この素晴らしい世界に本物を!   作:気分屋トモ

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はい、どうも気分屋トモと申します。
今回の作品が私の処女作品ですので至らない点、駄文、つまらない等あるとは思いますが、どうか暖かい目で見てやって下さい。
それでは、とりあえずどうぞ。

~追記~
何度目か分からない修正が入ってます。



比企谷八幡は、悲劇にも死んでしまったらしい

 ――暗い。しかし、明るいとも感じる。そんな、矛盾が入り交じった空間に俺は居た。

 

 遥か果てまで続くような闇の空が上には広がり、白と黒のモノトーンな床からは神性な何かを感じる光の小さな球がふわふわと湧いては浮上していた。

 

 そんな光景は、どう見ても俺のいた世界とは似ても似つかない、非現実感で満ちている。

 

 ふと、自分の目の前に、やけに綺麗な女性が居ることに気づく。

 

 眩しい程に綺麗な白銀の髪。青い修道服のような服を身にまとったその女性は、とてもこの世の人間とは思えないオーラと共にあった。

 

 まるで、女神がそこに居るような、そんな感覚を俺は感じた。

 

「……ようこそ死後の世界へ。私の名はエリス。貴方に新たな道を導く者、いわゆる女神と呼ばれる存在です」

 

 そして彼女は、そんな自分が女神であると……え?

 

「比企谷八幡さん。貴方の人生は先程終わってしまいました……ごめんなさい」

 

「……え?」

 

 そうして、自分は既に死んでいるのだと、彼女は俺に、悲しそうに告げた。

 

 

 

 ――

 

 ――――

 

 ――――――

 

 俺の最後の記憶が流れてくる。

 

 それは、無事クリスマス会を乗り切ったということで行われた、一日遅れのクリスマスパーティの帰りだった。

 

「比企谷くん」

 

「ん?」

 

 俺の贈った、ピンクのシュシュが艶やかな黒髪に輝く。

 

 少し逡巡した後、彼女はその口を開いて言った。

 

「……メリークリスマス」

 

「……お、おう」

 

 突然投げ掛けられた言葉に、俺はそんな生返事を返すことしか出来なかった。気づけば、彼女は点滅しだした信号に気づいて、不思議そうに見ていた由比ヶ浜の下に戻ろうとしていた。

 

 俺は、この時密かに思っていた。

 

 今感じる思いを、俺は守りたかったのかもしれなかったと。彼女達と共に在れる、あの空間を、俺は大切にしたいから、悩んでいたのだと。

 

 そしてそれこそが、俺が絶えず求めていた”本物”なのかもしれないと。

 

 そんな時だった。そんな俺の、守りたかった、大切にしたかったものが、壊れそうになったのは。

 

 風が吹く。十二月の、肌に刺さるような風だ。思わず、その風が来た方向を見やる。

 

 雪ノ下が今渡る横断歩道の信号は、未だ青の光を点滅させている。

 

 ならそこを横切る車道の信号は? 当然、まだ赤のはずだ。事実、手前に見えた車は未だに止まっている。

 

 にも関わらず、そんな雪ノ下に向かうように、トラックはその横断歩道を横切ろうとしている。その先には、まだ雪ノ下がいるにも関わらず。

 

「雪ノ下ッ!!」

 

 初めて、大声上げて彼女を呼んだ。向こうに見える由比ヶ浜も、トラックに気づいたのか、雪ノ下を呼ぶ声が聞こえる。

 

 しかし、雪ノ下はその所為で、その場に立ち止まってしまった。どちらにも大声で示唆され、更にはトラックが迫ってくるという恐怖が、彼女の脚をその場に縫い付けてしまったかもしれない。

 

「くっ、間に合えッ!!」

 

 周りの速度が遅く見える。それくらいの速度で彼女の下に駆け付けた俺は、精一杯の力で飛び込んで突き飛ばした。抱えて向こうに行く余裕がないと、判断したからだ。

 

「キャッ!?」

 

 雪ノ下は勢いよく由比ヶ浜の方へ飛んでいく。その光景が、次第に、ゆっくり、そして鮮明に見えていく。表示の変わった信号が、迫り来るトラックが、彼女達の顔が、全て。

 

