とある青年が銀河英雄伝説の世界に転生した   作:フェルディナント
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第九話

 同盟軍にたいし決戦を挑んだ帝国軍。ヤン・ウェンリー率いる第十三艦隊の激しい抵抗にあいながらも同盟軍を圧倒。そしてキルヒアイスが敵後方の機雷原を突破し、勝敗は決まった。

 

 「敵艦隊、後退を開始。第十三艦隊がしんがりになるようです」グリルパルツァーが報告した。

 「ならば第十三艦隊を叩くまでだ。全艦前進!敵の右側背に回り込め!」

 直ちに僕の艦隊は敵艦隊の右舷に回り込んだ。このまま砲撃しつつ、後ろから叩く。

 他の艦隊も第十三艦隊を包囲する配置についた。だが、そのなかでもやはりビッテンフェルト艦隊は薄かった。ここでどうにかしなければ、ヤン艦隊に逃げられてしまう。

 「全艦、ビッテンフェルト艦隊の後方に展開しろ」

 「なぜです?」グリルパルツァーが聞いてくる。

 「わからんか。ビッテンフェルト艦隊の薄さは他の艦隊に比べても顕著だ。敵はここを狙ってくるはずだ」

 「なるほど」

 

 「敵の一部、移動を開始」

 「ほう。敵にも先の見えるものがいるらしいね。これじゃあ突破できないな」

 「ですが、このまま戦っていても全滅するだけです。いかがなさいますか?」ムライが聞いた。

 「全艦、後退の速度をあげろ。敵が食いついてきたら敵艦隊左翼に砲火を集中。混乱した敵左翼を盾としつつ離脱する」

 「はっ!」

 

 「敵艦隊の後退の速度が上がりました」

 ちょっと待て。このあとどうすればいいんだ?史実ではビッテンフェルトが突破されて終わるから、そうならないということか?もしくは僕の艦隊がヤン艦隊を全力で追いかけるように仕向け、その隙にビッテンフェルト艦隊を突破するつもりか?どちらにせよ、こっちは下手に動かず、他の友軍と足並みを揃えた方がいいな。

 「全艦、速度をあげろ。敵を確実に追い詰めるぞ。いざというときには我らが予備部隊になる」

 それからしばらく砲撃戦は続いた。だが。こちらはただでさえ大軍なのにそれが速度を上げて砲撃戦をしていることもあって陣形が乱れた。

 

 「今だ!全艦全速!敵の左翼、ミッターマイヤー艦隊に砲火を集中!」

 「撃て!」マリノが命じる。

 第十三艦隊は一斉に突撃し、ミッターマイヤー艦隊に砲撃した。

 「いかん!こちらは陣形が乱れている!直ちに停止!しかるのち陣形を再編!急げ!」

 だが、各部隊の足並みが乱れ、ろくに再編もできない。そのうちに第十三艦隊はミッターマイヤー艦隊の鼻先を抜けていった。しかもミッターマイヤー艦隊のせいで他の艦隊も撃てない。そもそも陣形が乱れている以上、まともな攻撃も望めないが。

 「くそっ!」僕は肘掛けを叩きつけた。みすみすやられた!








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