ソードアート・オンライン 緑の何でも屋   作:カエル帽子

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感想の設定がログインしている人限定となっていたのを直しました。今まで感想を入れようと思ってくれていた方、すいませんでした。(いてくれたかはわかりませんが。)



仲直りは殴り愛?

「おぉ、これが新しい武器かぁ!へぇ~ほぉ~!」

 

リズベット武具店から帰るなり、ギルドの仕事が無かったのか、涼風亭に残っていたカイトに武器を見せることになった。

一応俺の武器なんだけど、はしゃぎすぎだろ。壊してくれるなよ?

 

「しっかし、俺の槍とは違って随分と軽いな。」

 

「当たり前だろうが。俺は敏捷寄りの能力だぞ。お前見たいな重装備を作られても困るぜ。」

 

このSAOでは、レベルアップ時に通常の能力アップの他に筋力値か敏捷値のどちらかにボーナスポイントを振ることができる。このポイントの振り方で大体の人たちの戦闘スタイルが決まるわけだ。

俺は敏捷に多くのポイントを振っているため筋力が少なく、重量装備をつけることができないが、素早い動きができる。

逆にカイトは筋力値に多くのポイントを振っているため、重量装備をつけることができる。が、素早い動きができない。

 

「ふぅ~、堪能したぜ...それで何を悩んでるんだよ?」

 

突然そんな質問を飛ばしてきたカイト。まだ何も言って無いんだがな。

 

「お前はわかりやすいからな。それに半年も同じ屋根の下にいれば尚更だ。」

 

「一人で思い悩むより、誰かに聞いてもらった方が良い案がでることもありますよ?はい、どーぞ。」

 

「ん、ありがと。」

 

カノンから渡された紅茶を一口飲む。いつだってこのハーブティーの香りは落ち着くな。

 

「...少し話を聞いてくれるか?」

 

一人で悩んだ結果、結局何の解決策が浮かばなかった俺は、リズの店で話したことを二人に簡潔だが、説明することにした。

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどな。一緒にいて、悪鬼羅刹にも何かしら理由があるとは思っていたが。」

 

「...だからマナスさんはあんなにも。」

 

うん、やっぱり暗い雰囲気になるよね。そういえばカノンには前にも少し話をしてたっけか。

 

「ま、俺の過去話はこれぐらいで。それでその...俺はクラインと仲直りできると思うか?」

 

「できるね。」

 

「できますね。」

 

即答だった。

 

「なんでさ?」

 

「互いにフレンド登録した仲なんだろ?なら全くもって問題無し。」

 

「きっとクラインさんもマナスさんと仲直りしたいと、ずっと思ってくれてるはずです。」

 

「そっか...。でもなぁ。」

 

「ははっ。お前でも、そんな風に悩むこともあるんだな。いつもならズバッと決めちまうのに。」

 

「当たり前だ。俺だって考える時ぐらいある。しかしなぁ...。」

 

ほんと、あんなこと言っちまった手前、どんな顔して会いに行ったらいいんだろうか。

 

「あ!私閃きました!」

 

「おっ?なになに!?」

 

突然声をあげるカノン。何かを閃いた様子、なのだが俺は少し不安を覚える。カノンの閃きはいい方向に事が転がることが多い。ただ内容が思ったより斜め上に行くことが多いのが怖いところなんだが。

 

「あのですね~。」

 

 

60層 ルイン

 

俺は今、プレイヤーに廃墟と称される街の外れに一人で佇んでいる。なんでこんなところにいるかだって?もちろんクラインと仲直りするためさ。

しかし、なんでこうなったんだろうか。

 

 

 

 

 

 

「あのですねぇ、私聞いたことがあります!男同士の友情は殴り愛で育まれると!だからマナスさんっ!クラインさんと決闘したらどうですっ!?」

 

身を乗り出して俺に力説するカノン。でもそれ聞いたことあるっていうより読んだことあるの間違いでは?というか顔近いっ!?

 

「はははっ!そりゃあいいや!それでいこうぜマナス!よくよく考えりゃぁ、俺達だってそんなもんだしよ!」

 

 

 

 

 

まぁわかるんだけどさぁ。分かりやすいって言われたばかりで当時の演技すりゃぁいいとか困るんですけど。

 

「お?」

 

索敵にプレイヤー反応を一人確認。アルゴに伝えた通り、一人で来てくれたようだ。見えた、あの野武士面は間違えようがねぇな。さてと、はじめるとしようか。

 

「...来たぜ、マナス。それで何のようだ?」

 

俺は無言でクラインに決闘を申請する。

決闘申請のウィンドウを見て怪訝な様子でこっちを見るクライン。

 

「なんで俺と決闘なんだ?」

 

「...今の俺の実力を測るために。」

 

「...いいぜ、受けてやらぁ。」

 

今ので通せたか、よかった。

 

「ただし条件がある。」

 

「...なんだ?」

 

「負けたら勝ったやつの命令を聞くってやつだ。どうだ?」

 

「...構わない。」

 

この命令で俺を風林火山に入れるつもりなんだろうか。もしそうなら、俺は負けられない。レビンクロスとの約束を破ることになってしまう。それだけは絶対に避けなきゃ。

お互いに刀を構え睨み合う。

 

「...さすがは攻略組か。」

 

クラインの構えを見て口のなかで呟く。クラインを呼び出すために鼠のアルゴから情報を買ったわけだが、まさか攻略組になっているとは思わなかった。

構えだけでも、たくさんの死線を潜った経験のようなものが見える。俺もある意味でたくさん死線潜ってるし、よくわかる。

 

「これはかなりきつそうだ。」

 

そんなことを思いながら、カウント0の合図と共に俺はクラインに突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

キィン!キィン!

