うーん、「ラブライブ」側ではあり得ない状況ですね。つーか、戦闘描写難しい!
グダグダになっていますが、どうかよろしくお願いします。残酷な描写もやや注意です。
「マミのやつおっせーなー…」
ソファの上で寝転がり、持っているリンゴをポーンポーンと繰り返し上げる。正直、今は暇だ。
「どーこで油売ってんだか…」
上げるのを止め、そのままリンゴに被りつく。
あたしの名前は
(マミに怒られるからな…)
口の中でリンゴの甘みが広がる。ちゃんと金で買った食いもんが美味いと感じられたのはつい最近の出来事だ。
今日もバイトを一通りこなし、マミの帰りをソファの上から待っている。最近、友達ができたと浮かれてたからなぁ。今日は仲良くそのお友達とホームパーティってかぁ?
「ったく、あたしらは魔法少女だっつーの…」
テレパシーを入れてみたが音信不通。とにかく今は待つしかない。時計の針は7を指そうとしていた。秒針の音だけが辺りに響く。
「ただいまー…」
そんな中、扉を開けた音とマミの声が新たに響き渡った。ようやく帰って来やがったか…。
「おっせーよ、マミ。今日も魔獣刈りに行くって約束したろ」
「ごめんなさい、佐倉さん…」
「ったく、お友達にうつつ抜かしてんじゃねーよ」
「うん…」
あたしは上体を起き上がらせて文句を言う。マミは何処か憔悴仕切った顔だった。そのまま目の前にあるガラステーブルの上で突っ伏する。
「お、おい。どうしたんだよ…」
「うん…」
「「うん」だけじゃ分からねえよ。何があったんだよ」
星空って奴かと聞くとマミの身体がピクっと動いた。ははーん、これはお友達と喧嘩したお流れだな。
「何があったか話してみ。相談には乗るからさ」
「……分かった」
日常生活でソウルジェムを濁らせるなんて堪ったもんじゃない。そういうのはさっさと吐き出させちゃえばいい。
魔法少女っていうのはそういう面倒な生き物なのさ。
「……ってことなの」
「なるほどねー」
事情を聞き終わり、食い終わったリンゴをゴミ箱の方へと投げる。ゴミ箱から軽快な音が響いた。
「本人の事情も知らず「可愛い」発言連呼で泣かせちゃったと」
「うん。本人は可愛くないって言い張るから思わず…」
「傷つけたんじゃないかって?」
「……うん」
「なーんか真剣に聞いたあたしがアホらし」
「ちょ、ちょっと佐倉さんっ!」
マミは怒ったように起き上げる。そんなマミに対し、あたしは欠伸で返す。何であたしがマミの後押し的なことしなきゃならないんだか。
「悪いと思ってんだったら明日辺りでも謝ればいいじゃん。それで解決だろ?」
「簡単に言って! そんな雰囲気じゃなかったのよ! 凛さん、涙が止まらないって泣いちゃって…」
「それに可愛いって言われたら普通喜ぶもんだろ。嬉し泣きの間違いだったんじゃねえのか?」
「そ、それは……えっと…」
「はあぁ~…」
マミでも分からないらしい。可愛いだの可愛くないだの、何か付き合い始めたカップルの喧嘩内容を聞かされてる気分。まあ、マミは友達とかにあまり縁がなかったからこうなるのも当然ちゃ当然か。あたしはよいしょと立ち上がる。
「天下のマミさまがそんなちっちゃなことで悩んでじゃねーよ。あんたいつもティロ・フィナーレで敵をぶっとばしてきたろ。友達なんてそんな感じで付き合えちゃえばいいんだよ。当たって砕けろだ」
「佐倉さん…」
「あーあ、これじゃ連携も取れそうにないなー。足手まといになりそうだし、今日はあたし一人で行ってくるわー」
留守番よろしくーって口ずさみながら玄関の方まで向かう。……ああ、そうだ。まだ言いたいことがあったんだっけ。
「後さ。もしマミがスクールアイドルとやら始めるんだったらさ、あたしは応援するよ。魔法少女だからっていちいち変なこと考えんなよ」
「え? で、でも…」
「あんたは充分頑張ってきたさ。たまには自分のやりたいことを思い切ってやってみても罰は当たらねえよ。んじゃっ、行ってくっかー」
それだけ言うとあたしは玄関へ―――
「さ、佐倉さん!」
「んあ?」
「その…ありがとう」
