この世界では考えられない錬金術を使って何が悪い   作:ネオアームストロング少尉

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更新が遅れてしまって申し訳ない。出来れば一週間に一話から二話のペースで更新したいですが、今回のように二週に一話のペースで更新するときがあります。



七話

 無音。静寂。もはや眼前に動くものは何一つない。

 

「……え?」

 

 あっけない幕切れにシスティーナが忘我する。天井は完全になくなり上階が見える。右手の壁も全て消滅していた。

 

「す、凄い……こんな、高等呪文を」

 

 黒魔改【イクスティンクション・レイ】。対象を問答無用でオリジンまで分解消滅させる術である。個人で詠唱する術の中では最高峰の威力を誇る呪文であり、元はセリカ=アルフォネアが邪神の眷属を殺すために編み出した、限りなく固有魔術に近い神殺しの術だ。

 

 フォルティスの『焔の錬金術師』を再現したものは、固有魔術に近しいものであるが、根本はまた違うものになっていた。

 

 グレンは詠唱する際に何らかの触媒を使ったようだが.......それでもできるだけで掛け値なしの賞賛と驚愕に値することでもある。

 

「い、いささかオーバーキルだが、俺にはこれしかねーんだよな……ご、ほ……っ!」

 

 その時、グレンが血を吐いて崩れ落ちた。

 

「先生!?」

 

 グレンの異変に、システィーナは慌ててグレンの元に駆け寄り、その身体に触れる。全身に浮かぶ冷や汗、触って思わずぞっとするほど身体は冷たかった。

 フォルティスのときと同じ症状。

 

「マナ欠乏症!?」

 

「まぁ……分不相応な術を、裏技で無理矢理使っちまったからな」

 

 マナ欠乏症を差し引いてもグレンの状態はひどい。全身、傷だらけの血まみれだった。致命傷はないが、傷の数がかなり多い。このまま血を流し続けるのはまずい。

 

「だ、大丈夫なんですか!? 兄さん、どうしよう!?」

 

 近くまで駆け寄って来たフォルティスに投げ掛ける。フォルティス自身も何かしようとしているが躊躇いをみせていた。

 とにかく、システィーナは怪我を治す白魔【ライフ・アップ】の呪文でグレンの傷を癒やそうとする。

 

「馬鹿、やってる場合か……」

 

 グレンが口元を伝う血を拭って無理矢理立ち上がる。その膝は笑っていた。

 

「今すぐ、ここを離れるぞ.......早くどこかに身を隠──」

 

 いいかけて、苦い顔をするグレン。その先は近くで警戒を高めたフォルティスが言った。

 

「──そう甘い敵ではないようです。グレン先生」

 

 かつん、と。

 

 破壊の傷痕が刻まれた廊下に靴音が響いた。

 

「【イクスティンクション・レイ】まで使えるとはな。少々見くびっていたようだ」

 

 廊下の奥から現れたのは、フォルティスが倒し損ねたもう一人のテロリスト──レイクだった。

 しかし、右腕の肩から先の袖が無くなっている。露になった腕は多少火傷の後が残っているが、かすり傷と同等がいいとこだろう。

 

「っ!?」

 

 システィーナは息を呑む。最悪のタイミングだ。グレンは既に満身創痍。フォルティスも想像以上に回復していたが、それでも、腹部の傷に一度起こったマナ欠乏症の名残があるのか顔色は優れていない。

 

 フォルティスと戦ったときと同様に五本の剣が浮いている。既に発動されているのでグレンの【愚者の世界】は通用しない。

 

「あー、もう浮いている剣ってだけで嫌な予感がするよなぁ……あれって絶対、術者の意思で自由に動かせるとか、手練れの剣士の技を記憶していて自動で動くとか、そんなんだろう? ──そこんとこどうなのよ?」

 

 グレンはレイクから目を離さず隣にいるフォルティスに聞いた。

 

「いや、あの時は必死でしたから……少なくとも一本は自由に動かせると考えていいと思いますよ」

 

「だよなぁ」

 

 フォルティスの答えに情けない声を上げるグレンだった。

 

