とある青年が銀河英雄伝説の世界に転生した   作:フェルディナント

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第四話

 その三ヶ月後のこと。ジークフリードはカストロプ動乱を平定し、中将に昇進した。

 そして、ヤン・ウェンリーはイゼルローンを攻略し、中将に昇進した。あれ、キルヒアイスとヤンはほぼ同じタイミングで中将になったんだね。

 僕の配下には13500隻の艦艇が入った。そして、個人用旗艦を与えられた。

「ルーヴェ(獅子)」。後の「獅子帝」ラインハルト・フォン・ローエングラムの忠臣(と信じたい)僕にとってこれ以上によい名前の艦はなかった。

 新鋭戦艦ベイオウルフ級の三番艦で、主砲の出力を向上させている。機動力も多少高い。バリアの出力は「ベイオウルフ」と「トリスタン」の中間といったところか。緑色のラインが「ベイオウルフ」と同じところに入っている。

 戦艦「ブリュンヒルト」「バルバロッサ」とならんで停泊する姿は壮観だった。

副司令官にはロルフ・オットー・ブラウヒッチ少将、参謀長にアルフレート・グリルパルツァー准将。この中でも、グリルパルツァーにロイエンタールを殺されたくないので、グリルパルツァーは手元においておくとしよう。

 こうして、「ヒルシュフェルト艦隊」が完成した。

 これから考えるべきことは「僕はアムリッツアで誰と相対するか」だ。史実よりも一個艦隊こちらが多い以上、この一個艦隊をラインハルトは好きなところに投入できる。

 史実で生き残った艦隊は敵の第五、第八、第九、第十、第十三艦隊だ。

ここから半数を失った第九、第十艦隊を抜くとして、後はビュコック、アップルトン、ヤンか。

 アップルトンも除外だな。ここで考えにいれることはない。

 とすると残りはビュコックとヤンか。でもここはやっぱりヤン・ウェンリーの第十三艦隊だろうな。

 とすると次は「どこで叩くか」だ。最初はヤヴァンハール星系でのケンプ艦隊との戦い、次にドウェルグ星系でのキルヒアイス艦隊との戦いだ。最後にアムリッツア恒星系での死闘。この三つの戦いのいずれかでヤン艦隊と戦うか。

 ケンプ戦では僕とカール・グスタフ・ケンプ中将と僕の階級が同じなので、第八次イゼルローン攻防戦よろしくケンプの指示で動かざるを得ないかもしれない。

 アムリッツア本戦ではすでに乱戦状態にあり、ビッテンフェルトを支援することも難しいだろう。もちろん、チャンスは多いだろうが、他の艦隊との戦いに忙殺される可能性がある。

 とすると、ドウェルグ星系でのキルヒアイス戦か。ここでなら、ジークフリードも言うことを聞いてくれるだろう。実際ここの戦いが一番チャンスが多いように思える。もしここで五倍の戦力でかかれば・・・倒せるかもしれない。そうすれば、ケンプ、レンネンカンプ、シュタインメッツは助かるし、戦いももっと早く終わるだろう。

 僕は策を巡らせた。全てはラインハルトのために。

 


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