男性転生者だらけのインフィニット・ストラトス   作:鋳型鉄男

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1000UA及び感想、お気に入りありがとうございます。
今後の展開を考えていましたが、近いうち及び最終的な着地地点にて原作崩壊・独自設定タグが大仕事する事が分かりました。
18人もイレギュラーが居るから仕方ありませんと割り切れる方は今後もご愛顧願います。


三日目

「はいはーい、新聞部でーす。話題の一年五組の新入生に特別インタビューをしに来ましたー」

 

 各授業が終わった放課後、第三アリーナの観客席から上級生にISの指導を受ける同級生を眺めていたところをブン屋に捕まった。いずれ来るだろうと思っていたが、まさかクラス代表戦より前に来るとは思っていなかった。

 

「あ、私は二年の黛薫子。よろしくね。副部長やってまーす。はいこれ名刺ね。何枚か渡すからクラスで配ってくれると助かるなー」

「どうも。ご存知でしょうが一年五組のスレイマン・エクシオウル」

「同じくクルス・パラシオス。こっちの厳ついのより気楽に話しかけてくれていいぜ」

 

 名刺を受け取り名乗り返す。一緒に居たクルスをして硬いのとは随分な言われようだが、事実なので放置する。

 

「男性操縦者って個性的なの多いよねー。ではインタビュー行ってみよう。まずはズバリ世界有数の男性操縦者になった感想をどうぞ」

「ああ、神様。美しいお嬢様方に囲まれる最高のプレゼントをありがとう」

「選ばれたからには誇れるだけの能力を手に入れたい」

 

 答えた後、男同士でお互いの目を睨む。こいつ(クルス)のこの軽薄な所は()()として気に障る。向こうの意図はこのええかっこしいの石頭め、といったところか。

 

「二人は対照的だねー。じゃ次はクラスの印象を聞こうか。またクルス君から」

「堅苦しい奴から五月蠅い奴までまとまりが無くて面倒だな。クラス代表戦を勝ち抜いた奴はご愁傷さまって感じ」

「おっとそれじゃあ次は噂のクラス代表を決める決闘については後で詳しく聞かせてね。スレイマン君はどう?出来れば違う意見が欲しいなー」

 

 違う意見と来たか。正直自分の目から見ても一年五組は面倒という印象は感じる。同様の返答だと捏造される未来が見えるので、仕方ないが少し細かく語る事にする。

 

「では私なりの分析を。クラス代表戦に伴い既に3つに分かれ始めています。あそこに居るマリアーノと愉快な日本人4人の織斑派5人、第二アリーナに専用機を受領しに行った対抗馬ラッセルとマクグラスのアメリカ人2人、第一アリーナ整備室に籠って専用機弄っているらしいレイモンド、白旗2人の3グループです」

「ちなみにあなた達は」

「私とクルスはグループに入るタイミングを逃した余り者。ついでに他の余り者は一匹狼ダレル、昨日生徒会長に拉致されたフリスチェンコで全員です」

「たっちゃんが拉致?…ああ、フリスチェンコ君ってロシアの子か。なら仕方ないわね。色々指導する事があるんでしょ」

「今朝見たら目が死んでたぜ。生徒会庶務に叩き込まれたとか」

 

 原作より遥かに早い時期の生徒会登場であり、どうやら原作準拠のストーリーにしたいらしい織斑派は拉致の際かなり衝撃を受けていた。直後の北条、南路ペア対生徒会長の二対一はフリスチェンコに諦念を刻み込むに相応しい瞬殺劇であったことを付け足しておく。

 

「それぞれの印象は、仲のいい男友達な織斑派、脳筋と指揮官アメリカ組、真面目一徹に見えて何か企んでいる気配がある整備室組、といったところです。必要でしたら後ほど私見でクラス全員の印象を纏めて送りますよ」

「お願いしようかな。いっそ新聞部にそのまま入部してくれてもいいのよ」

「考えておきます」

 

 学内新聞を刊行する中で学内の情報が集まると考えれば悪い提案ではないので、真面目に検討するつもりだ。単純に部活動に所属して上級生と面識を持ってだけでも何かと便利が良いのは前世で良く知っているので、取材に託けて顔を売っておくのも良いだろう。

 

「それじゃぁ最後に。二人はクラス代表戦を勝ち抜くのは誰だと思う?」

「それは…」「そいつは…」

 

 

  ◇男達の空 / それっぽいオリ機

 

「あー……んじゃ二人ともさっさと装着してー。そうそう足突っ込んだら手伸ばせ。装甲が付くからなー。んであとはシステムが勝手にやるから」

 