「グレン=レーダス。前調査では第三階梯にしか過ぎない三流魔術師と聞いていたが.......一人をやり、さらに高等魔術まで扱うとは。それにそこにいる学生に限ってはノーマークだった。お陰で誤算だらけだ」

 

「まあ、その誤算のお陰で上手く立ち回れたんですけどね」

 

 錬成陣が書かれた手袋を指の奥までもう一度、外れないように深く着け直す。

 

「それに関してはあれから考えたが未だに原理が分からん。恐ろしいこと、この上無いないな」

 

 フォルティスに気を取られている間にグレンはシスティーナに耳打ちする。

 

「おい、白猫。魔力に余裕は? お前はあの剣をディスペルできそうか?」

 

 システィーナはレイクの背後に浮かぶ剣を見る。見ただけで大量の魔力が漲っているのがわかる。当然のように魔力増幅回路が組み込まれているのだろう。

 

「私の残りの魔力全部使っても多分、少し足りない……と思う。そもそも【ディスペル・フォース】を唱えさせてくれる隙がなさそう……」

 

「なら、よし」

 

 グレンは突然、システィーナを横に突き飛ばした。

 

「……え?」

 

 システィーナが突き飛ばされた先は、グレンの【イクスティンクション・レイ】によって右手に空いた空間、校舎の外だ。

 

「きゃあああああっ!?」

 

 全身を包む無重力共に、システィーナは四階もの高さから落下していった。

 

「ふん、逃がしたか」

 

「まあね。流石にお前を相手に庇いながらやるのは無理そうだしな」

 

「……グレン先生、正直言って右足があんまり動かないです」

 

「……冗談キツイっての。本当はお前も逃がしたいんだがな」

 

「状況は分かってますよ。それに何か策はあるんですよね?」

 

 策、それはまだ知られていないグレンの固有魔術【愚者の世界】だ。しかし、運が悪いことに奴の周りには既に発動されている魔術がある。

 もし、ここで使ったとしてもこちらの方が不利になるのは必然だった。それに、今ここで頼れるのはフォルティスの錬金術だ。それを無効にしてしまったら尚更勝ち目はないだろう。

 

「後、何回アレを発動できる?」

 

()()()を使いましたが……精々撃てたとして後二発ですね。ですが、相手も十分警戒してるでしょうから隙を作るための事を考えると、一発と考えた方が……」

 

 二発。それで奴を倒すには全然足りない。それに、フォルティスが戦い慣れていないのが良く分かる。隙を見せていないように見えるが、結構隙だらけだ。

 だが、その重心の置き方から足の動きを見てグレンは確信する。

 

「お前、なんで帝国式軍隊格闘術なんか……いや、そう言えばお前お坊ちゃんだったな。それでも、やっぱり疑問に思うがな」

 

 たまに英才教育として習わせる貴族もいるが、それはほとんどが軍関係者限定の話であり、フォルティスのような貴族はそうそうにしない。

 

「これでも昔はだいぶ期待されていたんですけどね……今はもう」

 

 フォルティスの右足が義足だと言うのがその答えなのだろう。

 

「とにかく、俺の合図で奴の剣をどうにかディスペルできるか? 取り敢えず何でもいいから無力化しろ」

 

「完全な無力化はムリかも知れませんが、一時的なら何とか」

 

「よし、後は臨機応変にな。それと……ヤバいと思ったら俺を捨てて逃げろよ」

 

 そう言ってグレンは構えを取る。

 

「……終わったか?」

 

「ああ、悪いな待たせて」

 

「ふん、動きづらくて仕方ないな」

 

 今までレイクが動かなかったのは、ずっとフォルティスが右手を伸ばし狙いを定めていたからだ。勿論、仕掛けようと思えば仕掛けられたが、レイクはどこまでが射程圏内なのか探っていた。分かれば後々チャンスにもなるし、分かり次第攻撃できたが、どうやら先にグレンたちの話し合いが終わった。

 

「行くぞ」

 

 レイクが指を鳴らすと背後に浮かぶ剣が一斉にグレンとフォルティスに切っ先を向けた。その内二本がグレンへ、そして、三本がフォルティスを目掛けて飛来した。

 

「来るぞ!!」

 

「先生ッ! 下がれッ!!」

 

 フォルティスが一歩前へと出て両手を合わせる。

 

 ──パンッ!!

