本当にありがとうございます。すごく嬉しいです。
ホグワーツに行くまでもう少し話数をいただければと思っております。
それではごゆりとお楽しみください。
5/15日
加筆修正を行いました。
2話終盤のオリバンダーの行動発言が若干変わっております。
2話
父からお使いを頼まれたエリサは昼食を取りにもれ鍋へ向かい歩を進め、途中の高級クィディッチ用具店のショーウィンドウにへばりついている子供達にと箒には脇目も振らず通り過ぎた。インドア派である彼女は競技用箒の傑作ニンバス2000はおろか、クィディッチには興味がない。もっとも、エリサはクィディッチを実物で見たこともなく、箒にすらろくに乗ったことがないので興味がわいてこないのも仕方がないことなのだが。
レンガのアーチをくぐりもれ鍋の中に入ると、怪しげな色の酒を飲んでいる魔法使いと漏れ鍋のマスターである禿頭が特徴のトムがエリサに気がつき、手をとめ声をかけた。
「おお、エリサちゃんか、いらっしゃい。今日も元気そうだね。オリバンダー卿から頼まれてたサンドイッチを取りに来たのかな?」
「トムさん、こんにちは!えぇ、もう出来てますか?」
「あぁ出来ているよ。ちょっと待っておくれ」
エリサがそう尋ね代金を払うと、トムは戸棚から取り出したカゴにお釣りを入れエリサに渡した。
「ありがとうトムさん。トムさんのところのサンドイッチがとてもおいしくて毎回楽しみなんですよ」
「嬉しいことを言ってくれるね。いつも贔屓にしてくれてありがとう。今度お茶でも飲みにおいで」
「分かりました。それじゃぁトムさんまたね」
「おつかれさん。……あぁ、そうそう! オリバンダー卿にもたまには飲みに来い
と、よろしくいっておいておくれ」
そうトムは再びダイアゴン横丁に戻っていくエリサの背に言い、作業に戻ったのであった。
わたしが店に帰るとおとうさんが難しそうな顔と嬉しそうな顔を織り交ぜたような顔をして椅子に座ってた。こんな複雑な表情をしてるお父さんは、杖選びが難しいお客さんが来た時だ。そういう時は今みたいに眉間に皺を寄せながらウキウキしているけど、そもそも今はそのお客さんがいない。
他の理由でこんな顔をしていたのは覚えてる限りだと、わたしが捨てられてた事を話した時だけ。……けれどその時眉をひそめていただけで、嬉しそうな表情はしてなかったはず。いったい何があったのかな?
「ただいま、おとうさん。どうしたのそんな複雑な顔をして?」
「おかえり、エリサ。(クゥーー)……昼飯前に話そうと思ったが少しばかり長くなるだろうし、エリサの腹の虫が限界みたいのようだから、昼食の後にでも話そうかの」
お腹がなっちゃった……。 おとうさんはお腹がなったわたしを見てクスクス笑いながら、杖を振るいテーブルを片付け、その後お皿とティーカップをどこからか取り出しお茶を入れ始めた。話の内容もすごく気になるけれど、おなかも減って仕方がないので、わたしはカゴからサンドイッチと、一緒に入ってたスープを取り出しテーブルに並べた。どうやらスープはカゴから出すまでこぼれないように、かつ冷めないように魔法がかけられているみたいで今も湯気が立ち上がった。すごい美味しそうな匂いでもう一度お腹がなってしまい、またおとうさんに笑われてしまった。むぅ……。
トムさんが用意してくれた昼食は海老とタマゴのシーフードサンドとオニオンスープ、プリプリの海老とタマゴの甘みが口いっぱいに広がって、今度は甘くなった口をオニオンスープが整えてくれて美味しかった。しばらくすると食後の紅茶を飲んでたおとうさんがカップを置いて真っ直ぐ私を見てきた。
「さてエリサ。お話をしようかの?」
おとうさんがこう言う時はなにか真面目な話をする時だ。今回はの話はもちろんお昼前に話そうとしてたことだろう。わたしも飲んでた紅茶のカップを置き真っ直ぐおとうさんを見る。
「お昼前に話そうとしたことだよね?」
「そうだよ。今日お前がお使いに行っいる間、これが届いたのじゃ」
そう言って私に茶色い封筒を差し出した。宛名は
『ダイアゴン横丁、紀元前382年創業高級杖メーカー・オリバンダーの店。店番:エリサ・C・オリバンダー様』
Cはわたしのミドルネールだが、いったい送り主はだれだろうと思い、裏を見てみるとわたしは嬉しさで飛び上がった。封筒の裏に4匹の動物、獅子、鷹、穴熊、蛇の動物が描かれ、真ん中にはHの文字。そうホグワーツ魔法学校からの入学案内だ! わたしホグワーツにいける!