 放課後、第二アリーナBピット。目の前には金髪をうなじで束ねた長身の三年生、ダリル・ケイシーとその相方、二年生のフォルテ・サファイアというIS学園の数少なかった専用機持ちの二人が居り、その指導を受けながら俺ことデリック・マクグラスと同じくアメリカで見つかった男性操縦者(転生者)は受領したISの「初期化(フォーマット)」と「最適化(フィッティング)」を行っていた。

 

「あ、この丸っこい間接とデカいスラスター、アメリカ製第三世代(ファング・クエイク)ッスね。競技用に調整したッスか」

「肯定します。正確には、保管してあったファング・クエイクの試作パーツ、予備兵装を再調整の上で無理矢理押し固めたもの、アメリカ製第ニ・五世代(ギャラクシー・ストライカー)であります。近接型フレームに射撃武装と誘導兵器山盛りで、正直に申し上げて不格好の誹りは免れる事が出来ないかと」

「本国の技師も文句垂れてたなー。ダサいの作らされたーとか、男共が調子に乗ってるーとか」

 

 この専用機に関して、原作で言及されていた女尊男卑の風潮は大いに体感させられた。

ISコアの確保は間に合ったのだが、フレームについてはこれでもかという程に渋られた。それでも間に合ったのはフレームを提供した軍の反IS勢力――正しくはISと同時に女性が軍権を握るのを嫌った勢力――の強権発動によるものである。

 従って現在関係各所がギクシャクしているとは担当事務官(男)の愚痴だ。

 

「今の内は好きに言わせておけばいいんだ。いずれ素直に俺達に手を貸さなかった事を公開する羽目になるだけだ」

「そーゆーのが調子に乗ってるって言われんだよ」

「自信家なのはいいッスけど、どこまで実力がついてくるッスかねーこのお坊ちゃん」

「リチャード、先輩方も。喧嘩は後にしてください。まだ一次移行(ファーストシフト)の途中であります。せめてそれを終えてから…」

 

 そこまで口にして後悔した。ダリル・ケイシーの目が完全に獲物を狩る狩人の、或いは新兵を扱く上官のそれに代わったからである。

 

「よし決めた。この後早速模擬戦(喧嘩)と行こうか。クラス代表決定戦やるなら、実戦経験は必要しなー」

 

 睨むなリチャード。軽率だったとは思っている。

 

 

 

 

『おーっし位置についたな。てきとーに手加減はしてやるから二人掛りで来な』

「イエスマム。胸を借ります」

『セクハラッスか?金取るッスよ』

「比喩表現です。では、戦闘(アクション)開始します」

『俺も行くぜ!』

 

 宣言と同時に予め確認しておいた連装ロケットランチャー及び76㎜速射砲を展開(コール)、同様にガトリング砲を二門展開していたリチャードに僅かに遅れて射撃を始める。

 

『おいおいどこ見て撃ってんだー?ISに適当に撃っても当たらねー事くらい男でも分かるだろー』

 

 予想はしていたが、初撃は余裕をもって避けられ、アリーナのグラウンドに穴を開けるに留まった。ハイパーセンサーで先輩二人(敵影)を捉えてはいるものの、二機は絶妙に機体を揺らしておりオートの偏差射撃が明後日の方向に向かされている。余りに砲身が安定しないのでマニュアルに変更せざるを得ない。

 向こうの二人に武装の展開は確認できない辺り、本当にやる気は無いと予測される。

 第二撃。マニュアルに変更した事で油断していた為か、速射砲がコールド・ブラッドの肩を掠める。

 

『おっと、今の惜しかったッスね。その調子でよく狙うッス』

 

 フォルテ・サファイアはそう言いながら機動パターンを変化し、此方をおちょくるかの様に反復横跳びを始めた。照準が定まらず撃つ事すらままならなくなったことが、素人にはそれで充分である事を端的に示している。

 

『小賢しい……デリック、敵機周囲に炸裂弾をもう少しばら撒けるか?上は俺のIS(サンダーボルト)の垂直弾道ミサイルとガトリングで抑える。固まった所をもう一度狙うぞ』

「ラジャー」

 

 …こと戦闘においてリチャードの事を脳味噌まで筋肉が詰まったトリガーハッピーだと思っていたが、流石にイメージが失礼過ぎたようだ。よく見ればガトリング砲も打ちっぱなしではなく、数秒間のみに留めている。

 織斑の噛ませキャラかと思っていたことは、そのうち懺悔室に持っていく事にしようと思う。

 

『お、作戦会議かー?やって見せな。通じないけどなー』

『乗り始めて数分の新人に何が出来るか分かんないッスけど、隠し玉まで出し切ることをお勧めするッス』

 

