この世界は驚く程残酷だ。
悪は存在しても、悪を倒す
ある日人類に異変が起きた。細胞の突然変異とかで異形の怪物となり、人々を襲いだした。
勿論国はこの事態に驚き自衛隊を派遣。東京に突如発生した異形に立ち向かわせた。
結果は惨敗
現在兵器が通じず恐れ知らずの
本気で事態を見ていず、自衛隊向かわせれば大丈夫だろうと高を括っていた政府首脳は慌てて避難し、自分が助かる道を選んだ。
その時にとある会社から声が上がった。我々の開発した『ライダーシステム』なら怪物共を倒せると。其の言葉通りに、ライダーシステムを纏った彼等は瞬く間に異形を殲滅した。
皆喜んだよ、これで異形に怯えなくてすむって。正義のヒーローが来てくれたんだって。
そんな者いるわけないのにね
純粋に人が死ぬのが嫌だから戦うとか、人々の笑顔のために戦うとか、そんな奇妙奇天烈な人間いる訳ないじゃん。いたら天然記念物確定だよ。
ライダー達に守って欲しければ一人月々五十万会社に納めろってさ。
そんなこと出来る訳が無い。って皆言ったよそれに対しての反応は「なら死ねよ」だってさ。
守られる為には対価がいるんだよ?なーんで皆守ってくれるのが当たり前みたいな思考なんだろうね。全くもって理解できない。
だから私は守ってきた。そんな自分勝手な人間達を、自分自身の復讐の為に。
今も、黒と白のライダーになって、恋人の片割れを守ってやった。
ねえどんな気持?かつて自分たちが化け物と呼んだ奴に助けられる気分は。
「なんでもっと早く来てくれなかったのよ!彼が死んじゃったじゃない!」
ああ、自分が助かっただけでもラッキーだったのに。なんて自分勝手なんだろう。守ってもらえるのが当たり前なんだねこの人の中では。
でも残念。
私はヒーローじゃない。
ヒーローにはなれない。
私が愛した世界はとっても残酷で救いようが無くて、だからとっても愛おしく、未練がない。
ああさっさと、滅んでしまえばいいのに。
その日もいつもと同じだと思った。助けた相手に罵倒され、助ける意味もない存在を助けて帰る。同じだと思っていた。
「・・・手紙」
空から降ってきた手紙を
『椿冥 影華様』
と書かれていた
すぐに周囲を見渡すが、人の気配は無い。
「・・・悪戯にしては手が込んでる。・・・私に用があるの?」
どこの誰かわからないけど取り敢えず封を開ける。そこには
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能ギフトを試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの"箱庭"に来られたし』
その文を見た瞬間に、私はこの愛しい世界を。
見捨てる決意をした。
そして次に私が見たのは、
完全無欠の異世界だった。
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