ソードアート・オンライン 緑の何でも屋   作:カエル帽子

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ドーモ=皆サン。カエル帽子です。
お待たせいたしました。今回からゲームのキャラが登場します。


緑と橙とトレジャーハント
トレジャーハンター参上!?


「手が!手がぁぁぁ!?」

 

「痛ぇ!痛ぇょぉ!?」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

 

「...。」

 

日付が変わるか変わらないかの夜。普通なら大体のプレイヤーが眠っているだろう時間に、とあるダンジョンの洞窟内でプレイヤー達の悲鳴が響き渡っていた。

この洞窟は、とあるオレンジギルドのアジトになっている。カーソルの色がオレンジのプレイヤーは犯罪を犯したプレイヤー。圏外で緑カーソルのプレイヤーにダメージを与えたりすると緑からオレンジに。その中でも殺しを行った者達に対してはレッドプレイヤーと呼称されるわけだが。

洞窟内には20人ぐらいのプレイヤーが片腕や片足、はたまた両腕両足が欠損している状態で倒れ伏しており、その誰もがオレンジカーソルだ。そして、その中心にはカーソルが緑の男が一人、オレンジプレイヤーの親玉に刀を向けていた。

 

「...警告する。これ以上抵抗したら、殺すぞ。」

 

「わ、わかった!もう人殺しも盗みもしねぇ!だ、だから見逃してくれぇ!」

 

「...わかった。」

 

オレンジの親玉の懇願が届いたのか、暗い黄土色の装備に同じ色の少し大きな鍔広帽子のグリーンプレイヤーは刀を納め、後ろを向く。

その瞬間を親玉は狙っていた。懐に隠していた短剣を取りだし、目の前の帽子男に突き刺そうとして、

 

「へ?」

 

視界が左右で縦にずれていく。目の前には刀を振り上げた姿勢の帽子の男が。そしてこちらを睨む、その左目は碧色に光っていて。

 

「...言ったはずだ。抵抗したら殺す、と。」

 

「碧...眼...!!?」

 

それがオレンジの親玉の最後の言葉となった。

 

「...お前達、まだやるか?」

 

「...。」

 

「なら、いい。」

 

今度こそ帽子の男は去っていく。小さく何かを口ずさみながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

時は八月。リズとクラインの二人とフレンドを結び直して、はや一週間。この間に何があったかといえば、リズからは必要になったらとかいいつつ、次の日に鉱石をとってこいと頼まれた。金はもらってはいるし、別にいいんだけどさぁ。

クライン、というか風林火山の方も、レビンクロスのホームに来てもらい、団長と話をしてもらい協力関係を築くことができた。ただ、団長を見るクラインの顔がだらしなかったのでどついてやったけど。

まぁ気持ちはわからんでもない。あの人も美人の部類に間違いなく入る人だし。なんだって俺の知り合いは残念系が多いのか。わからねぇ。

他の風林火山のメンバーも、この話し合いの後に会って謝罪をしてきた。罵倒とかされると思ったが、マナスが戻ってきてくれてよかった!などと喜ばれて、しばらくの間もみくちゃにされた。あれは参った。

とりあえず挙げるべき事柄はこんなところかなぁ。

 

「あー...眠いな。」

 

今日の天気は晴れ。雲一つ無い快晴である。とはいえ風が多少吹いているのと、そばに噴水があるのとで暑いというよりは過ごしやすい天気、といったところか。そんな感じなので噴水広場のベンチに座っていると寝不足気味な俺としては眠くて眠くてしょーがない。

 

「誰も来なかったら帰って引きこもろうかなぁ...。」

 

そんなことを思いつつベンチに深く腰掛けて幅広帽を目深に被り、目を瞑る。

アラームは10分後にセットしてあるからよし。じゃあ寝る。

と思ったら索敵に反応あり。むー来てしまったか。とりあえずこのままでいてみよう。

足音がだんだん近づいてきて、俺の側で止まった。依頼人で確定だな。

 

「あれ、もしかして寝てる?おーい。依頼人の登場だよー?」

 

ん?この声はアイツか。そういやメールはしてたが、直接会うのは2週間ぶりか。剣虎の直後に一回会ったぐらいだもんな。ちょっと遊ぶか。

 

「...んーホントに寝ちゃってる?どーしよ?ねぇ、ホントに寝てるの?」

 

「あぁ寝てるぜ。」

 

「そっか、寝てるのね。じゃあまた後で来るよー...ってそんなわけないじゃん!」

 

おー、ナイスノリツッコミ。

なかなかにキレのあるツッコミに目を開けて声の主を見やる。

 

光の当たり方次第で金髪にも見えなくない明るいオレンジ髪のショートヘアーに青系の軽装防具で固めた、見た目から盗賊職に見えなくもない女の子が不機嫌そうに立っていた。

 

「悪い悪い、いや二週間ぶりかフィリふゎぁぁ。」

 

「人の名前を欠伸混じりに呼ばないでほしいんだけど...というか眠いのは本当なのね。」

 

「まあなー。昨日は夜更かししたもんだから、眠くてかなわん。今日の依頼拒否ってもいい?」

 

「いやいやダメだって。そもそも受ける気無いなら、ここにはいないでしょ?」

 

「ちっ、ばれたか。」

 

「なんで舌打ちされたのかな!?」

 

 