 事実として正当な評価だが、かなり侮られている事が伝わってくる。向こうが地上に居てコンビネーションを取る気配すらないのは付け入る隙と見るべきか。

 

「目にモノを見せてやろう。そちらの合図で一斉射撃に入る。ロケット弾の射線を送るのでガトリング砲での誤射に留意してくれ」

『ラジャー。3カウントで行動に出るぜ。スリー、トゥー、ワン、GO!』

 

 ギャラクシー・ストライカーに量子化されていたロケットランチャー、グレネードランチャー、ミサイルランチャー、チェーンガンを一斉に展開、展開完了と同時に全トリガーを引く。自分で展開しておいて何だが、牽制にこの火薬量は頭おかしいと評価せざるを得ない。なお、機体コンセプトが正に制圧砲撃なので、関連する感傷はただ詮無きことである。

 そして数瞬遅れでリチャードによるガトリング砲とミサイルの斉射が続く。こちらから転送した弾道は上手く躱しつつ、逃げ道になりそうな隙間を撃ち下している。この間にロケット・ミサイルへの誤射は無かった。

 この模擬戦の数分間でリチャードの株価が跳ね上がっている。

 

「二人の誘導に成功。このまま火線を集中させる」

『ラジャ。このまま削り切る!』

 

 土煙も晴れないままにトリガーを引き続ける。ハイパーセンサーを以てしてようやく機影が捉えられるような熱と衝撃、対IS用弾頭と火薬の嵐の中。砲身の過熱と弾頭の打ち切りが見え始めた頃。

――それらは正体を現した。

 

『…本国の技師がダサいって言った理由が分かるな。鉄風雷火だけってのはISの美しさとは離れた概念だしよー』

『ホントッスよ。ISってのは弾バラ撒けば良いってもんじゃ無いッス』

 

 予感、いや確信のもとリチャードと同時に斉射を止めた。過熱しかけの砲身からは熱気が立ち上る。納めていたものを放ったランチャーが量子化されるのを横目に、爆心地もかくやと言わんばかりの惨状になったアリーナの一角を注視した。

 

『あーあ手加減してやるつもりだったのにここまでされちゃーしょうがねーな』

『そうそう。調子乗った後輩には現実を知らせなきゃッス』

 

 ()()()()()()()()()。シールドによって外界と隔離されたアリーナ内部のそれは砂塵を払い、風を引き起したモノ()の姿を顕わにした。

 

『へっ。前言撤回させてやったぜ、先輩方よぉ』

「ここからが本番だ。切り替えろリチャード」

 

 両肩の犬頭から炎を吹き出す地獄の猟犬(ヘル・ハウンド)。揺らぐ陽炎を物ともせず確固たるカタチを保つ氷壁。そして

 

『まさか使わされるとはなー。流石に油断しすぎた』

『そッスね。でも使わされたからにはもう』

 

 ()()()()()()()()()()()()()I()S()。これぞIS学園最硬のコンビネーション。冷気と熱気による分子の相転移を用いた防御結界。

 

『『遊びは終わり』』

 

 《イージス》。機体性能を振り回すだけではどうにもならない壁が、二人の前に立ちはだかった。

 

 

 

 この後滅茶苦茶ボコボコにされた。一次移行(ファーストシフト)無しの機体で30分弱代表候補生の専用機に立ち向かった織斑は化け物だと評さざるを得ない。

追記:調子に乗った罰として穴だらけにしたアリーナの片付けを命じられた。歩行訓練と称してISの使用が許されたのは温情だと思う。

 

 

 

 

  ◇より良く、より善く / せめて反射的に竹刀で打つのやめてあげよ?な?

 

「今気が付いたんだけどよぉ、この妙に長ぇ竹刀?こりゃ打鉄用実体剣の長さかぁ?」

「良い所に気付いたね?他の規格のブレードも裏に取り揃えてあるよ?」

「うゎマジだ。……って重っ!重心遠っ!なんじゃこりゃ!」

「作ったは良いけどあんまり使われてない理由?でも恐ろしい事に()()で訓練出来る人が学園には数える必要がある人数は居るよ?」

「流石エリート校だぜぇ。レベルが違わぁ」

 

 現時刻16:34、昨日と同じく第三アリーナにてマリアーノ機による訓練の見稽古を終え、近い動きを馴染ませる為に国産男性操縦者4人(白旗以外)とマリアーノは剣道場に稽古に来ている。

