【凶狼】が闇落ちしたのは間違っているだろうか。 作:ほしぞら
「フィ~~~~~~~~~~ンッッ!!!」
女性とは思えないバカでかい肉声が聞こえてくる。
場所は【ロキ・ファミリア】がヴァレッタと対峙している人造迷宮の広間、その下の通路。
Lvは既に第一級、それに伴い五感もさらに鋭くなっているせいで、頭上の狼の耳はしっかりと音を捉えていた。
「…………うっせぇ……」
ゲンナリと言葉を漏らして、銀靴をガツガツと苛立だしげに鳴らし、自分が指定されていた場所へと向かう。
近付くにつれて、確かな鼓動の音が聞こえてきた。
七つ_否、一つはもう『使った』のだから、六つ。
重なり合う鼓動は酷く不快感をもたらし、ベートは眉を顰めた。
「……これで、引き寄せられるってマジかよ……?」
怪人の女からエニュオの言葉を聞いて、耳を疑った。
『汚れた精霊』。
それは、レヴィス達が『彼女』と呼ぶ存在であるとは知っていた。
だからこそ、そんなものと金の少女が関係しているとは、思えなかった。
部屋に顔で覗かせれば、大型のフラスコ容器にいれられた『宝玉の胎児』の姿が目に入る。
数個は既にフラスコを破って外に出ており、薄く開いた目がなんとも不気味であった。
「……育ちきったか」
『それら』を予めそこに置かれていた麻袋に、丁寧に入れていく。
あまりに雑に扱えばあいつらに半殺しにされるのはわかりきっている。
新たに破って出たもの_結局六つすべてを麻袋に入れきると肩に背負い、持っていく。
もし、ここにこれを置いたままにしてしまえば、アイズや他のやつに壊され、もう使えなくなる。
レヴィスが一匹を運んでいた姿を思いだし、迷わぬように歩いていく。
__少なくとも、アイズが来る前には戻ってこれるだろう。
そう考えては、銀の長靴をならして、進んでいった。
▼▼▼
「これで、よしっ、と」
背中で響く鼓動が気持ち悪かった、と溜め息をついて走り出す。
……結局道に迷ってしまい、かなりの時間を喰ってしまっていた。
下手をしたら、もうアイズが彼処に来てしまっているかも知れない。
そう考えて、更に速度をあげた。
得体の知れない高揚感に、無意識に笑みを象りながら。
▽▽▽
あの少女との出会いは、全て運命の神が仕組んだことだったのかも知れない。
もしくは、炉の神の慈悲か。
荒みきっていた自身が出会った、金色の少女。
酒場でドワーフの大戦士にブチのめされてから一年間、何度も顔を合わせ共に戦った、あの少女。
__年は生きてたら妹と同じくらいだろう。
年に似合わぬ表情で必死に剣を振り続けていた。
__どうしても、幼馴染みの顔が浮かんでくる。
綺麗な、より鮮やかな金色の髪。
__アイツと、同じ目だ。
強さを飽き足らず求め続け、強者に成り続ける、その視線。
いつ死ぬかもわからない、その姿に罵倒を連ねる時も少なくはなかった。
『バカじゃねぇのか。そんな突っ込んで行ってりゃあ、その内あっさり殺られちまうだろうが。目標だか願いだか何が有るのかは知らねぇけどよぉ……叶う前に死んじまっても知らねぇぞ』
齢十歳の少女に言うことではなかっただろうが、言葉を掛けずには居られなかった。
剣を下ろし、彼女が返したのは、笑ってしまうような、そんな言葉だった。
『……死なない』
『は?』
んな訳ねぇだろ、そう続けようとした口は、嘲笑を吐く隙を失った。
『私は死なない。死ねない。強くなるまでは、悲願を叶えるまでは、死ねない。死ぬことは、私が許さない』
絶対、あの年代の少女が吐くことはないであろう決意にまみれた本心。
悲願にしがみついた、子供の言葉。
ベートは、その時も笑っていた。
笑いは、次第に表情に浮かぶだけではなくなり、微かだが喉の奥から声を漏らした。
『……くっ、はははっ!』
『……?』
いきなり笑い出した自分を見つめる、疑問を目に浮かべ、首をかしげる少女の顔はなんだかおかしく、また笑ってしまった。
涙が出るほど、笑ってしまった。
はい!!聞いてください!!コミカライズのソード・オラトリア9巻読みましたか!?
ベル君の戦いを見てベートさんがみいった挙げ句にしかも体が疼くとかいってるんですよ萌えました(おま)
あとガルァアアアアのベートさんまじくそ好きです。
かっこいいです。
アニメでもちょくちょく萌えます。
椿さんが寄るシーンに何度変わってほしいと思ったか……!!!
いつかトリップしたいですо(νων(оスヤァ
また戦闘シーンを出せなかったですごめんなさい、次回は絶対でます。