【凶狼】が闇落ちしたのは間違っているだろうか。   作:ほしぞら

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もうすぐ長かった夏休みも終わり学校に復帰だやっほいとか考えてたらずっと書いていないことを思い出しましたお久しぶりですすみません。

十月に二回更新できるように頑張ります……!!


包帯の治療師と、呆れる狼人で。

「……はぁッ!?」

 

目の前に現れた1人の少女。黒髪のおさげと丸い眼鏡が印象的な、治療師の彼女はいつかと同じように笑っていた。

 

「っ、ぇ、は!?!?」

 

間抜けな程に驚愕を露わにして、ドタドタと無様に後ずさる。そのままゴツンっ、と頭を派手に超硬金属の壁にぶつけて、悶える。

 

その様子を見て一瞬目を見開いたリーネは、吹き出しカラコロと可愛らしい笑い声を上げた。

 

「な、なんか子供っぽくなりましたかっ??ふ、ふふっ」

「笑ってんじゃねぇよ!?」

 

この少女に緊張感と言うものはないのだろうか?いやいや昔はもう少しまともな反応してた。何よりここは敵地だし、昔はどうであろうと今の自分は敵なのだけれど。

 

……。

 

「あっ、イカれたのか」

「えっ、なんのことですか」

 

きょとんとした顔をして、無邪気に見えるリーネに思わず灰髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。なんなんだこいつ。

 

「……ここがどこか分かってんのか」

「えと、人造迷宮__『クノッソス』ですよね。【闇派閥】の隠れ家?の」

「分かってんなら何してやがる」

「……ベートさんと話してます」

「そういう事じゃねぇーよ!?」

 

思わず怒鳴り声を上げてしまう。苛苛に引きつった顔が、痙攣しだした。

 

なんなんだろう。こいつ、まじで状況わかってないような気がする。

 

敵地に来て、敵を見つけて、『話しています』?

 

頭が痛い。思わず長い長い溜息が口から漏れ出た。それに対し、「幸せが逃げちゃいますよ」なんて人差し指をリーネが立てる。キレても怒られない気がする。そんな現実逃避気味な思考をしつつ、立ち上がって真正面から少女を見やった。

 

「……どうしてここに来た」

「え?」

「なんで俺がいるところに来たって聞いてんだっ」

「なんで、っていったら……」

 

不意にリーネが後ろを向いた。動いた体にワンテンポ遅れて、おさげが揺れる。ようやく左腕の包帯に気が付いて、彼女もまた戦っていたのだとぼんやりと思う。次の言葉までが妙に長くて、リーネの今の表情が見たくなった。

 

「__ベートさんと、私たちの家に帰るためです」

「__っっ」

 

あの頃と変わらない柔らかな声、だけど力強い宣言にベートはびくりと体を揺らし、思わず距離をとった。バクバクと心臓がうるさく跳ねる。その音に紛れて遠くから足音が聞こえた。こちらを向いた少女が自慢げな、勝気な笑みを浮かべて自分を見ている。その笑みにまた鼓動が早くなる。少女が驚いた顔をして振り返った瞬間、思わず脱兎のように逃げたくなって。少女に背を向けて走り出そうと足に力を込めた。

 

「__!!」

 

少女が後ろで何かを叫ぶ。それを無視して一歩目を踏み出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう動いたことを、次の瞬間には後悔した。

 

「ぅ、うぁあああああああああああああああああっっ!?」

 

後ろから響く若い絶叫。途端に鼻に付く鉄の臭い。自分を含め辺りの壁に飛び散る真っ赤な何か。声の主は先の少女。では、血の主は?

 

振り返った瞬間目に飛び込んできたのは必死に回復魔法を唱える黒髪の少女と、腹から内臓と真っ赤な血を零す一人の青年、そして大剣を肩に担いだ一人の女。

 

女はにやりと笑って、もう一度大剣を振り下ろそうと力を込める。今度は__治療師の彼女の上に。




閲覧ありがとうございました。

しってましたか次のダンメモのイベントベートさん主役なんですよかっこいいですよ!!!
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