 稽古に同道しているのは篠ノ之箒、剣道部部長率いる剣道部の先輩方、新聞部の画数が多い先輩、根性のある一年女子数名である。他にも興味本位の女子が居たが、剣道部部長が一睨み⇒竹刀一振りで九割退散(含む失神)させた。後に聞いた所によると一部の女子から殺気を通り越して上半身と下半身が泣き別れする幻影が見えたという証言が得られた。ヤバい。

 

「君達もそれくらい出来る様になって貰おうかな?剣道部は新入生を歓迎しているよ?」

「今んとこクラス代表戦でごちゃっとしてるんで、落ち着いたらまた考えます」

 

 ちなみに入部するならと聞かれた時の第一候補である。この剣道部、流石IS学園と言うべきか“道”としての剣術以外に、IS対IS格闘戦向け模擬訓練のノウハウがかなり蓄積されている。昨日の訓練終了間際に見せて貰ったがかなり期待できそうだった。

 余談だがライフル射撃部にも同様に射撃戦向け模擬訓練のノウハウがあるとの事。更に深く聞いたら体操競技部とシンクロナイズドスイミング部は変態と呼ばれたくなければやめておけと忠告された。何故。

 

「今日は昨日より動くから、泣き言言わないようにね?男の子?」

「メインは一夏ってこと忘れねぇで下さいよぉ?」

 

 本日の特別メニュ―、エアガン(対象年齢十歳以上)を撃つ先輩への打ち込み稽古は死ぬに死ねない絶妙な力加減だった。

 

 

 さて、一週間以内に一夏の勝負勘を取り戻させるという意図を十二分に汲み取った煉獄の特訓2時間が終わり、息が上がった俺ら+剣道女子は食堂で駄弁りながら夕食をとっている。

 

「ISの訓練ってこんなきつかったのかよ…女の競技だからってなめてた…」

「同意いたします。それなりの訓練をしてきた私でも今日は堪えました」

 

 長机の隣に座っていた幸島大志とその向かいの四十院神楽が愚痴る。首を振って全面的に同意を示す。

 

「でもこうやって男子とごはん食べれるって考えると役得だよね。それだけで頑張れちゃうもん」

「そうそう。部長の仕分けに耐えた甲斐があるってもんよ」

 

 俺の向かいに座る島津璃子(しまづりこ)周防早希(すおうさき)が続く。彼女らは自称する通り剣道部部長による仕分け(殺気)に耐えた剛の者で、中学剣道大会で篠ノ之箒とも対戦経験があった実力者だ。

 

「その貪欲さには素直に感心する。それは実力相応の要求だろう」

「俺も感心だぜ。やっぱ倍率一万倍を超えてきた色々女子は違げぇんだな」

 

 南路が返し、俺も続く。

 昨日に比べ疲れが滲む食卓だが、なんだかんだ言って華があるのは助かると言わざるを得ない。心なしか一人より箸も進むというもんだ

 ちなみにマリアーノ、一夏及び篠ノ之箒は三人で反省会と次の課題の洗い出しを行っている。時折篠ノ之の手が出そうになるが、その度にレイモンドが窘めることで一夏の安全は守られている。

 

「マリアーノさんって大人だよねー。立ち振る舞いに余裕があるし、謙虚だし」

「その上勤勉で、油断すると見稽古で置いて行かれそうになります。お相手をしていたロレッタ先輩も筋が良いと褒めていらっしゃいました」

「適正がCな事以外に欠点が無ぇって説を提唱するぜ。機体もかっけ―し。最初に仲良くなれて良かったぜ」

「全く同意だ」

「俺もスゲー助かってる。女のあしらい方とかその内教えてもらう予定」

「幸島君はそんな可愛げのない事憶えちゃダメ。いいね?」「アッハイ」

 

 まだ俺らの行動は始まったばかりだが滑り出しは順調。明日は他のクラス代表候補、特に派手にやったらしいリチャードの機体情報を集め、そして一夏にフィードバックする。リチャードはかなり目立ったらしいから情報も集めやすいだろう。

 レイモンド組は整備科に当たりを付ける必要があるな。剣道部の中に整備科の先輩は居ただろうか。明日の訓練の際に聞いてみよう。

 

 …そういえば、訓練後にちょっとだけ話に来たスレイマンはマリアーノの何が気になったんだか。マリアーノ曰く主義が合わないって言われたらしいが、原作介入派だったんかねぇ。

 





戦闘描写難しい。
既出の男性転生者の情報ですが、クラス代表決定戦が終わり次第まとめて掲載する予定です。

以上。感想・誤字脱字報告・ご意見・助言お待ちしております。
リアルの都合と作者の力量の為、次話更新はまた気長にお待ちください。
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