ここは……何処だ?
わたしは死んで、振り返ってはいけない小道に連れていかれたはずでは…。
体を見ればわたしの体は縮んでいた。
どういうことだ…?
周りを見渡せば、そこは明らかに病院の1室。それにこの病院はみおぼえがある。
過去にわたしはここに入たことがある。
あの時は…………
「吉影、目が覚めたのか!良かった。うぅ…本当に良かった」
いきなり、病室に入ってきた人物を見て、わたしは驚かずにはいられなかった。
「親父…なのか?」
「ああ、そうだよ吉影。何があったのか覚えているかい?」
そう。病室に入ってきたのはわたしの親父だった。
親父はわたしの爆弾で消滅したはずだ。
いや、それどころか目の前にいるのは『幽霊』の親父ではない。
正真正銘生身の肉体の親父だ。
「こんなことが……。ああ、覚えているよ」
まだ、しっかりと覚えている。
わたしは高校生のころ1回事故にあったことがある。
そのときの怪我で入院していた病院がここだ。
ああ、鮮明に覚えているよ。
この懐かしい目もな。
この忌々しい『線』と『点』。
わたしの殺人衝動は生まれ持ったものだ。
だが、それを加速させたのは恐らくこの能力の発現だろう。
『線』をなぞるだけで、なんでも切断出来る。
『点』をなぞるだけで、なんでも殺せる。
このなんでも殺せる線と点が見える『目』をわたしは『直死の魔眼』
と名付けた。
『直死の魔眼』から見た世界はまるで、終末風景だ。
とても常人ではこの目と向き合って、平穏に生きるのは難しいだろう。
わたしもそうだった。
この時期は殺人衝動を抑えるのに苦労した。
人を殺す快楽を知った後ほどではないが、わたしはこの殺人衝動に耐えきれなかった。
『直死の魔眼』の発現1年後、杉本麗美を殺してしまった。
よく1年も耐えられたと今でも思うよ。
『キラークイーン』を手に入れてからは、殺人衝動こそあったが、『直死の魔眼』は無くなったものと思っていた。
それにしても、わたしは過去に戻ったのか。
『バイツァ・ダスト』が原因なのか、それともあの小道が原因なのかは知らないが。
わたしは『生き延びる』ことが出来たってわけだ。
『キラークイーン 』は消えていない。
わたしの目の前にいる。
つまり、『キラークイーン』が発現しているのに『直死の魔眼』はわたしの目に存在している。
『直死の魔眼』が消える可能性が無くなったわけではないが、これは非常に厄介だ。
しかし、この能力は利点でもある。
もしかしたら、東方仗助をはじめとした『スタンド使い』達と闘わなければ行けなくなった時、始末することが出来るかもしれない。
わたしは『直死の魔眼』があろうと絶対に『平穏』な人生を送ってみせるぞ。