「ふ、ふん」
らしくねーこと言っちまったな、あたしも…。
紅く光り輝くソウルジェムを片手に、あたしは慣れたように外へ飛び出していった…。
「これで五体目っと!」
秋葉原の夜空を魔法少女の姿で疾走する。多く立ち並ぶビルの上には
あれがキュゥべえの言うところの魔法少女の敵、
「っ! 六体目!」
手の平から放たれるビームをかわし、自慢の槍で魔獣の懐に刺し込む。魔獣は砂のように消滅していった。
同時にそこから吐き出しされた″キューブ″を手に取り、胸元に位置するソウルジェムに当てる。浄化だ。これをしないと魔法少女は魔法も使えないし、戦えない。
「ふぅー…」
「それにしても意外だったね。まさかキミがマミの娯楽行為に賛成だなんて」
あたしの肩に乗っているキュゥべえが呟く。使い済みのキューブをその口へと突っ込む。
「別に。魔法少女なんだから、それくらいしてもお釣りが出るんじゃないかって思っただけさ。まあ、魔法少女とはジャンルが逆でちょっとビックリしたけどな」
「きゅっぷい。表舞台で脚光を浴びるのがアイドル。そうだね、脚光も浴びず影で戦い続けるのが魔法少女だ。マミはもしかしたら表舞台に出るのかもしれないね」
「あたしは一人でも平気さ! 魔獣なんていくら増えてもただのザコなんだから! それよりほむらの方は?」
「あちらも概ね問題ないよ。近々キミたちの様子を見に行くとも言っている」
げっ、マジかよ。あいつって頭固いからなー。マミがアイドルなんて言い始めたらどんな反応するのやら。まあ、良い顔しないことだけは想像つく。
見滝原に残ったもう一人の仲間は良くも悪くもキッパリしている所がある。あたしはため息を吐いた。
「それよりさ、キュゥべえ。ホントにこの千代田区間にいんのか? お前の言っていた"未確認生命体"とやら…」
「……」
去年の冬頃のことだった。キュゥべえが見滝原から千代田区に移住してくれないかと頼んできたのは…。
何でも千代田区周辺に魔獣とは違う未確認生命体を感知したのこと。その調査も兼ねてあたしたちにお願いしてきたのだ。魔獣との戦いに飽き飽きしていた所、この未知なる存在の情報はあたしたちにとっても非常に興味深かった。結果、その年に受験を控えていたマミは急遽第一志望を音ノ木坂学院に変更し、無事合格。卒業と同時にあたしと共にこの千代田区内に越してきたのだ。どっちも親がいなければできなかったことである。
「これじゃ見滝原の生活と何ら変わんねえよ。これまで一度も未確認野郎に遭わないし」
「そうだったんだけど予想外なことが起きた。どうやらここ在住の魔法少女がキミたちよりも先に倒してしまっているらしい」
「は、はあ!? キュゥべえ、前はここには魔法少女はいないとか何とか抜かしてたぞ!」
「急に出て来られたんだ。僕だって予想外だよ。しかも、僕はこの町で契約した覚えがない」
「はぁ……あんのなぁ、そう言うことは気づいた時点であたしかマミに伝えろよ」
「キミたちからは何も聞かれなかったからね」
思わず舌打ちを打つ。コイツはたまにこういうとこがある。一応味方なはずだが、何故か味方な気がしない。一体何を企んでるのやら…。
にしても、あたしたちより先に…か。あたしたちが遅れを取ってるみたいで何か納得いかねーなー…。
「けっ! 要はソイツよりも先に見つけ出せばいいって話だろっ!」
ただ、今は目の前のことに集中だ。ビルの向こう側へと飛び移り、そのままそこにいる魔獣を上段切りする。
「次!」
キューブを回収したと同時に次のビルに移り、別の魔獣と対峙する。着地と同時にビームを放ってきたが、槍を回転させそれを弾く。すぐさま次のビーム放ってくるが、今度は拡散型で広範囲。それを必要最低限の動きでかわしつつ、そのまま前方へ大きくバク転。魔獣の後ろを取った。
「後ろがガラ空きだぜ、お客様♪ ……じゃねーよ」
顔を赤らめながらキューブを拾う。こんなのマミに見られたらなんて言われるか…。
「いっそのことキミのバイトことをマミに―――」
「言うなっ!! 次行くぞっ!!」