 

右から左から、時には下から振り上がる刀。そして鍔迫り合い。正直かなりきつい。これが攻略組の実力かぁ。

すでに何回打ち合ってるのかわからない。救いなのは敏捷は俺が上回ってることか。ただ力はクラインの方が上で、鍔迫り合いをやるとこっちが押し負ける。状況はまさに一進一退だ。

 

キィン!

 

...むぅっ?

 

何度目かもわからない打ち合いの一回、クラインは思いっきり力を加えて、わざと俺から距離を取った。何をする気なのかと思ったところでクラインが笑いながら口を開く。

 

「すげぇなマナスよぉ。ここまで強いとは思わなかったぜ。だがよ、おめぇ本気じゃあねぇだろ?」

 

「...。」

 

「本気でこい!それともおめぇ罰ゲームがお望みか!?」

 

まさかばれるとは思わなかったな。この戦い方は、あまり人には見せたく無かったんだが、罰ゲームは嫌だしなぁ。しかたない、やるか。

 

「...わかった。そっちが望むなら。」

 

そうして俺は刀を片手で構える。その行動にクラインは眉を潜めた。ま、当然の反応だな。

このゲームにおける刀という武器は基本的に両手持ちだ。それはスキルも例外無く、刀スキルを使うときは両手で刀を持って、それに該当するモーションをとることでスキルが発動する。だから刀を片手で持つような行動は自分スキル使いませんと自分の手を晒したことに等しい。

本来、これは刀使いにとって悪手でしかない。本来なら、だがな。

 

「だから先に言う。見逃すな、俺を見失った時点でお前の負けだ。」

 

負けないという考えから、生き残るという考えに頭のスイッチを切り替える。そして小さく言葉を紡いで、

 

 

 

 

 

 

俺は仰向けに倒れているクラインの喉に刀を向けていた。

 

「...終わりだな。」

「...あぁ、俺の負けだ。」

 

 

 

 

 

 

「ふー...少し見ねぇ間にすげぇ強くなったなマナスよぉ。」

 

「...。」

 

「あー、もうその演技しなくていいからな?しかしまぁ驚いたぜ、アルゴからおめぇの名前がでてきただけでも驚いたのに、呼ばれてきてみれば当時の立ち振舞いをしようとするおめぇがいるしでよー?果てに決闘だもんな。あぁもちろん決闘は本気だったぜ?」

 

「...え、いや待って。」

 

なんかいきなり喋りだしたクラインを止める。なんか聞いてると最初から全部わかってて付き合ってくれたパターンっぽい?そしたら俺ただの痛い子じゃん。うわ、めっちゃ恥ずかしい。

 

「えっと、いつから気づいてた?」

 

「あぁ、最初は何か違和感みたいな感じがあったな。あの時とはちょっと雰囲気が違う感じを受けたぜ?確信になったのは、俺がおめぇの決闘を受けた時だ。」

 

うん?受けた時だと?別におかしな 発言なんかしなかったはずだがな。

そんな思考を読んだのか、クラインが続けて話す。

 

「わからねぇって顔してるな、教えてやるぜ。おめぇ、俺が決闘を受けた時、笑ってたんだぜ?」

 

「そうだったのか。」

 

やれやれ、カイトの言うとおり俺は顔に出やすいタチらしい。これは困ったな。

 

「さて、と。ネタバレしたところで罰ゲームを受けなきゃな!」

 

「いや、無理してやらなくていいからね?」

 

「んなわけにはいかねぇよ!男には二言はねぇ!さぁ言ってくれ!あーでもs級食材とれとかは勘弁してくれよ?いつになるかわからねぇからな。」

 

言わなきゃ忘れたままで終わったのになー。なんて呟きつつ、言うならこれだと決めていたことを伝えるため口を開く。

 

「じゃあクラインへの罰ゲームは...。」

 

「罰ゲームは...?」

 

「俺を風林火山のメンバーに勧誘しないことだ。」

 

「...そうかぁ。それは残念だ。でも何か理由でもあるのか?」

 

「まぁな。理由としては...。」

 

俺はクラインに現状を伝えた。緑の何でも屋、レビンクロスに関わっていることなどなど。

 

「そっか。いい仲間に出会えたな、マナス。」

 

「俺にはもったいないぐらいだよ。おまけにアホもいるしな。」

 

アホ一名の顔を思い浮かべる。戦闘とかになったらカッコイイくせに普段はホントにギャグキャラなんだよなぁ。やれやれ。

 

「うっし!そういうことなら、俺達もレビンクロスに協力するぜ。素材とか余ったりしたやつもいろいろあることだしな。」

 

椅子がわりに座っていた木箱から勢いよく立ち上がり、クラインはそんなことを言ってきた。

 

「それは助かるな。今度レビンクロスの団長に話しておくから、一度会ってくれるか?」

 

「おう、わかったぜ。それじゃ俺はそろそろ戻るわ。仲間達も待たせていることだしな。何かあったら連絡してくれ。」

 

「あ、あぁ。ただその~...ん!?」

 

クラインの言葉に少し言い澱んでいるとメッセージが。

 

クラインからフレンド申請が来ています。

 

すぐに顔を目の前の野武士面に戻す。

 

「いいのか?」

 

俺の問いに、

 

「あったりまえよ!俺達、とっくにダチだろう?」

 

「...ここにもアホが一人、かねぇ。」

 

きっと今の俺は笑っているんだろうな。




以上リズ&クライン編でした。リズの話2分割してもよかったかな?
戦闘描写はやっぱり書けそうにないかも。書ける皆さんが羨ましいです。
好きな男キャラ一番はクラインと言いましたが、ヒロインだと皆さん誰になりますか?自分は原作だけならば、アスナさんです。
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