さて、そろそろ説明しようか。

この子はフィリア。短剣使いで自称トレジャーハンターを名乗っているプレイヤーだ。今まで攻略されたダンジョンや後から新しく発見されたエリアの未開封宝箱を求める、俺からしてみれば珍しい部類のプレイヤーだ。お宝を求めるだけあって、隠密や罠解除のようなスキルの熟練はかなり高く、パーティに一人でもいてくれたら嬉しい人材ではあるだろう。

本人は、あまりパーティを組みたくは無いようだけどね。

 

「それで?今日もトレジャーハントの助っ人か?」

 

隣に少し間を開けて座るフィリアに聞いてみる。

 

「うん、51層のダンジョンで隠しエリアを見つけたんだ。だけど敵が強くてさ、とてもじゃないけど一人じゃ危なそうなんだ。お願いできる?」

 

フィリアのお願いは今に始まったことじゃない。今年の三月か四月辺りから助っ人を頼まれ、何度もパーティを組んだ仲だ。カイトやカノン達の次に付き合いの長い人かもしれない。ちなみにカノンとフィリアはフレンド登録をしている仲だ。ただレビンクロスの皆とは面識はない。

 

「とてもじゃないなら大丈夫かな。いいよ、詳細は向かいながら話そうか。あっとカノンにメールをっと。」

 

今日は51層のダンジョンに行くと簡潔にメールを打った。するとすぐに返事がきた。内容は

 

お気をつけて。ちゃんと帰ってきて下さいね?

 

とのことだ。もちろん、ちゃんと帰るつもりさ、そういう約束でもあるしね。ウィンドウを閉じるとフィリアがじーっ、とこっちを見つめていた。

 

「...じーっ。」

 

口に出して言っちゃってるよこの子。出会った当時は、もう少しクール系だと思ってたんだけどな。

 

「どうしたのさ?」

 

「何でもない!さぁ行くよマナス!」

 

「え?ちょ、おい!?」

 

俺の手を掴んで、ぐいぐい進んでいくフィリア。なんだろう、最近のフィリアは俺に遠慮が無くなってきている気がする。一体何なんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

「~♪」

 

「いつも何か歌ってるけど、マナスは歌が好きなの?」

 

ダンジョンに向かう途中、鼻歌を歌いながら歩く俺にフィリアが聞いてきた。

 

「まぁな。とは言ってもアニメやゲームの曲ばかりだけどね。」

 

「ふーん...マナスはゲーム好きなの?」

 

「大好き、と言いたいところだが実際どうだろうなぁ。引きこもってて、やることが無かったからってのもあるし。」

 

「えっ!?マナス引きこもりだったの!?」

 

なんかめちゃくちゃ驚かれた。

 

「そうだぞ?そんなに意外か?」

 

「う、うん。だって今は普通に話してるし、半年前の時は完全に引きこもりの人の雰囲気じゃなかったし。」

 

確かになぁ。ここに来た当時の自分と今の自分比べたら120度は変わってるんじゃないかな。

 

「半年前のあれは、まぁ、いろいろあったんで目を瞑ってくれるとうれしいです。」

 

いろいろあった、というよりありすぎた。フィリアにも謝って済まないレベルの迷惑かけちまったこともあったし。まぁそれがあったからこそ、ここまで打ち解けたってのもある。

 

「ん、しかたないなぁ。ご飯一回で許してあげる。」

 

「そのご飯一回は作れというのですか?」

 

「もちろん!NPCの作る食べ物と料理スキル持ちのプレイヤーの食べ物とじゃ天と地ほどの差があるんだからねっ!?」

 

俺の一言に一気に俺に詰め寄るフィリア。普通なら女の子に近づかれたら男としては嬉しいんだが、今の顔は真剣そのもので何か怖い。

 

「わかったわかった!今度また皆がいない時に涼風亭に呼んであげるから。カノンに頼んでやるから。」

 

「やった♪でもマナスの料理も食べてみたいかな?」

 

「おいおい、俺の熟練じゃ大したもん作れないぞ?」

 

俺の料理スキルは600ちょい。ランクの高い材料であるほど要求される熟練度は高くなるので、A級の食材でも料理を失敗する可能性がある。そうなると一つ下のB級の食材を使うことになるのだが、ランクが下がれば味も下がる。それならカノンが作った方がいいと思うんだがな。

 

「いいの!マナスが作ったのを食べてみたいんだ...それともダメ?」

 

「ぐっ!?」

 

カノンの時も思ったけど、その角度とその顔で覗きこむの反則です。

 

「...ん、別に問題はねぇよ。ただ失敗しても文句いうなよ?」

 

「だったら成功するまで待ってるもん。」

 

「まじですかー。」

 

なんだって俺の料理にこだわるのやら。しかたない、フィリア呼ぶときは食材を多く仕入れておくか。エギルに少し協力してもらおう。雑貨屋というだけあって、ホントに何でもあるからなぁ。

 

それから20分ぐらい他愛ない話をしながらフィールドを歩いて、目的の遺跡みたいなダンジョンの入り口についた。

 

「それじゃ、行きますか。頼りにしてるぜ相棒さん。」

 

「うん!トレジャーハンターのフィリアさんに任せなさいっ!」




というわけで、SAOのゲーム「ホロウフラグメント」から、自称トレジャーハンターのフィリアとの話となります。アニメにも出てくれないかなぁ。そしたらBlu-rayで買うのになー。
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