「ホグワーツ入学決定おめでとうエリサ。今度入学品の準備を始めようか」
満面の笑みで祝ってくれるおとうさん。
「ありがとうおとうさん!!」
嬉しいすごくうれしい!……けれど、それだけだと難しい顔をしてた理由が分からない。
「それとね、もうひとつ」
やっぱり、もうひとつあった。こっちの話が難しい顔をしてた理由かな?
「前にお前は、私がエリサを見つけたときに何かそばにいなかったかと聞いたことがあったね?」
そばにいてくれた大きな翼の生えた馬のことだよね……、確かに小さい頃におとうさんに聞いた覚えがある。そしてその時ははぐらかされてしまった事も。
「以前ははぐらかしてしまってすまなかったね。実はその時に、お前の言ってたとおり翼の生えた馬が去っていくのを見たのじゃ。この事はお前さんは覚えてないみたいだが、その馬は鼻先に多きな角を持っておった。翼が生えてなければ一角獣、大きいだけなら天馬のアブラクサンになるのじゃろう。けれど鼻先に角が生えているなど聞いたこともない、ましてはあんな翼が大きく白い体の天馬など、私は幻でも見たのかと思った程じゃ」
やっぱりあの時にいた大きな馬は気のせいじゃなかったんだ。そして天馬みたいだけど天馬じゃないみたい。そりゃそうだ。角の事は覚えてないけど、それでもいろんな本で見たどんな天馬とも違ってたし。んーー、めんどくさいからこれから天馬ってよぼうかな。それにしてもおとうさんはどうして黙ってたのだろう。
なんて考えてると、顔を再び難しくしたおとうさんがお店の一番裏に行き、わたしには危険な杖が多いからと、一度も触らせてくれない戸棚の奥から杖箱の大きさではない一回りか、ふた回りくらい大きな箱を大事そうに持ってきた。
「お前を拾ってから、ずっと話すか話すまいかどうするか考えていたが、お前がホグワーツに入学が決まった時に話そう、そう最近決心がついたのじゃ。今から話すことをよく聞いて、よく考えておくれ、いいかの?」
わたしが頷くのを確認しておとうさんは話を続けた。
「その時の……ふむ……。まどろっこしいから天馬とよぼうかの。見えたのは少し遠かったが天馬がお前に口付けをしたのじゃ。その姿はまるで別れを惜しんでいるようであった。その後そばで咲いておった黒いネムノキの花と自分の羽をちぎってお前のそばに置いたのじゃ。そのあと私がいる方を向き天に昇って行ったのを今でもハッキリと覚えておる。この箱の中には、その時の羽と花、そしてネムノキから取った木の幹が入っておる。知人に頼んで開けるその時まで劣化しない魔法をかけてもらってな」
最後暖かくてくすぐったい感じがしたのはそんなことがあったから……なのかな。
にしても一緒に木の幹までとっておいたって事はもしかして
「木の幹……。もしかして」
「相変わらず察しがいいの、そうじゃ。この花と羽をこのまま取っておいてもよい」
そう言いオリバンダー卿はゆっくりと箱を開けエリサに見せた。すると暖かい空気が部屋に流れ込み、箱の中には淡い黒色の花が枝先に十数個集まって咲いた花――ネムノキ――に加えて、白く毛先が一本一本ダイヤモンドのような輝きを放ち見ている者を魅了するような羽――謎の天馬の羽――そして灰褐色で、褐色の皮目がある木の幹――ネムノキの幹――が入っていた。
「けれど、この巡り合わせには意味があると私は感じておる。私はエリサ、お前のホグワーツ入学祝いとして、この材を使った杖を送れればと思っておる。普通ネムノキの幹は柔らかく脆い為、杖の材料としては用いることはないのじゃが、わしの長年の杖職人としての勘がそうはならずきっとうまくいく、そして作った杖は必ずお前を選ぶと感じておる。……こんな事はあり得ない事なんじゃが、そうなると思えてならないのじゃ。それと普通とは変わった特殊な色をしているネムノキの花で杖を少しばかり染色しようとも思っている。こうして出来た杖はお前の成長の助けとなり、時に力を与えてくれる杖になると思うんじゃ。ただそうすると、お前の生まれに関する手がかりが、なくなってしまうかもいれん。だから、お前がこのまま置いて保管しておきたいというのなら。もちろんそれに従おう。そしたら劣化しないようときが来るまで、もう一度魔法をかける事も出来る。エリサよ、お前が望む方をお選びさい」
今度は優しい笑顔を浮かべたオリバンダー卿が愛娘であるエリサに優しく聞いた。
エリサはダイアゴン横丁で働いてる人のなかでは、ちょっとした有名人です。
みんな孫のようにかわいがっております。
そして食いしん坊であり本の虫でもあります。
次話はまた来週中にあげられればと予定しております。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。