「前からこの楽器が気になってたんですよねー」
「……手に入って良かったね」
女性の肩に載せられる程のサイズの楽器を胸に抱えて、落ち着いてはいるが、玩具を得た子供のような雰囲気を醸し出す。
言うまでもなく、ハープの弦を撫でているこの女性はイヅミである。
吟遊詩人という仮の称号を手にした彼女は、早速楽器を購入した。
帝都に及ばずとも、技術者が多くいるドワーフの国だ。炭鉱町でも楽器のウィンドウショッピングが出来るぐらいには品揃えがあったらしい。
「で、一応訊いておくけど、弾けるの?」
「む、バカにしましたか? バカにしましたね? 弾けませんけどバカにしないでくださいっ!」
「やっぱり弾けないんだ」
「にゃあ」
何故かケイに抱えられた猫が、鳴き声をひとつだけあげる。
「キャットにもバカにされた! 私だって練習すれば弾けますからね~!」
どうやらバカにされたらしい。飼い主であるイツミは何故か動物形態のキャットと普通に会話するが、勿論俺たちにはキャットの言っている事が全く理解できない。
演奏の腕に関しては、下手であろうと俺は悪いものだとは思っていない。楽器が下手な吟遊詩人というのも、キャラ付けとして考えれば面白いだろう。
そういうキャラを彼女が気にいるかはともかく。
「ところで、これからどうするんですか?」
「町を観光。と言いたいところなんだけど、軽く回って見た感じ、帝都を先に見ていったせいか、どうもピンと来ないんだよねえ」
「あれ、そうなんですか」
俺も同意見だ。どうしても見劣りすると言うか。
電線の代わりにパイプが張り巡らされている町並みは、今でも新鮮に映るのだが、帝都の方がっていう思いがどうしても出てくる。
少しだけ趣が感じられて、それはそれで良いのかもしれないが。
「だから、依頼拾ってきた」
おお、依頼か。
……まて、なんだって? 依頼?
「待て、ケイ、いつの間に依頼なんか請けてきたんだ」
「キミが玩具で遊んでる間」
「お、玩具……?」
俺は玩具なんて何も……と思っていたが、店頭で商品を色々と弄っていた時の事を思い出す。
確かに、途中で寄った店の中に並んでいた商品を物色していた。個人的な興味が湧いたからだ。
ツマミを回すことで書く太さを変えられるというカラクリペン。
同じような操作だが、3つのツマミにより3原色のインクの混合比を調整できるというペン。
ついには、現代の物と殆ど似たシャーペンすらあった。
銃への出費もあり、今の所鉛筆だけで事足りているから購入しなかったが……。少し惜しい気分だ。
「あー、そんな落ち込まないでよ。玩具呼ばわりしたのは謝るけど」
「落ち込んでないぞ」
別に、そこまで惜しいとは思っていない。
少しだ、ほんの少ししか思っていない。それにあんなものは、現実で安価に買えるだろう。しかも、品質の面で言っても現代と比べて大きく劣っているのだ。
だから、落ち込んでいないぞ。
「落ち込んでるんだ」
「断じて違うッッ」
「ソウヤくんって意外と可愛いんですねえ」
「可愛いワケないだろう?!」
くっ。相手のペースに引きずり込まれている。
一度落ち着いて自分の調子を取り戻さなければ。
「スウウゥゥ……」
……落ち着いた所で、ケイが一枚の紙を取り出す。依頼紙だ。
「それで、依頼の内容なんだけど」
「内容ですか」
「
「線路って、あの線路ですか。でも使われてませんよね」
線路……。
そんなものあっただろうか。時計塔の上から見下ろしていれば見えるかもしれないが……。丁度建物や木々で隠れて見えなかったんだろうか。
しかしスチームパンクな国ならありそうだ。蒸気機関車が走っているのだろうか。いや、疑問にするまでもなくほぼ確定だろう。スチームパンクと言えば蒸気機関車だ。
「そんなものがあったんだな」
「らしいね。ちょっと質問したんだけど、昔の戦争で利用されたから、用途に関係なく使用が禁止されたんだって」
「あー、技術規制って奴でしたっけ」
ああ、その法にも一応名称があったのか。
メチャちゃんくんからある程度は聞いていたが、そんな物も規制されていたとは。
「イヅミは知らなかったんだ」
「ここ最近は情報の仕入れが難しいんですよねえ」
「まあ、キミは事情が事情だからね。私が聞いた分だと、直ぐにでも使用できるよう準備しろって指示されたらしい」
「ふむふむ、最近帝都の方で騒がしいと噂ですからね」
「にーにゃあ」
「ほう、王都と戦争した勢力の残党なんですか。キャットは物知りですねぇ」
……あの鳴き声でどれだけの情報量が凝縮されてるんだ?