 

 と、手を叩く乾いた音が鳴った。

 

 

 

 

 

 

 ~Ω~

 

 

 

 

 

 

 

「い……痛たたた……もう、なんてことするのよ……アイツ!」

 

 落とされた先。校舎の中庭に四つん這いに突っ伏しながらシスティーナは呟いた。黒魔【ゲイル・ブロウ】の呪文で落下速度の減速を行ったために、感覚的には五、六つほど飛び降りた程度ではあるが。

 

「これが女の子に対する仕打ち!? もし私の呪文詠唱が間に合わなかったらどうするつもりだったのよ!? もう!」

 

 叫んでみたが、システィーナの心は急速に消沈していった。冷静に考えればグレンが庇い立てしてくれたのは分かる。

 身震いするほどの超絶技巧の数々を披露したダークコートの男は、あのチンピラ男とは比べ物にならないほどの格上だ。あんな規格外の魔術師との戦いの場に残ったシスティーナが巻き込まれて死亡する確率と、落下死する確率。比較する必要もない。

 

 しかし、フォルティスがあの場に残っていたと言うことは、少なくとも肩を並べて戦えると思っての事だろう。

 実際そうだ。兄は自分たちには考え付かない魔術を駆使してテロリストの一人を倒し、あのダークコートの男とも一戦交えている。

 

「結局、私は……足手まといなのね」

 

 あの時は何とか上手くいったが、それはグレンが庇ってくれていたからであって、しかも、最終的にはフォルティスの援護がなければやられていたのは自分だった。

 もし、追い詰められたとき私では無く兄だったら、何も問題なく済んでいたのではないか? 

 もしかしたら、グレンはマナ欠乏症にならずに済んだのではないか?

 

 そんな自傷的な考えばかり浮かんでしまう。

 

「──ッ!?」

 

 頭上から、何かと何かが激突する音が響き渡った。青い稲妻のようなものまで起こっている。戦いが始まったらしい。こうなれば、もう自分に出来ることは何もない。

 

「もう、先生の言う通りにするしか……」

 

 がくりと肩を落としてシスティーナはその場にうなだれた。自分の無力さに打ちひしがれ、目の前が真っ暗になっていく。

 だが、そのときだった。ふと、気がつく。

 

「……言う、通り?」

 

 その言葉には、何か違和感があった。その違和感の意味をぼんやりとシスティーナは考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 乾いた音が鳴りフォルティスが廊下の地面に両手を付ける。すると、青い稲妻が発生し地面が形を変える。二人の目の前に分厚い壁が聳え立つ。

 

「おいおい、まさかこれも錬金術って言わないよな……?」

 

「それは後々で。先生、仕掛けます」

 

 先ほど攻撃を防いだ壁に、また手を合わせそこから両手付ける。すると今度はその壁が複数の石の拳となりレイクに襲いかかる。

 レイクは何本にもなる石の拳を近くまで戻した五本の剣で弾き、又は、切り裂いていく。

 

「やはり、あの小僧が厄介だな」

 

 レイクの矛先が完全にフォルティスに向く。五本の剣全てがフォルティスの元へ飛来していく。どうにかフォルティスは避けようと身体を動かすが、義足である右足が前の戦闘によって上手く動作してなく、思うように動けなかった。

 

「はぁ──ッ!」

 

 それを、グレンが拳で受け流し、打ち落とし、フォルティスを守る。その間に少し下がって、また手合わせ錬成で次は槍を錬成し、レイクに向かって投げつけた。

 それを、素早く戻した剣で弾く。

 

「ちぃ、何でさっき防がなかった?」

 

 ゆらゆらと、剣が二人に切っ先を向けて取り囲んでいる。

 

「等価交換ですから」

 

「そういうことか──よッ!!」

 

