それではどうぞ!
舞台は再び米花町に戻る。帝丹小学校に雲雀とスカル、帝丹高校に風と京子、そして大阪の改方学園に山本が転入し、数時間が経った頃。1人の少年がとある喫茶店の前に立っていた。
綱吉「ふぅー。(面接の時も緊張したけど、今日も一段と緊張するなー。特に、護衛の事がバレないか)」
3日前の面接に受かったツナは、今日からこの“喫茶店ポアロ”でアルバイトをしながら、本来の目的である毛利小五郎の護衛を務める。その護衛の事がバレないか、ツナは緊張しているのだ。
ちなみにポアロは早朝からやっているが、今日は初日なので昼頃に来るように言われていた。
綱吉(というのも、1人だけ妙な人が居たんだよな)
ツナは面接を行った際に会った“安室透”と名乗っていた青年に違和感を感じていた。彼もポアロでバイトをしており、何でも毛利小五郎の弟子であるという。だからなのか、彼の表情は笑顔であったが、その目は明らかに自分を見定めていた。
最初は探偵であるからだと思っていたが、
綱吉(でも何となく違う気がする。あの目は探偵というより、むしろ警察って感じだ………。彼の事も骸に調べてもらおうかな)
と、ツナが考えていると、不意に声がかかってきた。
梓「あら、こんにちは沢田君」
綱吉「へ?あ、こんにちは梓さん」
声をかけてきたのは、ポアロのウェイトレスである“榎本梓”であった。彼女とも面接の時に会っている。
梓「それじゃ入りましょ。色々と教える事もあるし」
綱吉「はい。よろしくお願いします」
そうしてポアロの中に入ると、カウンターにいた“安室透”が声をかけた。
現在、客の姿は見当たらない。
安室「こんにちは綱吉君」
綱吉「こんにちは安室さん。でも良かったんですか?俺は別に今日から 早朝でも構わなかったんですが」
毛利小五郎の護衛という任務を遂行する為に、早めに来た方が良いと思ったツナは早朝でも構わないと言ったが、
安室「はは、何も初日から無理する事は無いよ。頼むのは、せめて仕事を覚えてからだね」
綱吉「は、はあ」
安室にそう言われてしまい、任務の為にも早く仕事を覚えようと思ったツナ。すると梓が、
梓「でも本当に驚いたわ。沢田君の通っている並盛高校に、あんな制度があったなんて」
安室「それは僕も同じです。ですが実際に並盛高校に尋ねたところ、その制度は確かにあるそうですからね。確か並高特別卒業制度、でしたっけ」
梓「しかも、それを考えたのが風紀委員長っていうのも衝撃だったわね」
安室「それとこの制度、許されているのが今のところ綱吉君だけらしいですからね。余程の条件があるのでしょう。どうなんだい?」
綱吉「ア、アハハ。まあ大変ではありました………………。(俺も2週間前まで知りませんでした、なんて言えるわけない…………)」
梓と安室は、ツナが面接の時に話していた“並高特別卒業制度”について驚いた事を話していた。安室はどんな条件があったのかツナに尋ねたが、ツナは苦笑いで返した。
それもそのはず、ツナ自身2週間前の任務説明の時に存在を知ったのだ。恐らく、一般生徒でも知っている者はいないだろう。今回、ツナが行使した事で知られる事になるだろうが………。
増して、内容の1つに最強の風紀委員長との戦闘があると知れば色々と厄介な事になってしまう事もあり、この件は誤魔化す事にしたツナであった。
安室「そうですか。もっと聞きたいのは山々だけど、話はここまでにして仕事の準備をしなきゃね。そろそろお客が入る頃だから」
梓「そうですね。それじゃ沢田君、こっちに来て」
綱吉「あ、はい」
そうしてツナと梓はスタッフルームへと向かった。それを見送りながら、安室は考え事をしていた。