動物語を理解しているというレベルじゃないぞ。
「じゃ、行こっか」
「はーい、行ってらっしゃい。私は宿で待ってますね」
「何言ってるの、キミも行くんだよ」
「へっ?!」
当然のようにイヅミを連れて行こうとする様子に、彼女は思わずハープを落としてしまいそうなぐらいの動揺をしてしまう。
「え、でも、なんで??」
「詩の内容、考えないとさ」
「詩……あ。それ考えといけないんですか。うへえ……まあ、そういう事ならやりますけど。……ていうか、準備はしなくて良いんですか?」
「したよ?」
うむ、こちらも戦闘準備万端である。
「す、少しは準備ぐらいしてった方が良いと思いますけど? たしかに、常在戦場かってぐらい何時も武装してますけど」
「最近騒がしいからね」
「う、ううん。そうですよね。……ちょっと心配ですけど、私も私で準備するもの無いですし、このまま行きます……」
ハープはそのまま持っていくようだ。
俺たちはケイが持っていた地図を頼りに、出発地点となる駅に向かうことになった。
「そう言えば、依頼主は誰なんですか?」
「ライガン。ここの鉱山を管理してるトップさん」
「またか」
・
・
・
「ここが駅……というか、荷積みする場所?」
「なるほど、産出した石炭を輸送する目的で機関車が使われているとしたら、こういう施設も当然あるだろうな」
……となると、現行の輸送手段は馬車とかその辺りか? この帝都でも馬車は見かけるし、恐らくそうなのかもしれない。
使われていないという話は本当のようだ。人気は全く無く、手入れも最低限でしか行われていないのか、古びている箇所が見える。
「こっちは……格納庫ですね。あそこに使われてない車両でも入ってるんでしょうね?」
「にゃ?」
「んー、興味はあるけど、覗き込む程じゃないですねえ」
「まあそっちに行く必要は無いね。最後に確認するけど、準備は良い?」
頷く。
イヅミも準備は出来ているだろう。……と思ったら、彼女はおもむろに自らのスカートをめくり始め、その裏地に手を伸ばした。
そこから出てきたのは、小さなナイフ。
「準備おっけーでーす」
「じゃ、行こうか」
……なんて所に武器を隠し持っているんだ、イヅミは。
ケイを先頭に歩いて、町の外周部に近づいていく。モンスターを警戒する必要はなかったから、代わりに線路自体に注意を向けつつ行く。
「如何にも廃線路って感じですねえ。木材が一部腐ってます」
随分前に敷設されたのだろう。金属部を触れてみても、若干錆びていたり傷が入っていたりしている。
このまま線路に沿って歩いていくと、町の外に出ていく。
町の外に草は殆ど見られず、あっても生気の感じられない茶色の草ぐらいだ。あれでも一応枯れていないのだろうか。
荒野での移動は、帝都から炭鉱町へ移動する時に慣れたから、日差しの強さや乾いた空気は気にならなかった。
「うわ……見てよ、踏み潰されてる」
「モンスターか? 数十年も放置してればそういう事もあるかもしれないな……」
足跡としては残っていないが、明らかに重量のある存在に踏みつけられたような跡が、変形という形で残っていた。
もっと進んでみると、レール跨ぐ様な形で根を張った木があった。年月をかけられ、土に埋もれてしまった箇所もあった。
そこまで行くと、最早老朽化という言葉さえ不十分になってくる。
「ニャアア!」
「モンスターが居るらしいです」
「あそこだね」
キャットによる報告を受けて、ケイの誘導によりレールから少し離れる。そこに見えるのは、大きなサソリだ。
安全確保も依頼されている以上、人のサイズぐらいのサソリが近くに居るとなれば、討伐しなければならない。
遠距離からの魔法と弓での先制攻撃を行うが、流石に外殻は固く、そこで耐えられてしまう。