 あぁ、そうか、俺はここで死ぬのか。

 

 悟った瞬間も、俺は彼女達の顔を見ていた。

 

 由比ヶ浜が泣きそうな顔でこちらに手を伸ばそうとしていた。もし、届く程の位置にあっても、俺はきっとあの手を取ることは出来ない。彼女を巻き込むかもしれないからだ。

 

 思えば、由比ヶ浜が居てくれたお陰で、由比ヶ浜が見せる笑顔のお陰で、俺達はあの場所に戻れたんだったな。

 

 でも、俺はその度に泣かせてばっかりだな……悪かったな。約束も、守ってやれそうにない……。

 

 雪ノ下は、飛ばした俺を驚愕の表情で見ている。そして、彼女もまた、俺に手を伸ばしてくれている。けれどその手は、次第に飛ばされた勢いで離れていく。

 

 思えば、彼女との言葉のやり取りは楽しかったものが多い。罵倒から入ってしまう会話は、他の人間とは出来ない、特別なものでもあった。雪ノ下も、そう思ってくれていたのだろうか。

 

 お前は、あの陽だまりで見せる笑顔が、何よりも似合ってると俺は思っているんだ。初めて見た時は、見惚れて声も出ない程にだ。

 

 だから、そんな泣きそうな顔をしないでくれ……。俺が傷つくのは、いつものことだろ?

 

 トラックがもうそこまで来ている。俺達に気づいたのか、少しだけ進行方向が変わったように見える。良かった、少なくとも、彼女達を巻き込むことはなさそうだ。俺は逃れられそうにないけれど。

 

 そうだ。あれが迫って来る前に、これだけは。これだけは彼女達に伝えなければ。俺は死んでも死にきれない。

 

 言わずに後悔は、もうしたくないから。

 

「ありがとうな、二人共――」

 

 伝わっていればと、思う。けれど、その先の光景はない。

 

 きっと、そこが俺の最期の記憶なのだろう。

 

 俺が痛みを感じることはなかったのは、唯一の救いかもしれない。

 

 ――――――

 

 ――――

 

 ――

 

 

 

 

「……」

 

「……っぐ、ちく、しょう……!」

 

 俺は涙が止まらなかった。

 

 求めて止まなかった本物は、きっと守れた。

 

 でも、守れた彼女達の側に、俺はいない。俺という存在は、その死を以て消えてなくなるはずだ。

 

 けれど、彼女達は生きている。これからも、生き続ける。

 

 そしてきっと、彼女達の心に、俺の存在は傷として残り続ける。傲慢でないのなら、俺は彼女達が求めたものの中に含まれているからだ。

 

 それが、目の前で失われた。俺も、二度と彼女達に会うことは出来ない。

 

 その事実が、堪らなく悲しい。悔しい。

 

 時間はあった。機会もあった。けれど紡げた本音は、伝えられた本心は、一体どれだけあっただろう。

 

 後悔先に立たず。言葉だけ知っていて、それを見ない振りしてこの様だ。

 

 だから、こうして俺は、無様に泣いている。

 

「……比企谷さん」

 

「何だッ!」

 

 反射的に怒鳴る。気が立って仕方がない。理性なんてものはない。あるのは、止まらない後悔と、溢れてくる悲しさだけだ。

 

「ッ! ……すみません。配慮が至りませんでした」

 

 そこでハッと我に返る。彼女に当たっても、意味はない。それをした所で、俺の死は変わらない。

 

 そう気づいた時には、涙が止まっていた。

 

「あっ……その、すんません……」

 

「いえ。死んだ方は大抵そうなりますので、お気になさらず……」

 

 無様な姿を見られたのは、恥ずかしい。けれど、この感情も、今の記憶もなかったことになるのなら。そう考えたら、不思議とそれも許容出来た。

 

 思わず怒鳴ったことに対し、俺は彼女に謝る。彼女に非はない。なのに怒鳴り散らすのは筋違いだろう。死後であろうと、それは変わらない。

 

「いや、例えそうだとしても、貴女には無縁のことでしょう」

 