安室(それにしても、留置所で起きた殺人。一体犯人はどうやって侵入し、どうやって殺したのか………)
安室は、一般人らしからぬ顔つきでとある事件について思案していた。その目付きは、ツナが警察の目と称したそれと同じであった。
安室透、彼は“警察庁警備局警備企画課”に所属している“公安警察”の人間である。本名は“降谷零”という。
現在は黒の組織に潜入しており、“バーボン”の コードネームを授かっている。
尚、ポアロのバイトは、とある人物の生死の真偽を確認する為に始めたが、その人物の生存が確認された後もバイトを続けている。
安室(あれは組織の仕業ではない。ベルモットはそう言っていた。更に、あの時の彼女らしからぬ動揺。これらの事から考えられるのは………………………マフィアか…………)
安室はコナンと同じく、犯人はマフィアだと当たりを付けた。それからも思案を続けようとしたが、その時に客が入って来た。
安室「いらっしゃいませ。って毛利先生じゃないですか。今日は早いですね?」
小五郎「ああ、さっき目暮警部に呼ばれたんだ。午後でもいいから来てくれってな。んで、早めに昼食を取ろうってわけだ」
客は、ポアロの上に探偵事務所を開いている毛利小五郎だった。いつもより早い来店になったのは小五郎曰く、警察に行く事になったかららしい。
安室「成る程。それでは、ご注文は何にします?」
小五郎「そうだな。んじゃ、サンドイッチにしてくれ。ドリンクはホットコーヒーな」
安室「かしこまりました。では、しばらくお待ちください」
そう言って安室はカウンターに戻る前に、スタッフルームの所に行き、ノックをしてから声をかけた。
安室「梓さん、毛利先生のコーヒーをお願いします」
梓「あ、はーい!それじゃ沢田君も来て。実際に見て覚えた方が早いから」
綱吉「分かりました。お願いします」
すると、初めてツナを見た小五郎が尋ねた。
小五郎「ん?初めて見る顔だな。新しいバイトか?」
綱吉「あ、はい。沢田綱吉って言います」
小五郎「俺はこの上に探偵事務所をやってる毛利小五郎だ」
綱吉「ええ勿論知ってますよ。日本を代表する名探偵ですよね?」
そのツナの言葉に小五郎は気を良くして、
小五郎「ナーハッハッハ‼︎そうか、俺を名探偵と知っていたか!うむ、気に入った‼︎」
梓「毛利さんなら有名で当然でしょ。お待たせしました、ホットコーヒーです」
小五郎「ありがとう。………って苦えっ!なあ梓ちゃん、今日のコーヒーやけに苦く………?」
小五郎とツナが話しいると、梓がコーヒーを持って来た。小五郎はカッコつけてブラックで飲んだが、いつもより苦かった為、梓に文句を言いかけた。しかし途中で何かに気付いたのか、ツナに尋ねた。
小五郎「ってお前、まだ高校生じゃないのか?学校はどうした」
綱吉「あー、話せば長くなるんですが」
小五郎「んじゃあ飯食いながら聞いてやるよ」
綱吉「分かりました。俺は並盛高校の生徒なんですが……………」
そうしてツナは、自分の通っている並盛高校の特別卒業制度について説明した。小五郎は、安室が作ったサンドイッチを食べながら、ツナの話を聞いていた。
小五郎「………成る程。それでこの機会に卒業後の社会勉強をしようと、並盛から離れる事にした。んで丁度その頃、お前の彼女が米花町に転校する事になったから一緒に来た………と。そういう事か?」
綱吉「はい、そういう事です。学校にいても他の生徒たちからの視線が痛いので………。それに彼女も心配でしたから」
安室「まあ、そうだろうね。羨望、嫉妬、その他諸々。色々あるよねぇ」
綱吉の説明を聞いて、それぞれの反応を示す小五郎と安室。すると梓がツナに質問した。
