あの事件から二年がたった。
カカシ七歳。俺も七歳。
カカシは去年中忍に、
俺もあの事件で目立ちすぎたのか、速攻で下忍にされた。
今は策敵要員としてサポートに回っている。
戦闘回数は少ないものの、人は何度も殺した。
最初は一週間何も食べられ無かったが、今はもう慣れた。
人間の適応能力はとてつもないと改めて思い知らされた。
それはさておき、
ついに起きた。サクモさんの事件が。
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~カカシside~
任務帰り、歩いていると人だかりが出来ていた。
聞こえる尋常じゃない程の罵声の数々、
それに気付き俺は罵声を浴びせられている人を見た。
「父さん!」
俺は考えるより先に体が動いていた。
父さんはリンチされていた。
任務で負った傷があってもすぐに制圧できたであろうその集団の攻撃を
避けず、ただただ受けていた。
白い髪は自身の血で真っ赤に染まり、
手足の骨は折られ、血も吐いている。
この糞集団、頭がイカれてる。
こいつら俺たち忍に“守って貰ってる”っていう自覚が無い。
しかも相手は父さん。木の葉の現状最高戦力。
こいつらは馬鹿だ。父さんが敵国に対しての抑止力にもなっているのにそれをこうも徹底的に潰すとは。
この光景を他の隠れ里のスパイが見ていたら満面の笑みでこう報告するだろう。
「木の葉は自分達の最高戦力を自ら潰した」と
この糞共から父さんを離し、
最低限の応急処置をしすぐに病院に運ぼうとする。
そこにジンが来た。
「サクモさん!大丈夫か!?」
血まみれで横たわる父さんを見て叫ぶ。
「カカシ!サクモさんに対してのあの態度は危ない!病院は危ないかもしれない!」
「じゃあどこに連れて行けばいいって言うんだ!」
「三代目の所だ!!!」
「わかった!」
俺は父さんを背負い、三代目の所に急いだ。
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~三代目side~
溜まっていた書類を片付け、茶を入れていたところ。
バン!
ドアが勢い良く開かれた。
「三代目!!!」
目に映るのは重症のサクモを背負ったカカシだった。
「一体何事じゃ!!」
「三代目!父さんが!」
「ワシが治療しよう!」
サクモの傷は見た目よりひどかった。
手足は骨折し肉から飛び出し、肋骨は折れて肺に刺さり、
肝臓は半分潰れ、頭蓋骨は陥没していた。
「これはひどい…」
「肝臓は半分摘出するしかないか…だがサクモ、おぬしの命はワシが助けてやる!!!」
その後、はたけサクモ、木の葉の白い牙の死亡という情報が忍界中を駆け巡った。
シリアス回。
主人公が空気()