ーーー十年前、姫島神社。
1人の女性と2人の少女が大勢の黒装束に襲われていた。
「姫島朱璃、その忌み子2人をこちらに渡せ!」
「嫌です!私の娘とその友達を貴方方に引き渡すくらいなら、死んででもこの子達を守ります!」
朱璃と呼ばれた女性は2人の少女の盾になるように黒装束に立ち塞がる。
「やめて!おかあさん、わたしのためにしぬなんてやめてよ!」
「そうです!バラキエル様が来るまで持ち堪えれば…」
「その前にお前達の命は無くなってるがな!」
黒装束は刀を抜き、3人に迫る。
「朱乃!レイナちゃん!」
女性が身を呈して少女達を庇う。
ああ、せめてあの人さえいてくれたら。今この場にいない自分の夫を想う。凶刃に刈られて自分が死んでもこの子達は助かるだろう。でも、この人たちのことだ。朱乃とレイナを野放しにはしない。
天に祈るしか無いのか。皮肉なものだ、堕天使と結ばれた私が天に祈るなどと。せめて、この2人が逃げてくれれば…。
凶刃が女性を斬り殺そうとしたその時だった。
「おまえら!そのひとたちからはなれろ!」
『Explosion!』
無機質な電子音と同時に赤い何かが刀に衝突した。しかも、事もあろうにそれを真っ二つにへし折った。
それはまだ齢10にも満たない茶髪の少年、しかし、その左腕は緑色の宝玉が埋め込まれた赤い異形のものであった。
「
「「「イッセー君(ちゃん)!」」」
「だいじょうぶ?しゅりさん、あけちゃん、れいちゃん」
「ありがとう…!?イッセーちゃん、後ろ!!」
「え…?」
現実とは残酷なものである。
黒装束がイッセーの背後に迫り、そして、
その背中を無慈悲に斬り裂いた。
「これで誰も我らを止められまい…」
「あ、あ、あ…」
「安心しろ、朱璃、忌み子、そして、堕天使。お前達もすぐに小僧の下に送ってやる」
イッセーの斬られた瞬間を目の当たりにした朱乃、レイナは放心状態に陥り、朱璃は2人を庇う体勢をとった。
「死ね」
今度こそ黒装束の凶刃が自分たちを殺す。そんな事を考えていた矢先だった。
突如としてイッセーの倒れていた方から紫色の光が走った。
「イッセー…ちゃん?」
「あ?あのガキがどうした?」
朱璃の呟きに黒装束が振り向くと、
「…キミ、邪魔だよ…」
今しがた殺したと思った
「あの一撃を食らって立ち上がったのは褒めてやるが、神器なしでどう戦う気だ?」
「神器?ああ、キミを倒すのにそんなものは要らない。なぜならーーー」
ーーーキミは今から毒龍の餌食になるのだから…。
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『…い、お…ろ!』
「うーん、あと5分…」
『まだ起きないのか、イッセーは』
『困った主ね全く』
『早く起きないと身体に毒ですよ?』
『…なんか、相棒がすまんな。おまえら』
『ドライグ、お前も手伝えよ…』
『分かった。全く世話が焼ける』
『じゃあ行くぞ、せーの…』
『『『『『起きろ!イッセー(主様)!!』』』』』
「おわあぁぁぁぁぁ!!?耳がぁぁぁぁ!?」
ベッドから転げ落ち、自分の中の存在に叩き起された。自分の中で過去最悪の目覚めではないかと思った。
「お前ら!もう少し人の迷惑考えろよ!!」
『そりゃ、目覚ましを掛けてないイッセーが悪い』
『右に同じ』
『私の主として情けないですよ…』
『あまり起きるのが遅いと体にさわりますよ?』
『というか相棒よ、新学期早々に遅刻する気か?』
新学期早々に遅刻?時計を恐る恐る見てみると…
その針は8時を回っていた。
「………お前らサンキューーーーーー!!」
これが俺、兵藤一誠の駒王学園での高校生活2年めの始まりだった。
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