「ッ! それは、そう、ですね……」

 

 何より吹っ切れた。そう、俺は死んでしまったのだ。愛する小町。愛する戸塚。そして、"本物"の関係を共に望んだ彼女達とは、もう会えない。平塚先生や一色、陽乃さんや葉山一行に川崎、材木座ともだ。

 

 だから、多分これは、自暴自棄の思考に近い。

 

「死んだら終わりなんです。生き返ることはない。なら、積み上げてきたものも、意味がなくなる」

 

 彼女に続けてそう言葉を放つ。そして、その言葉が虚無的であることが、自分でも分かる。

 

 こんなにも、俺は女々しい奴だったのかと、救いようのない奴だったのかと、今になって知る。それが再び、こみ上げてくる後悔を増長させようとする。

 

「……俺はどうなるんでしょうか。やっぱり、綺麗さっぱり、居なくなるんですか?」

 

 それは多分、最後の足掻きだった。もしかしたら都合良く、どうにかする方法が何かあるのかもしれない。そんな、浅ましい願いが、都合の良い期待が、言葉になった。

 

 俺みたいな奴に、そんなことがある訳がないのに。

 

「……もし、どうにかなる方法があると言えば? 貴方はどうしますか?」

 

 しかし、返って来た言葉は違った。

 

 それは、初めて望みが、期待が裏切られなかった瞬間だった。

 

 そして、その質問の答は既に決まっている。

 

「絶対に、その方法を選びます。あの場所に帰れるのなら。彼女達に再び会う為なら」

 

 幼い頃から望んでいた。ずっとそれだけを願っていた。独りになっても、理解されずに除け者にされても、あるはずがないと断じられても、それだけは捨てきれなかった。

 

 そして、やっと見つけたのだ。易々と捨てて堪るものか。

 

「……貴方なら、そう言ってくれると思っていました」

 

 俺の答に、ボソッと何かを呟いて、彼女は微笑んだ。何と呟いたのかは、よく聞き取れなかった。

 

「それでは、一応順を追って説明します。貴方は、現在三つの選択肢が残されています」

 

「は、はぁ、そんなにあるんですか……」

 

 ぶっちゃけ、死後って生前の行いで勝手に決められるものばかりと思っていた。それが、選択制な上に三つもあるとは。

 

「一つ目は生まれ変わりです。同じ世界に記憶を消して新しい人間として生まれ変わることが出来ます」

 

「却下です」

 

 そんなものに今は興味がない。生まれ変わったら、ソイツはもう俺ではない別の人間だ。だから、却下だ。

 

「二つ目ですが、これは天国に行くことです。天国と言っても娯楽も何もない平和な場所で魂だけの存在となって静かに暮らすだけですが」

 

「……却下です」

 

「何でちょっと間があったんですか……?」

 

 いや、何もしなくても良いというのは大変魅力的な案でして……。正直少し揺れた。

 

 でも、それは結局生まれ変わりとさして変わりがない。よって、これも却下だ。

 

「お気になさらず……三つ目は?」

 

「はい、これが貴方が求めるものを得る為の手段なんですが……」

 

 こほん、とわざとらしく咳き込むと彼女は告げた。

 

「記憶を保持したまま異世界へ行き、魔王を倒すこと。これを成せば報酬として、神の権限により一つだけ"何でも"願いを叶えられます」

 

「っ――!?」

 

 死んでしまった俺が、もう一度あの場所へ行く為の試練を。

 

 魔王というと、ゲームに出てくるようなあの魔王だろう。主人公達が、数多の冒険と戦いを乗り越えてようやく勝てる、あの魔王だ。その言葉を聞いただけで、俺には勝てそうにない存在のように思える。

 

 けれど、それを乗り越えられれば、あの二人に会える。もう一度、あの場所で過ごすことが出来る。

 

 なら、俺の答は変わらない。

 

「女神様」

 

「はい」

 

「俺は、三つ目の選択肢を選びます」

 

「よろしいですか?」

 

 彼女は、最後の確認に、俺にそう問いかける。

 

 きっと、苦労するだろう。未知しかない世界のはずだ。ゲームの知識だけで、どうこう出来るのなら、他の人間が成功させていることだしな。

 

