「お前のようなガキが俺様に勝とうとすることが間違ってたんだ!」
確かに、そうかもしれない。大きな大人、しかも強力な個性持ち
コンクリートも建物も縦横無尽に破壊できるパワー
銃弾を弾くほどのボディ…
俺は絶対にこいつに勝てないそれは分かってる…分かってるさ!!
でも、
「でも、俺は勝つために戦ってんじゃねぇ!『ゆかり』を守るために俺は戦わなくちゃいけないんだ!!!」
俺のその叫びに呼応するように身体が燃え上がった
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「海斗、デパート行かない?」
幼稚園もない夏休み。
クーラーという名の天国の中
毎年聞く最高の猛暑とやらで体ごと溶けそうな俺に
母さんがいう
「…外、めっちゃ暑いよ?」
最近慣れてきてしまったこどもの典型的な嫌な顔を貼り付け
母さんをみる
…めっちゃくちゃ笑顔だった。
この笑顔を知っている、恐らくいや必ずこの笑顔の時は
バーゲンやらタイムセールやらおひとり様何個…
いわゆるそういうアレだ
「で、でもでもデパートの中は涼しいし…?」
こうなった母さんは子供より子供だ。
若干5歳(本当は18?)にして悟ってしまった俺は逃げられないことも知っている。
「わかった、いこ。母さん…」
ため息混じりになるのを誤魔化しながら言う
途端、
「ほんとに?い、いいの?ヤッター!!」
と、夏らしい向日葵のように満開に笑顔を咲かせ
支度をしに行った
ソファに寝転びこれから起こるであろう
商品争奪戦に憂鬱気味になりつつ、
目を閉じる。
生まれて(正しくは転生して?)から色々あった
この世界は個性が当たり前で、持たないやつの方が浮いてる
物理的に浮いているやつもいるけど…。
元々の記憶を持って転生しちまったもんだから
幼稚園のお遊戯やらお歌やら…は拷問に等しい。
まぁ単なる幼稚園の繰り返しではない分
刺激的で退屈はしないのだが、
うちの家族は典型的な3人家族。
父は警察官 母は専業主婦 そして俺。
超裕福では無いながらに超貧乏でもない、
穏やかで温かいそんな家庭。
…時折、生まれたのが俺で申し訳なることもあるが
この家に生まれてよかったと思えるようになってきた。
「俺も少しは、まともになれたのかな…」
なんて、言葉が口から零れた
その時、
「何になれるって?」
「うわぁ!?な、なんだよ、母さん…!」
パックをした母さんが俺を上から見下ろしていた。
「べっつにー?ただ海斗がなかなか支度しに来ないなーって思って、
様子見に来ただけよ?」
「もぅ、おどかさないでよ…。」
心臓に悪いことこの上ない
「ほらほら、早く支度しちゃいなさい!
今日は卵とトイレットペーパーと…ふふ、久々に腕がなるわ!」
俺も、支度をしなくてはならない
だらけたがる身体にムチを打ちつつ起きる
まさか今日があんな日になるなんて、今の俺達は知る由もなかった。