恥ずかしいのをひた隠しながら次のビルへと飛び移る…。
「さて、コイツでラストだな」
ビルの上へ着地し、この日最後の魔獣と相対する。屋上の真ん中には大きく○の中にHの文字が描かれていた。ヘリポートってとこだろう。奴は虚無の目をあたしに向ける。
「さぁー、覚悟は良いかい?」
槍を一回転させた後、そのまま構える。今日もいつもように魔獣刈りが終わる、とこの時までは思っていた。
【グオがアあアあアアアぁァッ!!!】
そう思い込んでいた…。
「っ!?」
突然の咆哮の後だった。魔獣の首元に何者かの牙が突き立てられていたのは…。
意気揚々と突っ込もうとしていたあたしの体もピタリと止まる。
「な、何だよ…」
そのまま何者かは魔獣を噛み砕き、砂へと喫した。その砂の先から見えてきたのは妖しく光る二つの
【グるアアあアァッ!!】
「っ!」
不意打ちに近かった。あたしと目が合うと同時、その者はこちらに向かって突進してきたのだ。あたしは身を
「な……何なんだよ、コイツ…」
突撃したソイツは距離を取り、警戒しているのかあたしの周りをゆっくりと回り始める。あたしも槍を構え直す。コイツの動きはまるで何処かの肉食動物を彷彿させてるみたいだった。
「こんな黒い動物なんて見たことねーよ…」
四足歩行で動物っぽいっていうのは間違いない。ただ、その色は全身焼き焦げたかのように真っ黒だった。しかも、身体はまるでルービックキューブを無数に張っつけただけのただただ角張った形。前方の顔らしきものの周りには黒い花びらが花咲くようにして広がっている。さながらライオンの
あたしが知ってる魔獣とは姿形その全てが異なっていた…。
「キュゥべえ、もしかしてコイツが…」
「おそらく、未確認生命体の一種なんだろうね。キミたちの持っているソウルジェムと近い力を感じるよ」
「それって…どういう…」
「! 杏子、下を!」
「し、下?」
指摘されて初めて下に目を向ける。この場所はコンクートなはず。なのに何故か草が生い茂ってきていて、しかも、それが徐々に上へと伸びてきていた。
「ど、どうなってるんだよ、これ…!?」
慌てて槍で薙ぎ払うが、雑草はあたしの意に反して尚も伸び続ける。そして、それは最終的に黒い獣を完全に隠すまで至った。そこはもう屋上のヘリポートではなく、雄大な大自然、普通の動物でも住めそうなジャングルだった。上空に至っては夜空だったものが晴天に変わっている。
「こ、これは、幻覚か何かか!? あたしを一体どうしようってんだよっ!」
「……なるほどね。これはあの獣の結界の中さ。幻覚じゃない。そもそも二人して同じ光景を見るなんてありえないよ」
「け、結界…?」
「つまり、獣のテリトリーの中だってことだよ。杏子、足で下を突っついてごらん」
「? こうか?」
言われるがままに突っついてみる。コンクリートの硬い感触ではなく、地面を足で突いたかのような柔らかい感触が生れた。
「なっ!? コンクリートじゃ、ねーのか…!?」
「これが奴らの能力さ。どうやら、草が生い茂った時点でボクたちは奴の結界の中にいたってことだね」
「……けっ、なるほどなぁ。確かにあの爪じゃコンクリートの上で動くにも無理がある。時間帯も夜よりは朝の方がいい」
「こちらからは確認できないし、
「あたしはまだ餌になるつもりはねーぞ! でか、今は悠長に話してる場合じゃないだろ!」
その間、黒い獣は草原の中への移動を始める。ガサガサ、草を掻き分ける音が無造作に響く。気配を感知してみるが、周りのものに気配を遮断されいまいち感知しきれない。緊張の汗が一筋―――
【グルアああァッ!!】
「っ!」
前方から突撃した来た所、その鉤爪を槍で弾く。奴はそのまま草へと身を潜める。
「ふぅー……でも、このくらいのスピードならあたしでも―――」
【グるあアアァッ!!】
「っ!!」
第二段の攻撃は第一段よりも速かった。それでも何とかして鉤爪を弾く。
「っ! っ!!」
ただ、第三段はそれよりももっと速かった。そして、第四段も………ていうか、コイツ!
