壊すだけが取り柄じゃない   作:琥珀(1112

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初投稿です。好きなようにやってきますので、「あ、これ無理だわ」となったら、別の小説をお探しください。


始まり

がちゃがちゃとガラスや金属が擦れる音がする。誰かの声も同時に聞こえる。それも複数の声が。

女の声が二つ、片方が苦しげで、もう片方は励ましている?男の声も聞こえ、彼も励ましているようだ。

微睡むような、心地良いこの場から離れたくないが、体はここから出なければいけないと感じているようだ。

それもそうだ。此処は、本当の居場所じゃないから。

だから、外に出ないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フラーン?今日は何しているの?」

私に話しかける声が一つ。

「あ、おねぇさま。今日はねーお絵描きしてるの。とりさんとか、猫さんとか!」とはいえ、図鑑で見たものだが。

 

「フランは動物が好きだものね。よく描けてるわ」緩やかに微笑む姉。

 

「え、本当!?やったぁ、おねぇさまに褒められた!」釣られて微笑む私。

 

「ふふふ、何か欲しいものはある?」

 

「じゃあ、おねぇさまと森にお散歩に行きたい!ずっと此処にいるのたのしくないー!」ピクリと姉が少し揺らいだ。

 

「そうね、それじゃあ、お父様とお母様に話してくるわ」

そう言って、私に笑いかけた姉は、部屋を出て行った。

 

少し、悲しそうでもあったけど。

とまぁ、なんやかんや過ごしている私『フランドール・スカーレット』ですが、前世の記憶といいますか、知識があるんだわ、これが。赤ん坊にしてはおかしいくらい考えられる頭。

頭をよぎる様々な知識、感情の起伏も緩やか(多分)で、どうやら両親は吸血鬼みたいなんだよね。私も姉の『レミリア・スカーレット』も、同じく吸血鬼です。

 

とはいえ、姉とは顔つきがとても似ているけど、背中についてる翼は、七色の宝石が木の枝にぶら下がったかのような風貌。

姉は父親譲りの青みがかった銀髪に、堂々たる黒い翼。

私の髪の色は少し薄い色合いの、いや、透き通った感じの金髪か。

母親譲りなのは髪色とその顔つきぐらいか。

母上にも私のような特殊な形の翼はついていない。どこの遺伝子から出てきたんだ。

 

まあ、綺麗だから、私は気に入ってるけど。そんな私は現在10歳、姉は15歳。すくすくと成長しています。

っと、話が脱線したけど、いろんな知識があるっていったよね?で、一番多いのが、ゲームの知識。ファイアとか、ブリザドとかの、魔法とか、妖怪とか、魔物の事かな。

 

好きだったんだねぇ、ゲーム。是非ともやって見たいが、そんな時代でもないようだ。ゲームが産まれるには、もっともっと先じゃないといけないくらい、文明は古いようだ。

まあ、私たちみたいな、寿命の長い生き物には、どうとでもなるだろうけど。

 

そんな先のことより、今を楽しむか、うん。

おねぇさま、無理言っちゃったけど、早く帰ってこないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅い、紅い館の廊下を一人歩く。柔らかな絨毯は、私の足音と振動を吸収していく。ちらほらと見える、従者達は、私を見るなり、深く頭を下げ、また、掃除や物を運ぶ作業に戻る。

 

彼らの私を見る目が、少し怯えを含んでいることを、私は知っている。それもそうでしょうね、この館の主人の娘だもの。無礼は許されない。最悪、血祭りだ。

 

息苦しいこの館の現状に嫌気がさすが、出ていくわけにもいかない。それ程の力もまだないのだ。私はまだ、子供だ。少なくとも、あの子を、私の愛しい妹を守ってやれないから。

 

あの子が閉じ込められている部屋の封印なんて解けないし、部屋の前に見張りでいる人狼にさえも勝てない。部屋に入って、話をすることはできるけど、長居は出来ない。

父が、それを許さないのだ。

 

ーーーアレは厄災だ。生かすことも、本来なら許せるものではない。だが、忌々しくも私の娘だ。ならば、閉じ込めておくことが最善策だ。ーーー

 

そう言って、あの子を閉じ込めた。その時の顔の父の顔は忘れられない。自分の娘を見るような目つきではなかった。見下し、蔑み、何処か怯えの混じったあの目。

 

その理由は、あの子の能力。【ありとあらゆるものを壊す】程度の能力。そのままの意味。なんでも壊せる、父も、私も。それは、怖くなんかない。けれど、時折あの子が見せる、黒くて、引き込まれそうな瞳が、どうしようもなく怖い。

 

...それも知った上で、あの子を抱きしめてあげないと、私は、あの子の、本当の姉にはなれないかもしれない。

だから、私は、今の自分が嫌いだ。もっと、身も心も強くなって、あの子を守ってあげないと。

 

...父に森に行ってもいいかなんて、言っても、許可はもらえないから、お菓子を持って行きましょう。

本当に、ごめんなさい、フラン。

 

 

 

 

 

 

 

おねぇさまが、暫くして戻ってきた。手にはクッキーが入っている袋が。やっぱ、今回もダメだったか。

 

「どうだった?おねぇさま!」

また、部屋を出て行った時みたいな悲しそうな顔をして

「ごめんなさいね、外は危険だと言われちゃって...。代わりと言ってはなんだけど、お菓子持ってきたわ」

 

「ううん、大丈夫だよ。お菓子、おねぇさまも、一緒に食べよう?」そう言われたからか、少し元気になったおねぇさまは

「えぇ、そうするわ」と、微笑んだ。

 

分かってるよ、父上が許さない理由なんて。その理由を知っていても、私に近づいてくれる、『お姉様』が、私は大好きだよ。

 

だから、私のものになって欲しいと、思うこの心はきっと、正しいのだと思う。

 

 

 

 




お母さんは生きてます、はい。(今後どうなるかは...ねぇ
※少しずつ読みやすく訂正しております。(なお、本当に読みやすいかは自分基準のため、よく分かってない。
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