ケイならばぶっ飛ばせるだろうと思っていたが、今回は手加減するようだ。
先制攻撃という敵意を向けられたサソリどもは、俺たちに襲いかかってくる。俺は弓から短剣へと持ち替えた。
……戦闘だ。と身構える俺だが、ふとケイが離れていく事に気づく。
「『貫け』……ほら、一匹だけ残してやったよ」
師匠面をしているつもりなのか、数体だけ仕留めたケイは、わざわざ俺に敵を押し付けるように一歩後ろに立っていた。
しばらくの間、ケイと俺の2人で戦っては、俺が全く貢献できない状況が続いていた。それを気にしているのだろうか。
気にしているというより、俺の実力でも試そうとしているのか。
……まあいいか。
残った敵を見捉えながら、思考を、意識を魔力へと集中させる。表面上では無防備には見えないだろうが、今攻撃されれば大きなダメージを受けるだろう。
だがその様な懸念はとっくに克服している。
「すう……『魔力よ、鋼の肉体を』」
息を吸い、一泊後、身体の中で魔力がじわりと広がるのが感じ取れた。
最近習得したスキル、『魔力感知』と『魔力操作』が助けになっているのだろう。あの日を境に、いい具合に魔法を使うことが出来ている。
戦闘中の使用が現実的になる程度には。
「ふっ!」
盾は無いが、鎧と魔法により守りは万全。サソリが間合いに入った瞬間を見切って、一気に踏み込む。
一歩で距離を大きく縮め、身体と手を伸ばして短剣の刃を振るう。
ケイと比べれば動きは鈍重にも程があるが、俺にとってはこれぐらいが全力。
手応えは確認できなかったが、すぐに身体を後ろへ引き戻す。バチンと目の前でハサミが閉じる。
敵の反撃の一撃に続き、連撃と言わんばかりにサソリが距離を詰める。俺は更に後ろへ退いたが、サソリの機敏な動きですぐに追いつかれる。
明らかに毒を持った相手だから距離を取っているが、接近を恐れては勝負が決まらないか?
「えっと、手伝わないんですか?」
背中から矢を引き出し、左手で投げる。
近距離というのもあり、上手く顔面に刺さる……が、投げただけだから浅い。隙を生み出すことさえ出来なかった。
「彼は強くなろうとしてるし、私が加勢しちゃったらすぐに終わっちゃうでしょ」
「はあ……」
「キミも、戦況が悪化するまで参加しないでね」
しばらく見合った後、カタカタと足を動かしたタイミングを見計らって、右手の短剣に魔力を込めて、サソリの左鋏を目掛け下から上へと斬り上げる。
水を纏った短剣は、水飛沫を散らしながら鋏の根本に刃を入れる。
しかし完全に切断することは出来ず、下からの切り上げだから体重で押すことも出来ないと判断すると、すぐに引き抜いて距離を取る。
直後に、サソリの針が目の前を掠める。判断が遅ければ毒を受けていただろう。
「おい、流石に硬すぎる」
「キミが弱すぎるの。落ち着いて判断出来るのは良いんだけどね」
「む……!」
相手が様子見している隙に助けを求めてみるが、実際に助けてくれそうにはない。
しかし防御力が俺の攻撃力を上回っているのでは、何も出来ない。
このゲームは単純な攻撃力と防御力等で戦闘システムが成り立っているわけじゃないし、むしろ現実的に作られている。
だが、現実的な戦闘システムが採用されていようと、小手先で覆せないステータスの差というのは相変わらず存在する。
虫だから行動が読めないし……。
装甲のある敵には斬撃よりも重量物の打撃のほうが効果がある筈だ。
まあ、ハンマーとかそんなもの持っていないが。
待て、虫? コイツの場合は節足動物と呼ばれるが……。
「!」
サソリの鋏が迫って来て、避ける。反撃にその鋏に向かって短剣を振るう。
その時、サソリの腕の関節が目に入る。