 それでも俺は、その道を行こう。後悔しない為の選択を、今するのだ。

 

「――はい」

 

 俺の返答に満足したのか、目の前の女神様はフフッと微笑む。

 

「……貴方が強い人で、本当に良かった」

 

「……?」

 

 何故か彼女はそう言って、俺を見る。俺のどこが強いのだろうか。見るからに雑魚キャラAみたいな風貌をしていると思うだが。

 

 そんな疑問を他所に、彼女は腕を上げると空間を撫でるように振り下ろす。すると、目の前に大量の紙束を召喚された。

 

「こ、これは……?」

 

「異世界に送る時に、その人が望む能力や武具を差し上げるのです。送ってすぐに死なれては元も子もないですから」

 

「ちゃんと考えられてるんですね」

 

 確かに、異世界に行ったからといって新たな能力が発現する訳はないだろう。肉体をそのまま転生するのであれば、能力はもちろんそのまま引き継がれる。そうであるならば俺は確実に死ぬ自信がある。ケンカとか出来る力なんざこれっぽちもないと自負出来る。それはそれでどうかとは思うが事実なので仕方ない。

 

「これらに書かれているのは神器です。伝説上の武具、神話上の武具。その他にも様々な物、いわゆるチートアイテムを転生者に与えることで、より魔王を倒しやすくなるようにするのです」

 

「攻撃力常時増加、みたいな能力も可能なんですか?」

 

「はい、勿論可能です。大抵は今の説明で武具を選んで転生されてしまう方が多いのですが……」

 

「いえ、武具とか奪われたらそれこそ元も子もないじゃないですか」

 

 何故武具が自分の下から離れないと思っているのか。鎧とかならともかく、単純に剣とか槍であったなら、敵に奪われた時が最も厄介だというのに。

 

「そうなんです……。途中で死なれてしまった方の神具は直接現世に降りなければ回収出来ないので、たまに魔王軍の者に渡ってしまうんですよね……」

 

「何て迷惑な……」

 

 でもよく居るんだよな。公共の席とかに座って飯食って後片付けせずに去っていく奴とか。後の人間のことを考えないというか、自分本意過ぎるというか。そういう奴には取りあえず俺はいつも全力でガン飛ばしてた。

 

「では比企谷さん。貴方には世界を崩壊させる危険性さえなければ、そのリストにある武器や武具など、望むものを()()、転生特典としてお渡しします」

 

「え、二つですか?」

 

 俺は彼女の言葉に驚く。この手のものは大抵一つだけのはずなのだが、彼女は二つ選べと言う。貰える物で使える物なら喜んで貰うのだが……何か釈然しない。

 

「……貴方の行動を見ていました。最後まで、他者のことを考えて行動する人間は、私は報われるべきだと考えます」

 

 言いながら彼女は俺の方へ近寄り、耳元でそっと囁く。

 

「なので、一つは私からの餞別です。……このことは内緒ですよ?」

 

 甘く囁くその声に、俺は思わずドキッとする。ボッチで気弱な俺にそういうのは効くので出来ればやめて頂きたい。可愛いくて優しい、更に俺なんかのことを心配してくれる完璧な女神なんかにやられた日にはうっかりでなくとも惚れそうになる。

 

「へっ!? か、かわ……」

 

「え? どうしました?」

 

 急に顔を赤くして離れる彼女に思わずショックを受ける。女神でもやはり俺に近づくのは嫌ですかそうですか。別に泣いてなんかないぞ。いや、本当に。

 

「い、いえ、お気になさらず……」

 

 彼女の態度の変化の理由が分からなかったが、元々他人の感情が読み取れない俺にはきっと理解出来ない。そう思って俺は手渡された特典候補が書かれた紙束を手に取る。

 

 が、厚い。凄く分厚い。何これ、チート能力ってこんなあんの?