 飛来してくる剣をまた拳で弾く。先ほどフォルティスは防がなかった、のではなく。防げなかったのだ。足元には防ぐほどの質量をもった地面が無かったのだ。

 レイクの攻撃を防いだ壁を錬成したぶん足元の地面が減り、フォルティスは崖っぷちとは言わないがシスティーナが落ちたようにその手前のところに立っていたのである。

 

『等価交換』

 

 錬金術における最も根本的な原理。特に無から有は作れない。何かを得るには同等の代価が必要だと言うことだ。

 先ほど作った槍もその分の質量が地面を抉って穴を作っている。

 

「先生、俺が何本か剣を抑えます」

 

「おう、頼むぜ」

 

 グレンは弾かれるようにその場から走りレイクに向かっていく。こさせまいと三本の剣がグレンに向かい、残りはフォルティスを牽制する。

 しかし、フォルティスはそれを無視して腕を前に突きだした。

 

「ッ!?」

 

 その動作にレイクは直ぐ様そこから離れ、二本の剣をフォルティスに向かわせ、グレンへと向かわせていた剣の三本の内二本を戻し、目の前に交差させる。

 

 しかし、一向に指が鳴る音がしない。見ればフォルティスはレイクが剣を交差させた一瞬の隙をついて手合わせ錬成に切り替えていた。

 ギリギリの所でフォルティスは剣の攻撃を防ぐ。

 

 気がつけばレイクのすぐ前には自分に向かっていた剣を弾いたグレンの姿があった。

 

「《紅蓮の獅子よ・憤怒のままに──」

 

 グレンが選択した魔術は、黒魔【ブレイズ・バースト】。強力な軍用の攻性呪文だ。この爆炎に巻き込まれれば、消し炭すら残らない。しかも、この状況では避けることもままならないだろう。

 

「《・吼え──」

 

 だが、グレンの三節詠唱が完成するより早く──

 

「《霧散せよ》」

 

 その瞬間、グレンの左掌に生まれかけていた火球が音を立てて弾けとんだ。

 黒魔【トライ・バニッシュ】。空間に内在する炎熱、冷気、電撃といった、三属エネルギーをゼロへと強制に戻して打ち消す、対抗呪文だ。

 

「呪文の撃ち合いにおいて三節詠唱が一節詠唱に勝てるわけがあるまい」

 

 三本の剣をフォルティスに向かわせて援護できないように攻撃をさせる。右足が動かしにくいぶん回避がしずらく、手合わせ錬成で防ぐので手一杯になっていた。

 

「【ブレイズ・バースト】とはこう唱えるのだ──」

 

 冷酷な目がグレンを捉える。

 

「《炎獅子──」

 

 一節詠唱による黒魔【ブレイズ・バースト】の超高速起動。これができれば一人で軍とも渡り合えるとされる高等技術である。

 この一手で勝負を決めてしまえることを半ば確信していたが。

 

「──!?」

 

 なんと、グレンはレイクが一節詠唱を開始したと同時に、懐から何か取り出そうとするような仕草を見せながら、レイクに向かって突進し、そして。

 

「《猛き雷帝よ・極光の閃槍以て──」

 

 絶対に間に合うはずの無い三節詠唱を開始したのだ。それはあまりにも魔術戦の定石を無視した愚挙だ。たが、レイクの鋭敏な判断力が瞬時にグレンの狙いを予想し、危険だと判断した。

 まさか、策無しにこんな愚行しないだろう。何かしらある、と確信して起動しかけていた魔術を解除し、跳び下がる。

 

「──・刺し穿て》ッ!」

 

 その隙を狙いグレンの呪文が完成する。黒魔【ライトニング・ピアス】。グレンの指先から一条の電光が迸り、レイクの身体の中心目掛けて真っ直ぐ突き進む。

 

 しかし、レイクがとっさに操作した二本の手動剣が辛うじて間に合い、レイクの眼前で交差し、それを防いだ。

 

「【トライ・レジスト】かよッ!?」

 

 動揺した隙を狙い、すかさずレイクが手動剣を操作してグレンに斬りかかる。

 