梓「でも沢田君。彼女が心配って、その子は家族が居ないの?」
綱吉「いえ、彼女にも家族は居ますよ。ただ、彼女の転校も特別な事だったので…………」
小安梓「特別?」
ツナの言葉に疑問を抱いた3人。それを見てツナは答えた。
綱吉「彼女の転校も風紀委員長が決めたんです」
安室「………………その風紀委員長は何者なんだい?話を聞いている限りじゃ、校長や理事長を無視している様に思えるんだけど………………」
綱吉「実際、その風紀委員長が並盛の支配者ですから。彼には誰にも逆らえませんよ。校長も理事長も、たとえ警察でも」
小五郎「………………そいつ本当に人間か?」
梓「ちょ、ちょっと毛利さん‼︎」
ツナの説明に、その風紀委員長が本当に人間なのか疑問を抱いた小五郎。流石に梓が咎めたが、
綱吉「いいんですよ梓さん。俺も何回か思ったので。ちなみに、その風紀委員長の名前は雲雀恭弥って言います。彼には常識が全く通じませんよ。中学時代なんて『自分はいつでも好きな学年』って言ってましたから」
安室「………………凄いね。色んな意味で………」
綱吉「後は、俺の親友が大阪に行かされましたね」
小五郎「本当に何なんだ。その雲雀っていう風紀委員長は………。並盛に住んでる奴らは苦労してんだろ?」
綱吉「いえ、並盛の住人は既に慣れてます」
梓「………いや慣れちゃダメでしょ」
一般人である梓はおろか、一応探偵で元刑事でもある小五郎と公安に所属している安室ですら唖然としていた。すると腕時計に目をやった小五郎が
小五郎「っと時間だ。色々気になるが、ソイツは明日聞こう。梓ちゃん、会計頼む」
梓「あ、はい」
そうして小五郎は会計を済ませ警察に向かった。残った安室と梓に対してツナは、
綱吉「これで驚いてたら、並盛には住めませんよ。これまだ序の口ですから」
梓「………………まだあるの?風紀委員長最強伝説…………」
安室「………………それに関してはもう話さなくていいよ。もう何が何だか…………」
安室と梓も、これ以上話を聞こうとはしないようだ。というのも、頭がどうかなりそうな為である。
自分たちの常識が全く通じない雲雀恭弥と並盛、そして目の前にいるツナに末恐ろしさを感じた安室であった。
そんな安室を尻目にツナが思った事は、
綱吉(アレ?これじゃ護衛するの無理なんじゃ………)
バイト中に小五郎が外出となると、護衛が無理という事実に辿り着いたツナ。これでは何の意味も無いと思い、帰ったらリボーンに相談しようと考えた。
それよりも今は、
綱吉「あのー、今の内に仕事を教えてくれませんか?早く慣れて、早朝のシフトもこなしたいと思うので」
梓「………あ、うん。それじゃあコーヒーの淹れ方から………」
早朝から働く為に、仕事を覚えるのが先であると思ったツナ。毛利小五郎の護衛に関しては色々と考えるべきだろう。
しかし知り合う事も出来、話す機会も作れた事は初日としては上々である。明日からが勝負だと思い直したツナであった。
綱吉「おい作者どうすんだよ!このままじゃ俺ねっちょりコースだぞ⁉︎リボーンが見逃すはずがねえ‼︎」
作者「うん、この状況は全く考えてないからノープランだね」
綱吉「ふざけんな‼︎」
作者「大丈夫、今打開策を考えてるから‼︎いつか明かすから‼︎」
綱吉「本当は思いついてないってオチは無いよな?」
作者「うん、シモンファミリーのアイツを使おうと思う」
綱吉「シモンファミリーのアイツ?ひょっとして………?」
作者「超直感によるネタバレ禁止ーーー‼︎」
綱吉「分かったよ。それじゃあ今回はこの辺で終わりにしよう」
作綱「次回もよろしくお願いします!」