Fools And Towers~愚者と塔~ 作:Laziness
話の要点だけをとりあえず並べた安直なタイトル。止める気はない。
というわけで、どうぞ。
「ああ、魔術は相当役に立ってるぞ・・人殺しにな。」
如何してこうなった。
遡る事、決闘の3日後の朝・・。
「はーい、授業始めるぞー。」
グレンは今日も遅刻してやってきた。俺は遅れず来てるぜ、やったね!
皆は、各々自習の準備に入る。
「あの、先生、分からないところがあるんですが・・。」
「ほい、これルーン語辞書な。」
そっからはフィーベルが出てきて、役立たずだのなんだの的なサムシングをグレンに吐いていった。
「この男は、魔術の崇高さを微塵も理解していないわ。」
(あーあ、言っちゃった。こりゃフィーベル終わったな。)
「魔術って、そんな偉大なもんかね?」
「ふん、貴方のような人には理解できないでしょうね。」
「何が偉大で、どこが崇高なんだ?」
「・・え?」
「魔術ってのは、どこが偉大で、どこが崇高なんだ?」
「それは・・」
「知ってんなら、教えてくれないか?」
「魔術はこの世界の真理を追究するものよ。」
どうやらフィーベルによると、人がより高次元の存在へ至る為の物らしい。
「高次元の存在って何だ?」
「そ、それは・・。」
「そもそも魔術ってなんの役に立つんだ?」
「魔術は、役に立つとか低い次元の話じゃないわ。」
「ふぅーん、でも役に立たないんだったら、唯の趣味だろ。」
「くっ!そ、それは・・。」
「ああ、悪い悪い。嘘だよ。ちゃんと役に立ってる。」
そうして、冒頭に至る・・。
「剣術で1人殺してる間に、魔術は10人殺せる。」
そこからは、グレンの口撃が始まった。
「この国の現状を見ろよ。」
「決闘にルールが出来たのは何故だ?」
「凶悪犯罪の年間件数と・・」
エトセトラ..エトセトラ....その数々は、生徒達を反論できなくさせていった。
「なあグレン、もう止めてやれ。」
流石にもう駄目だ。
「アレス・・。すまん、悪かった。」
「誤るならフィーベルに謝れ。大丈夫だ、俺はお前のことをよく分かってる・・。」
「ああ、ありがとう・・。」
そこで、授業終了のチャイムが鳴った。
「あーあ、終わりだ終わり!!今日はやる気でないから自習だ!」
教室は、静寂に支配された。
・・いや、毎日自習だろ。なんて言える空気ではなかった。
「・・向いてないのかね、やっぱ。」
「まあ確かに、魔術嫌いのお前が魔術講師ってどんなギャグだよ。っては思う。だがな・・」
俺は、グレンの頬を叩いた。
「・・っ!」
無機質な音が、バルコニーに響いた。
「今日のはやりすぎだ。」
「今日のは・・。」
「まあ、お前の気持ちは理解できる。俺も魔術は嫌いだ。」
「・・・・」
「だがな、あんな魔術に真剣な生徒に、魔術を忌み嫌う者の価値観を押し付けんな。」
「・・すまん。」
「明日、フィーベルに謝れよ?」
「分かった。」
「よし、じゃあ帰るか!」
「おう!帰って土下座の練習だ!」
「・・は?」
「いや、セリカに謝る練習。」
「はぁー。全くお前は・・。って、あれは?」
「《彼方は此方へ・怜悧なる我が眼は・万里を見晴るかす》」
グレンが、遠目の魔術を使う。
「魔力円還陣か。」
「懐かしいな・・。様子はどうだ?」
「まあ・・頑張りな!若人。」
「おい、お前教師だろ。魔術実験室の個人使用は?」
「はい、行ってきます。」
「よし、先に帰ってるからな~。」
「はあ、無職に戻りたい・・。」
「最近、グレンはどうだ?」
今俺は、セリーと食卓を囲んでいる。
「いや、その・・今日あまりよろしくない事案が発生いたしまして・・。」
「ほう?」
俺は、経緯をセリーに説明した。
「そうか・・。ふふ。」
「どうしたんだ?」
「明日からの授業、少し楽しみにしておけ。」
「楽しみに・・?分かった。」
その後、帰ってきたグレンが、セリーに軍用魔術を打たれたのはまた別のお話・・。
翌日
「昨日は済まなかった。」
「え?」
「その・・考え方は人それぞれだなって・・その・・あの・・とにかく、済まなかったな!」
これで、フィーベルの件は一件落着か・・。
「さあ、授業を始めよう!の前に、お前らって本当馬鹿だよな。」
何かとんでもない暴言を吐いた。
「ふん!【ショック・ボルト】の一説詠唱程度も出来ない人に言われたくないね。」
「ああ、それを言われると耳が痛い。俺は弟みたいに出来が良くないからな。」
「嫌味か?グレン。」
「っとまあそれは置いといて・・。その【ショック・ボルト】程度についての授業をするぞ」
「ふん!そんなもの、とっくに極めてますわ!」
「ほう、そうか。じゃあ、こうするとどうなる?」
《雷精よ・紫電の・衝撃以て・打ち倒せ》
「そんなの、何らかの形で失敗しますね。」
「ふっ、ははははww!そんなのは知ってんだよ。どんな形で失敗するか聞いてんだ。」
「何が起こるかなんて分かりませんわ!ランダムに決まってますわ!」
「「ふっははははwwww ら ん だ むwwww」」
「なっ!?」
(あ、やべ。めっちゃ注目されとる。)
「はぁ、もういい、答えは・・」
「「右に曲がる(だ)」」
「「「「えっ!?」」」」
そこからは、グレンの独壇場だった。
「じゃあ最後に、見た奴も居ると思うが、呪文の改変についてだ。アレス。」
「いや、仕事しろよ教師。」
「いや、これは完全にお前の領分だから。」
「はぁー。仕方ない、やるか。」
俺は、重々しい足取りで、前に出て行った。
「宣言しよう!俺は教本に書いてある魔術は一切使えない!!」
「「「「は?」」」」
「要するに、先人が残した魔術は、俺には一切適合してないっていう事だ。」
「また、落ちこぼれか。」
「おいこら、誰だ今落ちこぼれとかいった奴。ん・・まあいいや。自覚はある。」
((((あるのかよ))))
「呪文の改変か・・そうだな。《くそ・リア充・爆ぜろ》」
その詠唱で、威力が落ちた【ショック・ボルト】が発動した。
「「「「!?」」」」
「まあ、こんな感じだな。」
「じゃあこれから、これについて説明してやる。興味ない奴は寝てな!」
(期待しろってこういうことか・・。)
しかし、彼らの知らないところで、計画は進んでいたのであった・・・・。
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徐々にお気に入りが増えてきて、嬉しい限りであります。
次回はタイトルの「塔」について、触れると思います。