

 この人は本気なのか? と長門は思う。

 この人は本当に……変わった人だ。

「提督は変わっていますね」

「言うな……自覚はある」

 この人ならこの鎮守府を変えてくれるかもしれない。そう感じる長門であった。

 

「あーそれと長門、一つ頼みがある」

 サイが思い出したように長門に言う。

「なんですか?」

「艤装を装備してこの執務室を吹っ飛ばして欲しい」

「――!」

 長門は予想外の言葉に吹き出しそうになる。

 本当にこの人は……面白いな。

「わかりました。後ほどまた来ます……ですが、またなんで?」

「言わなくてもわかるだろ……こんな趣味の悪い部屋で仕事なんぞ出来るか」

「ですよねー」

 少し後、執務室は吹っ飛んだ。

 

 長門は執務室後地を後にする。

「長門さん!」

 吹雪が長門に駆け寄る。

「大丈夫でしたか? 何かされませんでしたか?」

 長門は答える。

「された、いっぱいされたさ」

 そう答えた長門は曇りのない笑顔で、

「こんなに清々しい気分は久しぶりだ」

 と吹雪に答えた。

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