いい加減恋色空模様を書かなきゃいけないと思っていますが筆が進まない…
それではどうぞ
俺たちは中に入り目に入ったのは、列を成す観光客の人たち。
30人ほどで形成された列は半数以上が男性だけど、女性が7、8人ほど混じっている。
そして何よりも外国人が多い。
列を成す観光客の先には、一口の刀。
「本当に、突き刺さってるんだ……」
室内だというのに大きな岩が鎮座しており、その中心には日本刀が突き刺さっている。岩から突き出たような刀身は美しく、見るものを引き込むような銀色の光を放っていた。
このアーサー王物語を再現したような刀こそ、この神社の御神刀。そして行われているイベントは、『この刀を引き抜けるものはいるか!?』というものだ。
「神社に来るの、初めてだったか?」
「正月に参ったことはあったと思うけど……それぐらいだな。中に入ったのは初めてだ」
「あの御神刀こそ、伝承にある妖怪を退治した刀『叢雨丸』なんだよ」
「実際抜けないもんなの?」
「抜けない抜けない。どれだけ力を入れても、1ミリたりとも動かないんだよ、あれ」
「俺もやったことあるけど無理だったな。押しても引いても全く動かない。なんか腹が立ったから、横方向に力を入れてみたんだけど、それでもビクともしやしない」
「無茶すんなよ、折れたらどうするんだ」
「その程度で折れるぐらいなら、今までのチャレンジですでに折れてるって、絶対」
「そりゃそうかもしれないが……」
このイベントは結構昔から行われており、最初は制限なく挑戦することができたらしい。ただ観光客も増え、対応しきれなくなったので、今は事前抽選で挑戦者を決めているそうだ。
これが外国人の観光客に大人気。無邪気な笑顔を浮かべたごつい男たちを始めとして、顔を赤くするぐらい力を込めていくが誰も抜けない。
二の腕が、俺の太ももぐらいありそうなマッチョがチャレンジしても、微動だにしない。
「疑う気持ちはわかるが、あの必死のマッチョマンたちが、イカサマをしてると思うか?」
「アタシたちでも、イカサマなんて話は聞いたことないよ。それに、バカにしたら親に叱られちゃうしね」
「それにお祖父ちゃん、そういうインチキとか嫌いだと思うな」
「そりゃそうだ」
町のために真実を黙っているとしても、直接イベントに協力することはないだろう。
それに、俺はわかる。あれはただの刀ではない。刀身が半分しか見えていないから少ししか解析ができていない。直で触って解析してみると全部わかるはずだ。
「ま、いっか」
どっちにしろ、俺には関係のない話だ。
とりあえず祖父ちゃんに挨拶をしよう。
「ーあ、いた」
「…………」
祖父ちゃんはいつもの厳しい視線で、チャレンジイベントを眺めている。
俺はそんな祖父ちゃんにゆっくりと近づいた。
「お久しぶりです。将臣です」
「む」
「宿の手伝いにきました。迷惑をかけると思いますが、しばらくの間よろしくお願いします」
「わざわざすまんな。こちらこそよろしく頼む。手伝いは明日からで構わん。今日はゆっくり休め」
「はい」
「それで、元気にしていたか?身体は?体調は崩していないか?」
「はい、大丈夫です」
「剣道は辞めたらしいな」
「部活で弓道に変えたけど、まだ剣道は鍛錬は続けてるよ。今度手合わせお願いします」
「そうか…わかった。今度時間があるときに見てやる」
そう言って祖父ちゃんは少しほほ笑む。俺が完全に剣道を辞めたと思っていたけど続けてるの知って嬉しいんだろうな。
「ともかく、よろしく頼む。何かあったら遠慮なく言え。無理だけはせんようにな」
「ありがとうございます」
取り敢えず挨拶は済んだ。もう古希も迎えているはずなのに、その気迫に衰えが見えないとは……恐ろしい。
「……」
「あの、話は変わるんだけど……あれは本当に岩に刺さってるの?」
「お前は伝承は知らないのか」
「なんとなくは知ってるけど詳しくは知らないかな。刀なんだよね?」
「神から託された特別な刀だからな」
「………」
なるほど…神からね。だから普通の刀とは違って俺が持っている剣と同じ感じがするのか。
「お前が疑う気持ちはわからんでもないが、ペテンではない」
違うんです。黙ったのは疑ったんじゃなく納得しただけなんです
「ただ単純な力だけでは抜くことはできん。資格が必要なのだ」
「資格ねぇ……」
「そういえば……将臣は、参加したことはあったか?」
「いや。見るのも初めてだけど」
「そうか……ではいい機会だ。将臣も一度やってみるといい」
「俺が?事前に応募とかしてないのに?」
「問題ない。ワシが話をつけてくる。少し待っていろ」
俺が了承する前に、祖父ちゃん神主らしき人物の元に向かい、何かを話している。
なんだ?俺にもチャレンジさせられるんだろうか?
まぁ、できたらできたでいいか。俺もあの刀は気になるしな。
「なんだ?どうかしたのか?」
「いきなり、アレにチャレンジしてみろってさ。どういうつもりなんだろ……抜けなかったら怒られたりするのか?」
「さすがにそれはないよ。もっと気を楽にしてもいいんじゃない?」
「私や廉兄もお祖父ちゃんに言われたから、深い意味はないと思うよ」
「そういやそうだったな。俺も気構えなくていいと思うぞ。俺や小春が失敗したときも、何も言われなかったから」
「ふーん。そういうもんかね」
「将臣!」
「あっはいっ」
「いいぞ、こっちにこい」
話をしていたら祖父ちゃんによばれた。いつの間にか、並んでいた人たちのチャレンジは終わっていた。部屋の中には俺たちと祖父ちゃん、神主らしき男性だけ。その全員が俺に視線を向けている。
そんなに見られると緊張すんですけど……
「何か作法とかあるの」
「そうだな…特にしきたりはないが、まぁ挨拶ぐらいはしておけ」
岩に突き刺さって刀の前に立ち、軽くおじぎする。
そして両手を伸ばして、柄をしっかりと握りしめた瞬間、ビリっと電流のようなものが、指先から全身を駆け巡った。
静電気……?日本刀で?触れた先も柄だけなのに…?
(とりあえずさっさと引いて終わらせよう)
俺は特別な力を持っている。でも抜けないだろう。他の奴が抜けないのに俺が抜けるわけがない。
手を滑らないように、柄をしっかり握りしめ、抜こうと力を込めた。
「ふんっ」
パキン
抜こうと力を込めた瞬間刀が折れた
終わりが中途半端になってしまいました。
感想、評価よろしくお願いします。