幽香さんを赤面させたいだけの人生だった 作:棚の上からお餅
「あの.....」
「何かしら?」
そう言って優しく微笑み返してくるのは、昨晩から俺と付き合うようになった彼女「風見幽香」さん。幽香さんはとても可憐で可愛く、そして世界で一番美しい。
美しい.....美しいのだが.....
「包丁を...下ろしてください.....」
「あら、じゃあ今日の朝のアレは何かしら?」
アレ、と言うのは今朝、俺がリグルと少し楽しそうに会話していたことである。楽しそうに会話と言っても、そこまで深い話ではなく、ただ「向日葵の手入れ少し大変だねぇ。」とか、「あ、虫いるよ気を付けて。」とか、「あ、ゴキブr」などのくだらない会話である。
「ちょっとだけ楽しそうにリグルと話していただけで.....ひっ!」
「あらぁ、楽しそうに、ねぇ?」
包丁を更に首元まで近づけてきた幽香さんは、そう言って再び笑顔を見せた。普通の笑顔なら可愛い、可愛いのだが.....幽香さん。今の笑顔はとても怖いです。
包丁を突き立てられている。側から見れば、それは強盗が人質を捉えて脅しているようにしか見えない。
両親の亡き後、花屋さんを受け継ぐ事になった俺「
幽香さんは俺の顔を見ると、初めて会うのに優しく微笑んでくれて、俺が店の裏で丹精込めて育てた百合の花を買ってくれた。
それから毎日幽香さんは通ってくれるようになり、俺はだんだん彼女に好意を抱いて行き、今に至ると言う訳だが.....
「さて、今の私はとても腹が立って慎二、あなたを殺して私のものにしてやりたいぐらいなのだけれど?」
「ご、ごめんなさい......その、幽香さん? 刃が直に首の皮に当たってるんですけどおぉぉぉ!?」
「あら、当ててるのよ?」
「ごめんなさい、本当に悪気は無かったのです。 だから、その許してください。」
向日葵の手入れ、この作業をしている時は基本暑さにやられそうになる。そんな中、誰か1人でも話せる人いないかな。そう思って話しかけたのがリグルなのだが、まさかこんな事になるとは思わなかった。
だってリグルだぜ? 一応幼女だぜ? 俺そんなロリコンに見える?
「幽香さん、そのロリコンじゃないので許して?」
「ロリコンじゃなくても、幼女体型に少し惹かれたんでしょ!? ねぇ!?」
ひぃっ!
幽香さんはそう言うと包丁で軽く俺の首筋を撫でた。鳥肌が物凄く立つと同時に、俺の首筋から垂れた一滴の血。
「俺が惹かれるのは幽香さんだけです。」
そう俺はしっかり誠心誠意込めて幽香さんに言うと、幽香さんは俺の首筋から垂れた血を優しく舐める。
その舐めかたがとてもエロエロしく、俺のムスコが何故か立ち始めてくる。それを何とか抑えるため必死に別のことを考えるが、そんなことを考えれないぐらい、俺のムスコは大きさを増して行った。
その時
「ふぅん、そう.....分かったわ。」
幽香さんはそう言い、俺からそっと包丁を離した。
やっと分かってくれた!
俺はそう思って幽香さんの方を見るが、幽香さんはまだ笑顔を崩してはいなかった。
「なら、あの害虫を消せばいいのね。」
「な に も 分かっていませんがあぁぁぁぁぁ!?」
包丁を持って外に出ようとする幽香さんを、何とか羽交い締めの状態にして止めたのは、ムスコを抑えきった俺である。そして次に、幽香さんの手から包丁を手放そうとする、が.....
「あら慎二? あなたごときの握力で私の手から包丁を手放せるとでも?」
「ふっ、君の手から包丁は手放せなくても、僕は君の手は一生離さないよ?」
「.....馬鹿。」
「あれ、幽香さん? 顔赤くなって.....?」
「死ね、ばかぁ!!」
「ブフォァッ!?」
頰に思いっきり幽香さんの拳を喰らった俺は、幽香さんの手を呆気なく離してしまい、後方に勢いよく吹っ飛んで行ってしまった。
☆★☆
「ん.....あぁ、寝てた、のか?」
花を少しツンと刺激する匂い、これはきっと花の匂いだろう。
パッと目を覚ました俺は、重たい体を起こす。
次に俺の目に映ったのは.....
半涙目でプルプルと震えている幽香さんだった。
「え、ちょ、幽香さん?」
「うぅ、慎二のばかぁ!」
幽香さんはそう言って俺に思いっきり抱きついてきた。
腕はしっかりと俺の後ろに回っていて、とても離してからそうにはない。ていうか離さなくていい。
こんなめっちゃ可愛い幽香さんは初めて見るので、困惑している俺に幽香さんは一言。
「浮気じゃないなら浮気じゃないって言ってよ?」
「言ったんですけど。」
半涙目で俺の胸に蹲る幽香さんの頭を撫でながら、俺はこんなに甘えてくる幽香さんに少しだけ感動を覚えた。
「ねぇ、幽香さん?」
「何よ。」
ゆっくりと顔を上げた幽香さんに、僕は思いを伝えるような一言をぶつけた。
「好きだ!」
「私も!」
その時僕たちは熱い抱擁を交わし、寝起きにはまだ辛いキスを交わすのだった。