「はっ!! 惜しかったな、死ね!」

 

 それと同時にグレンが【ディスペル・フォース】の呪文を唱える。

 

「遅い!!」

 

 三節で括られるグレンの呪文詠唱が間に合うはずがない。しかも、それは悪手だ。【ディスペル・フォース】に必要な魔力量は打ち消す対象の持つ魔力量に比例する。

 本来、簡易な符呪を解くための術であり、魔力増幅回路が組み込まれている魔導器に扱う魔力をディスペルしようとすれば、それこそ自身が一瞬で枯渇してしまうほどの魔力が必要になる。

 

 魔術戦において相手の魔導器をディスペルで対処するのは、やってはならない悪手であることは常識だった。

 

 案の定、グレンの体に二本の剣が突き刺さる。辛うじて身をさばき急所は外したが、勝負は決した。しかし──

 

「──均衡を保ちて・零に帰せ》!」

 

 グレンは血反吐を吐きながら呪文を完成させていた。

 

「確かにそれが通れば、私の剣は一時的にただの剣になりさがるが、貴様に止めを刺すには十分だ」

 

 剣に込められた魔力の半分ほどしか打ち消しておらず、多少動きが鈍くなっただけだ。それに、フォルティスに向かわせた自動剣を引き戻せば──

 

「──なにッ!?」

 

 引き戻せなかった。見れば三本とも地面や壁に埋められている。否、縫い付けられていた。

 異様な形をした地面に埋め込まれ、手のような形をした壁に掴まれ、それはまるで壁に付けられている芸術品のようだった。

 

 いくら達人の技を模した所で自動化された剣技は死んでいるのも同然。例え、戦闘に不慣れであるフォルティスでも三本の剣相手に集中できれば無力化など、時間をかければ苦戦することであっても無理な話ではない。

 

「だがッ!!」

 

 鈍くなっているがフォルティスが何かする前にグレンから剣を引き抜き、首を刎ねる方が早い。

 しかし、その()()()()()のが命運を分けた。

 

「悪あがきもそこまでだ、死ね──」

 

 レイクが手を上げた──その瞬間だった。

 

「《力よ無に帰せ》──ッ!!」

 

 あさっての方角から、全く予想もしてなかった一節詠唱が飛んだ。

 

「何ッ!?」

 

 背後の廊下の先、遥か向こうに見覚えがある人影があった。システィーナだ。いつの間にかそこにいたシスティーナが【ディスペル・フォース】を唱え、二本の剣にありったけの魔力を乗せて飛ばした。

 この瞬間、二本の剣はただの剣へと成り下がる。

 

「フォルティスッ!!」

 

 グレンがフォルティスの名前を呼ぶ。それに呼応するようにフォルティスは右腕を上げレイク向けて突きだしていた。

 

「ち──《目覚めよ刃──」

 

「遅せぇッ!!」

 

 再び剣に魔力を送って、再起動させようとするレイクに先んじて、グレンが愚者のアルカナを引き抜いた。

 

 グレンの固有魔術【愚者の世界】が一瞬早く起動する。そして、唱え終わっても何も起こらない事にレイクはこれまで以上に動揺を見せる

 

「何故……何故、呪文が発動しないッ!?」

 

 この場における、全ての魔術起動が封印された。そう、()()()()()()()()()封印されない。

 

 

「──チェックメイトだ」

 

 

 パチンッ、と指がなる音がしてレイクを中心に爆炎が巻き起こった。

 

 

 




後は大体原作と同じじなので書きません。多分、今回の戦闘に関して、こんな描写いる? や、意味なくね? みたいな事を思う人がいるかもしれませんが.......すみません、最後の描写を書きたかっただけなんです。
そこに関しては愚者の世界が発動する前に魔術起動と同等である、錬成は済んでいます。後は火種を起こすだけですので。

次回は最初にこの後日談を入れて二巻から始まります。

私、まだ七巻を読んでないんですよね.......はぁ。

追記: 指摘があって二話のフォルティスがセリカを呼ぶときの名称を「セリカ教授」から『アルフォネア教授』に変更しました。

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