……ああ、そういえばそうだった。
俺は左手でサソリの腕を掴んで、短剣を引き抜くとまた直ぐに関節に突き立てる。外郭の隙間に滑り込ませるように。
【バキッ】
こういうのは大体、関節が弱点だ。なぜこんなことを忘れていたんだろう。
「っしい!」
ある程度刺されば、後はテコの原理でやれる。
節足動物の弱点は、いつもここだ。カニの中身を食す時、まず最初にやるのは足を折り曲げる事だろう。
戦闘を終わらせる方法が閃き、勝利を確信した俺は距離を取ることもせずに攻撃を続ける。
掴みっぱなしだった鋏を投げ捨て、続けてもう一つの腕に掴みかかる。
が、視界の隅で尻尾が動き出す。
「っ!」
躱せるか? 躱せない。
完全に攻勢の体勢だった俺は、体を咄嗟に動かせずに攻撃を受けてしまう。
ダメージを受ける代わりに、短剣を突き立ててちゃっかりと鋏ごと腕を捻じり斬る。
人の大きさをしているだけあって、防具を貫通するだけの攻撃力があった様だ。防御力強化を施していなかったら、より大きなダメージになっていたことだろう。
だが防具を貫いた針が身体に達した以上、この異常状態を受けるのは避けられない。
「毒状態……だな」
効果は、単純な継続ダメージ。体の動作に悪影響はなかったと記憶している。
普通の毒ならだが。
俺の身体に毒が巡ろうと、敵には鋏がない以上、優位に攻撃できる。前に踏み込んで短剣を振りかぶる。
サソリは機敏な動作で大きく回避する。
……いや、回避じゃない。あの蠍は逃げる気だ。
「弓!」
それならばこれで追撃。空振りで地面に突き立てられた短剣をそのままにして、弓へと持ち替えて狙いをつける。
キリキリと引き、そして放つ。
矢は綺麗に当たるが、やはり威力は足りず、次の矢を番える頃には確実に当てられる射程から離れていた。
「あ、逃げていきますね」
「『燃やし尽くせ』。……はい、お疲れ様」
「……」
俺が戦闘態勢を解くと、ケイの魔法によって火柱が発生する。
……あの火力では、数秒には炭となっているだろう。
「んん、あれって手加減してます? 初めて会った時と比べてしょぼいような気がするんですが」
「え? してるに決まってるじゃん。たかがサソリ1匹に最大火力なんて過激だよ」
俺にとっては精一杯の戦いだったんだがな……。
まあ良いか。俺は弓をしまい、短剣を回収する。ついでに解毒のポーションも飲んでおく。
矢は敵に刺さったままだ、矢の回収は望めないだろう。
「どっちかというと、倒す戦いってよりは生き残る戦いだね。遅滞戦闘って奴だ。間合いを保って、牽制で相手に警戒させて時間を稼いでる。私が援護しに行く状況だったら、掴みかかってまで腕をねじり切るなんて事しなかったでしょ?」
「悪いか?」
「これから孤独に冒険するっていうなら、戦い方を変えたほうが良いね」
「そうか」
それじゃあ、この戦闘スタイルのままやっていくとしよう。
・
・
・
俺があの一戦を終えた後、ケイも戦闘に参加する様になり、戦いが毎度直ぐに終わってしまう。
俺はそれで構わないし、戦闘に参加する力量が無ければ、普通にトレーニングすれば良い。
メモ帳に大雑把な距離と、その地点にある問題──例えば、レールに明らかな損傷が見られたり、付近にモンスターが居る等──を記録していたのだが……3kmほど歩いた所で、明らかな異常が発見された。
「……これは、どういうことだ?」
「見ればわかる。線路が無くなってるね」
「いやいや、無くなってるどころじゃありませんよこれ。大きく地形が凹んでいます」
線路が無い。いや、正確には欠けている。数メートル先にはまた線路があり、そこからまた帝都へと続いている。
しかし……この辺りで一体何があった? 地震か?