 

 結局、特典を決めるまではかなりの時間を要することとなった。

 

その間に、話をする相手が欲しかったという彼女の願いに応える形で、少しだけ彼女と会話をすることになる。

 

俺みたいな人間と話をして楽しいとは、随分と人の好い人、いや女神だと思う。

 

途中表情が曇ったりしたのは、きっと何とも言えない俺の話に反応しかねたからかもしれない。それは、少しだけ申し訳なく感じた。

 

 

 

 

 

「決めました、エリス様」

 

 手に入れる能力を決めた俺は、彼女に異常に分厚い紙束を渡してそう告げる。

 

「はい、それでは特典はどんなものにしますか?」

 

 正直、かなり迷った。中二病時代の黒歴史を思い出すくらいには有名な武具や能力。どれも心惹かれるものだった。

 

 だが、誘惑に負けるなかれ。今までも俺と同じように、神具を選んで転生した者は大勢いると言う。そして、魔王討伐は今も為されていないとも言う。

 

 それはきっと、彼らの頼りの綱である神具に頼り過ぎるという状態が原因なのだろう。ゲームのように、強い武具を持っていれば、自分が強くなったと勘違いしてしまうからだろう。でもそれは、それを失った時にどうにも出来なくなるという危険性も孕んでいるのだ。

 

 ならば、頼っても問題ない、失ったり切れることのない能力的なものを選ぶ方が吉だろう。だから、俺はこれらを選ぶことにした。

 

「特典は、答えを出す者(アンサー・トーカー)無尽蔵の魔力(エンドレス・マジック)の二つでお願いします」

 

 瞬時に答を導き出す答えを出す者(アンサー・トーカー)。まさかあるとは思わなかったが、あるなら活用しない手はない。条件に制限はあるが、これほど頼りになる能力もないだろう。

 

 無尽蔵の魔力(エンドレス・マジック)は単純だな。魔法しか聞かない相手も多いらしい世界で、魔力がないとあっては困るし、答えを出す者(アンサー・トーカー)で自分を鍛え上げれば物理的な面は何とかなるだろう。なら、そっち方面を強くさせるべきだと思ったのだ。

 

 ……後はまぁ、魔法を使い放題というのに憧れる、男の性というのも若干入っていないでもない。

 

「承りました」

 

 エリスはそう言って頭を下げた後、指パッチンをした。

 

 すると、俺を中心として壮大な光の魔法陣が現れる。

 

 神々しい光が上下から照らし、それによって少しずつ俺の体が浮かんでいく。それはまさに人智を越えたものと言えるだろう。

 

「異世界での言語などは基本、この(ゲート)から送る際に自動的に読み書き出来るように設定されています。冒険者になるための、少しばかりの餞別もお渡しします」

 

「ありがとうございます、何から何まで」

 

「いえ、良いんですよ……本当に」

 

 本来なら得られない二つの能力を与えてくれた上に、未知の世界でも生きられるように配慮した行動をしてくれる。感謝する他ないだろう。

 

 しかし、そう言った俺の言葉に、彼女は少しだけ曇ったのが見えた。

 

その理由を、俺はきっと分からない。

 

「さぁ、勇者よ! 願わくば、これから現れるであろう数多の勇者候補たちの中から、貴方が魔王を打ち倒さんことを」

 

 その表情を引っ込めて、彼女は声高に叫ぶ。彼女の言葉に反応するかのように、魔法陣の光がより強くなる。

 

「必ず……戻るからな」

 

 その言葉と共に、俺はその場所から消え去った。

 

 ”本物”を取り戻す為の旅が、始まるのだ。

 

 

 

 

「……頑張って下さい、比企谷さん」

 

 その旅を案じる声は、誰もいなくなった虚空に消える。




はい、どうでしたでしょうか?
面白くない? 辛いなぁ……。
でも、どう面白くないかを教えてくだされば改善する(かもしれません)。
二話を少しの時間差で投稿しますので、よろしければそちらも見た後での感想、ご意見、不備の指摘など、待ってます。
ただの誹謗中傷は私の執筆進行にダイレクトに響く可能性がありますのでボタンアメ程度にオブラートを包んで頂ければショックは和らぐかもしれません。
答えを出す者(アンサー・トーカー)は金色のガッシュ!!から
無尽蔵の魔力(エンドレス・マジック)は作者がMP無限をカッコよく言おうとした結果です。我ながらセンスゼロですね。
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