今、俺は朝来た道を重い足取りで引き返している。
研究所内にあったカプセルや資料も見る気になれず、もう場所は覚えたからと一旦帰ることに決めたのだ。
あの紙に書かれていた事は俺の心にかなりの衝撃を与えた。その内容はそれはもう酷い物で、非人道的な精神異常者どもの狂った妄言がつらつらと書き綴られていて、そんな狂人どもの醜い欲望の犠牲になった少女は俺がよく知ったあいつだった。
世界を呪いたくなった。あれだけ深い悲しみを味わってきたあの少女に、まだ
「くそっ……ふざけるなよ……」
憎々しげに怒りを呟く。沸々と燃えるような憤怒が更に高まっていく。
「あんまりだろ……つい最近だって、俺があいつの心を傷つけたってのに……」
お互い阿吽の呼吸で通じ合えるほどだったのに、俺は危うくあいつをこの世に残したまま逝くところだった。だがあいつは、諦めずにもがき俺を助けてくれたんだ。一次は俺の状態を聞いて泣き崩れたって言うのに。
本当にあいつには感謝している。とある感情にも気付く事が出来た。俺が今こうして生きているのは、他でもないあいつのおかげなのだ。
なのに……。
違う! いつまでもうじうじ言っている場合じゃねぇ。時間が短いとはいえ、まだ期限までは充分ある。手遅れじゃないのだ。
先ほどまで燃え上がっていたエネルギーをやる気へと変換していく。
拳を強く握り締め、雲ひとつない真っ青な空を見上げ、決意の篭った視線でギラギラと照りつける太陽を睨みつける。そしてすぅと息を吸って――
「フキョウはぜってぇ死なせねぇ! あいつは俺が、俺が救ってやる! 何の役にたたねぇお天道様の変わりに、俺があいつを照らしてやる!!」
大声で言い放ってやった。
俺はこれからの時間を全てあいつに捧げて、絶対に助かる道を見つけてみせる。
あいつが俺に全てを捧げてきてくれるように、まず俺から捧げてやるんだ!
胸に決意を抱き、俺は再び帰路へつく。
その足取りは力強く、俺の自信が表れているようだった。
□
「あ、おかえりナナシ」
「あぁ、ただいま」
村へとついた俺は集会場の酒場へと向かった。いつもの席でいつもの飲み物を片手に一人で座る少女の姿を見て安堵する。
「どう? なにかわかったの?」
「いや、なんもわかんなったわ。何が書いてあるのかさっぱり」
いずれ伝えないといけないことはわかっているが、つい嘘をついてしまう。けどまぁ、関係ないさ。俺がこいつを救うんだから、あの情報はもはや必要ない。
彼女の質問に答えながら、俺は正面へと腰をかける。
「ふふ、お前って頭悪いもんな」
けど、どうしてなんだろうな……。
こいつが滅多に見せない笑顔をしているってのに、心がちくりと痛むのは。
うーんなんか文章が迷子。
もしかしたら書き直したりするかもです。