【ぐガあアアアァッ!!】
「っ! どんどん速くなってねーかあ!?」
あたしが抵抗する度にドンドン速度を要しているように思えた。気づけば、あたしが本気で槍を振り回さないと鉤爪に追いつけないような事態だった。
防戦一方。今のあたしの状況を一言で言い表せばそれだ。
「くそっ、とにかく空中で体制を―――」
【グるアアあァッ!!】
「ちいぃっ!!」ギィン
どうやらそれすらもさせてもらえそうになかった。槍を
「せめてっ、雑草さえっ、どうにかなればなっ!」
「それならこの一帯を焼き払えばいいんじゃないのかい? まあ、リスクは高いけどね」
「! そうかっ!」
キュゥべえの言葉によって活路を見出した。鉤爪を弾いた後、槍を回転させ柄の先端を地面へと突き立てる。
「はあああああっ!!」
そして、自身の魔力を地面へと送り込み拡散させる。それは命を燃やす感覚にも近かった。自分の身体が焼け焦げそうな感覚に陥る。ソウルジェムも多分真っ黒に近い…。
「はー…はー……二度とこんなことしたくねー…」
「でも、成功しようだね」
草原は一瞬にして燃え上がり、火の海へと喫する。黒い獣の場所もあぶり出された。これでかくれんぼはできねえなぁ…。
【グるガあアアァっ!!】
「けっ、血迷ったか…」
息を整え、槍を構える。確かに奴は速い。それでも目で追えない速さじゃない。邪魔だったものは取り除けた。障害物はない。故に今のあたしは相手が仮にライオンまがいな奴でも―――
【グオがアアあアあアァァッ!!】
「はあああああああっ!!」
―――負けない。
焼け野原の上には膝を突く赤髪の魔法少女と、そばで横たわる黒い獣の姿があった…。
「はぁー……はぁー…」
戦い自体はそこまで長くなかったのかもしれない。だが、その短い時間であたしはずいぶんと追い込まれてしまっていた。こんなにボロボロなのはいつぶりのことなんやら…。
槍を杖代わりに使い、ゆっくりと立ち上がる。あたしの身体はコイツに引っ掻けられた傷跡でいっぱいだ。身体もまだ熱い。
「お見事だよ、杏子。まさか"ボクが"無傷で生還するとは思わなかった」
「おめー、火あぶりの刑にしてやろーかぁ…」
終始あたしの肩の上で戦況を観察していたキュゥべえ。ここでようやく飛び降り、黒い獣の元へ。あたしも側まで近づいた。
「ふむ。どうやらまだ息はあるようだね、杏子」
「はぁー……分かったよ」
「マミに協力を得ようかい?」
「良い。もう決着だ…」
あたしももう限界だ。早めに決着をつけたい。あたしはその近くまで行き、矛先を奴の眉間近くに向けた。黒い獣は紫色の眼をあたしに見据える。
「あばよ。おめーとの戦い、悪くなかったぜ…」
それだけ言うと、あたしは槍を突き―――
ガキィン!!
「なっ!」
【ぐるルルる…】
ここに来てまさかの抵抗だった。突き出した槍はそのまま奴の眉間には収まらず、その牙によってキッチリと止められてしまった。あたしは憤りを覚える。
「てめっ……往生際がわりーぞっ!!」
【ぐるルルるゥ…】
この事態には流石のあたしも焦っていた。そのまま押し込んではいるが、なかなか前に押し出せない。いや、それどころか徐々にあたしの方が押されて…!
「杏子! このままだとキミが―――」
「うっせーな! 今やってんだよっ!」
キュゥべえに吠えながらその手に力を込める。だが、体力と魔力の限界もあってかなかなか力が入らない。押し問答なだけだった。
【ぐルラあァ…】
「くっそお! コイツの生への執着心はなんなんだよ…!」
膝が地面に付く。形成はもうとっくに逆転されかけていた。今のあたしは生身の状態に近い。いつ押し倒されてもおかしくない。キューブによる浄化もできそうになかった…。
【グルあアアああァッ…】
「ぐううぅ…」
雄叫びもどんどん大きくなる。自分の腕もガタガタと震え出す。正直分かりたくもなかった。でも、今の自分の状況がそう確信してしまった。
「はぁっ……先に浄化しときゃ良かったな。それかマミに助けか…」
最後の最後、詰めを誤ったあたしのミスだ。ホントに呆気ない。まあ、魔法少女なんてそんなもんか…。
諦めに近いため息が込み上げる。力も抜けてきた。執念を見せるコイツにもう為す術ない。……ここまでだ。
(わりーな、マミ。ほむらも。そして……さやか…)
あたしは、その時が来るのを覚悟して待った。―――そんな時だった。
【ぎャアあアン!!】
「!?」
突如として黒い獣はあたしから離れたのだ。痛みに悶えた声を上げ、その場に
「一体…何が…」
その背中には白色に光る何かが三本ほど刺さってる。見た目、刃物ようなものだった。マミじゃない。そもそもマミはこういう武器を使わない。
じゃあ……誰が…?