「にゃあ」
「はい? ……あ、本当ですね。ケイちゃん、ソウヤくん、こっち来てください」
「ん……あー。上に向かって歪んでるね」
イヅミに呼ばれて来てみれば、正にケイが言った様な状態になっていた。
地割れで引き裂かれたわけではなさそうだ。
線路以外で分かるところと言えば……。
地形が半円の筒状に欠けている。それが一直線に伸びており、線路と交差している。
この様になったのは間違いなく敷設後で、直されていない所を見ると、規制が始まった後なのだろう。
「モンスターだろうね。……ずいぶん大きめの」
「幸運な事に、これが出来たのはずっと前みたいですよ。変形した箇所に植物が生えて、地形が馴染んでます」
……メモしておこう。
周辺状況やレールの状態を確認し、事細やかに記す。
簡単な図も描いて、地形変化の形状と、線路との位置関係を分かりやすくしようと思ったが……。
「……むう」
なんだ……これは?
出来上がった……と言うのも憚られるが、俺の鉛筆により描かれたのは、10針ほど縫ったような切り傷の絵である。
「……メモ、終わった?」
「い、いや。……って後ろっ?!」
「えっと、何これ」
背中越しの声驚いた隙を突かれてしまい、ケイにメモ帳を取り上げられる。
「……ホントになんだこれ。ソウヤ、綺麗に描き直してあげるから、消しゴムと鉛筆貸して」
「あ、ああ……」
言われた通りに筆記用具を渡す。俺が描いた、図とも言い難い何かを消すと、周辺とメモ帳を見比べる様に交互に視線をよこしながら描き始める。
その鉛筆捌きは、俺が文章を書く時のと良い勝負だった。
それに見とれていると、ぴた、とケイの手が止まる。
「はい終わり。これが描きたかったんでしょ?」
筆記用具と一緒にメモ帳が返される。
俺が描いた酷いモノがあったところを見ると、ケイが描いた精巧な図に起き変わっていた。
まるでカメラでその風景を撮った……とまでは行かないが、要点を含めしっかりと描かれており……とにかく上手だった。
「ケイ……こんな特技があったのか」
「ふふん、魔法の研究してたら普通に身につくよ。なんでも覚えられるわけじゃ無いから、後から正確に思い出せるように絵や図表を駆使するの。研究に限らず、必要な技能だよ」
「すごいな……俺は一体何を対価として──」
「えー、何々? ……すごっ! すっごい綺麗!」
「にゃ」
イツミに続いてキャットまでやってきて、俺の言葉が中断される。
「対価がなんだって?」
「……なんでもない。また絵や図を描くことになったら頼む」
「はいよー」
この大魔法使いは、魔法や剣だけでなく、絵すらも極めているらしい。
地味だが、素晴らしい。心ばかりの敬意を送る。
「しかし、これほどの……。ドラゴンに匹敵するような大きさのミミズでも居るのかな」
「変形部分を調査すれば分かりそうですねえ。寄り道がてら調べちゃいます?」
「……いや、今はいい。一度指定されたポイントまで掃除してから、帰還する。そこで追加報酬をゴネて、成功したら追加で調査するよ。無駄な事して原因のモンスターと鉢合わせる可能性を考えたら、こうした方が損がない」
理に適っているが、がめつい奴だ。
俺とイヅミ、ついでにキャットが賛成したのを確認し、俺たちは再び依頼の遂行を再開した。
一日で7000強の文字を書き上げる快挙。
このシリーズの初期もそんな感じだったんだが……。