とある青年が銀河英雄伝説の世界に転生した   作:フェルディナント

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第十四話

 さて、僕の管轄内での仕事は終わった。他に何があったかをいっておく必要があるね。

 

 マリーンドルフ家・・・原作通り。ヒルダは秘書官になる。

 門閥貴族たち・・・大半は処刑、または爵位を剥奪。

 

 問題なのは、オフレッサー上級大将である。かれは行方不明になった。いや、死んだわけではない。

 彼はオーディン上空戦を脱出した。そして、ガイエスブルグ要塞にこもったのだ。彼の他には、ランズベルク伯爵ら数十人の貴族が加わったらしい。

 実働艦艇は18000隻いる。

 これらはすべて、大体の処置が終わってから明らかになった。

 そのため、急遽遠征軍が組まれた。

 司令官は僕。配下にはミッターマイヤー大将、ワーレン中将、ビッテンフェルト中将が加わった。

 遠征軍の総兵力は64000隻。ガイエスブルグ要塞を落とすにはこれくらいの兵力が必要だと見積もられた。

 そして、出発直前、ラインハルトは僕にこんな策略を持ちかけた。もっとも、オーベルシュタインが考えたらしいが。

 「ヒルシュフェルト。卿はガイエスブルグ艦隊を殲滅しろ。ただし、殲滅したら我々の増援を要請しろ。それに応じて我が全軍が帝都を離れる。そして反乱を鎮圧する。そしてこの反乱がリヒテンラーデの策謀で、我々を陥れるための罠だったとするのだ。その口実でリヒテンラーデを捕らえる。奴が先に行動を起こせば、むしろこちらにとって好都合だ」

 「御意」

 そして僕は、艦隊を率いて出撃した。

 

 「さて、敵を要塞から引きずり出す必要がある」旗艦「ルーヴェ」艦橋で僕は作戦説明を行った。

 「ミッターマイヤー大将。敵要塞の主砲射程外から攻撃をかけ、敵を引きずり出してください。縦深陣に引き込み、包囲殲滅します。その上で、要塞本体への強襲揚陸作戦を開始します」

 「了解した」ミッターマイヤーが頷いた。

 「ワーレン艦隊は敵の右側から、我々本隊は敵の左から攻撃する。ビッテンフェルト艦隊は敵に止めを刺すため、待機していただきたい」

 「了解した」ビッテンフェルトが頷く。

 「では作戦準備にかかってくれ」

 「はっ!」

 

 「敵が砲撃をかけてきます!」

 「ぬうっ。敵は何を考えているのだ」オフレッサーは首を捻った。

 「閣下。ここは私が参りましょう」そう言ったのはアルフレッド・フォン・ランズベルクである。「敵は金髪のミッターマイヤー大将と聞きます。彼と戦えるなど、武人としてこれ以上の誉れはありません」

 「わかった。出撃しろ」オフレッサーは命じた。

 ランズベルクの顔がぱあっと明るくなった。「ありがたき幸せ。ミッターマイヤーらと戦えるなど、このランズベルク伯アルフレッド、感嘆の極み・・・」

 実際のところ、艦隊を率いているのはランズベルクただ一人である。彼が司令官にならざるを得ない。

 そうして、ランズベルク伯爵の艦隊は出撃した。

 ランズベルク艦隊は18000。これにたいしてミッターマイヤー大将の艦隊は16000。数の上ではランズベルクの方が有利だった。

 「敵艦隊、接近!」 

 「よーし食いついたぞ。艦隊をゆっくり後退させろ。敵を縦深陣に誘い込む!」

 ミッターマイヤーはランズベルク艦隊と砲火を交えつつ、後退した。

 「敵は後退した!全艦、追撃!」ランズベルクはミッターマイヤーの誘いに乗った。

 ミッターマイヤーは後退速度を調整しつつ、ランズベルク艦隊を誘い込んだ。この艦隊運動はミッターマイヤーだからこそできたものだろう。僕にはできない。

 「敵艦隊、我が軍の縦深に引きずり込まれました!」参謀長ミュラー中将が報告した。

 僕は椅子を立った。「よし!全艦攻撃開始!ファイエル!」

 一斉に僕とワーレン中将の艦隊、合計して34000隻が砲撃を開始した。

 三方向から集中砲火を浴びせられ、ランズベルク艦隊の艦艇が面白いように沈む。

 「全艦、正面のみに砲火を集中!戦いのなかで死ぬは、武人の名誉であるぞ!」ランズベルクは命じたが、所詮彼ではとても艦隊を崩壊から救うことはできない。

 そんななかで、されにビッテンフェルト艦隊が天頂方向から攻撃を開始した。

 「全艦撃て!一隻たりとも生きて返すなあっ!」

 黒色槍騎兵艦隊の猛攻撃を食らってはランズベルクなど一たまりもない。

 「ぐわあああああっ!」ランズベルクは旗艦を轟沈されて死亡した。

 そして、残った艦艇も撃沈、または降伏し、反乱軍の機動戦力は全滅した。


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