【凶狼】が闇落ちしたのは間違っているだろうか。 作:ほしぞら
ぁ、何時もにまして(?)短いです。
豪快なドワーフ料理を雑に掻き込み、皿に盛られた分すべてを食べきる。
口の中にあと引く甘さに小さく顔をしかめながら、空になった皿を台所の流しにおいて、宿をあとにした。
「いってらっしゃい」
そう聞こえたが返すことはせずに、只、手を小さくあげた。
満足げに息を吐く音が聞こえて、間もなく、ばたん、と扉が閉まる。
さぁ、今日も何時ものように、強さを求めて。
迷宮が下に眠る『バベル』へと足を進める。
既に完全装備、『フロスヴィルト』に使う為の魔剣も銀靴の収納場所に十数振り入れている。
今日は使う気は無いが、ダンジョンは常に未知だ、異常事態が無いとは言えない。
備えあれば憂い無し、と何処かの神が溢した東国の諺を思いだしながら、ふと、視線を横に向けた。
強者としての力を、気配を感じたと言うか、只、ぞわりと背筋が粟立つ感覚に襲われたのだ。
視線の奥、大通の中心に見えたのは、美しい金の長髪を風になびかせる少女。
褐色の肌の少女__恐らくアマゾネスのLv.6【大切断】__と一緒に何事かを話している。
「【剣姫】だ……【ロキ・ファミリア】……」
何処かからか漏れた、羨望の声。
【ロキ・ファミリア】の上級冒険者、それが二人__否、後ろにも数人、それだけいれば、視線も否応無しに集まる。
彼女らの中に一人、エルフの少女が無遠慮な視線を向ける群衆を、険しい顔で見つめていたが、早朝だ、これくらいの人数しか居ないだけましだろう。
そんなことを思いながら、静かにその場を去る。
ダンジョンへと向かうがてら、確かに聞こえた『オリハルコン』の声。
あの扉の話だとはすぐにわかった。
そして、そこに行くために、回復薬やら精神薬を買いに来ていることも。
「……」
無言で振り替えれば、眼鏡にお下げの気弱そうな少女と目が合った。
自分の視線に怯えたのか、小さく肩を跳ねさせる彼女は、いくら高く見ようがLv.4。
あの人造迷宮にいけば、きっと死ぬ。
「……」
数秒視線を重ねたが、そう思った瞬間に切った。
そして、ダンジョンに向かっていた足を、別方向へと向けた。
「……【凶、狼】?」
「どうしたの、リーネ?」
記憶の奥底から引き摺り出した、とある冒険者の二つ名。
段々と増えていく人混みに消えた、灰色の毛並みを思い浮かべ、治療師は小さく首をかしげた。
▼▼▼
「おいおい、ベートォ?何書いてんだよぉ、あとでバルカにぶっ殺されんぞぉ?」
「うるせぇよ」
その日の夜。
ベートが自腹で買ってきた大きい筆と、銀に目立つ漆黒のインク。
「…………ちっ」
騒然と銀の輝きを放つ扉に、共通語でかかれた、たった一言。
『雑魚は巣穴に引っ込んでろ』
そんな粗暴な言葉を、【ロキ・ファミリア】が目にするまで、残り数時間を切った。
魔石灯に照らされる二つの長影は、ユラユラと揺れた。
どうでもいいかも知れませんが、今度ベートさんが女の子の官能しょーせつを書きたいです。
書いて良いですかね(汗)
娼婦の中ではアイシャよりサミラが好きです。
フリュネは蛙です。
単純に苦手です(くそ)