「杏子、あそこに人が…!」
「!!」
焼け残った樹木の幹の下、その張本人と思われる人物がそこにいた。
顔を隠すかのように黒いパーカー…いや、フードだろうか。それをすっぽりと被り、下は白のホットパンツを履いている。女性…だろうか。やや小柄で胸があり、肌もテカって見える。表情はフードと前髪の白い髪に隠されて見えない。一見、一般人の様相にも見えた。魔法少女の衣装とは違う。
【グルるルルゥ…】
「ハッ! お、おい、お前! あたしのことが良いから早く逃げろっ!」
既に立ち上がったのか黒い獣は低い唸り声を上げ、あたしからそのフード女へと標準を移す。だが、彼女はこの未知なる獣に対し、悲鳴の声も動揺の仕草も一切見せず、ただそこへ立ちつくしていた。あたしはソイツに向かって怒鳴る。
「逃げろっ! お前、食われんぞっ!!」
【グラがアアあアアァ!!】
「くそっ!!」
黒い獣はフード女に向かって走り出した。あたしはすぐさまソウルジェムを浄化し、槍を多節棍状へ形態させ、その動きを止めようとする。しかし、それは無情にもジャンプしてかわされ、そしてそのまま―――
「っ! チクショウ!」
【ガルるアあぁ…】
「…っ」
その左肩にかぶりついた。焼け野原の上、彼女の血が無造作に飛び散り、黒いフードが赤黒く染まる。黒い獣は彼女を逃がさまいと
「ま、待ってろっ! 今―――」
「終わ、り」
バッシュ!!
「!!」
それは、本当に一瞬の出来事だった。フード女の右手が黒い獣に懐に伸びた瞬間、奴はまるで風船のように身体を膨らませたのだ。その表面にはトゲのようなものがいくつか突き出している。さながら肥り過ぎたハリネズミのようだった。
何が……起きたんだ? もちろんあたしも理解が追いついてない…。
【が………g………ァ……?】
理解できないのは黒い獣も同じだったのかもしれない。その身体は次第に煙となって消えていく。同時に結界とやらも消え、場所は元のヘリポートへと戻っていた。辺りを見渡してみる。
「倒した…のか?」
「そのようだね。彼女の力によって…ね」
あたしはフード女を睨みつける。あんなの人ができる芸当じゃない。しかも、あたしが苦戦した相手を一撃でだ。あり得ない。
やっぱり、コイツは―――
「佐倉、杏子」
彼女はあたしに向かって何かを投げ付けてきた。あたしは反射的にキャッチする。卵型でソウルジェムによく似ているがそれよりはやや小さく、黒くて無機質なものだった。上部のエンブレムにはひし形の形が飾り付けられている。
「これは…?」
「"グリーフシード"。浄化、できる…」
「お、おい!」
それだけ言い残すと、フード女はヘリポートの屋上から飛び降りていった。未だに流し続ける血を止めることもなく…。
「あいつ……何であたしの名前を…」
「……」
疑問だけが残る一日となった。しかし、黒い未確認生命体、そして、その結界、グリーフシード……黒いフードの魔法少女。
この街にはやはり何かある。いや、そう考えざるを得なかった。星が広がる夜空の下、あたしはグリーフシードとやらを握りしめていた…。
はい、今回は杏子ちゃんで始まり、杏子ちゃんで終わりました。地味にキュゥべえの立ち回りも難しい。さっさと杏子から離れろ、役立たずめw
つか、コレ、「まどマギ」全部を見ないと分からない内容じゃなかろうか。キューブ(名前がなかったもので)とか勝手に名前付けちゃってるしw
さて、いろいろ突っ込みたい所もあると思いますが、魔獣とは別に未確認生命体が千代田区内を徘徊しているようです。グリーフシードの名前から想像できるとは思いますが、実はこの正体は…………です。まだ言えませんよ。まど神様はどうしちゃったんでしょうね?
後、黒フードの女ですが、一体ダレちんでしょうなー? ←すっとぼけ
しかし、これでまだ「ラブライブ!」の1話冒頭辺りだとはちょっと信じられません。2期まで行くのに一体何話使うのやらw
まあ、そんな感じではありますが次回も頑張っていきます!