相川が初戦を突破したように他のアリーナでも順当に試合が進んでいく。
相川たちが試合を行ったのは第一アリーナでありIS学園には4つアリーナが有るため1アリーナで2ブロックの試合を行う事になる。
そのため、試合の進行によってはティナ達は応援にいけないと言う事も発生してくる。
現在ティナは第一アリーナのピットで谷本のアドバイザーとして第一アリーナのピットで谷本を支援している。彼女は現在Bブロックの初戦を戦っているのだがそれをモニターで見ているティナは
「うーん、ちょっと動きが硬いわ…初戦からだけどタイムアウトを申請する必要がありそうね」
そう言いながら彼女はピットのパソコンを使いアリーナにサインを出す
この大会では1試合に付き一回だけタイムアウトの使用が認められており予選リーグでは3分、決勝トーナメントでは5分間戦っている選手はピットに戻る事が許される。
そしてタイムアウトが受理され暫くすると打鉄を纏った谷本がピットに戻ってくる。
すると谷本は大きく息を吐くと
「はぁ…私全然だなぁ…」
「ダメというより動きが硬いように思えるけど…谷本さんらしくないと言うか」
「うーん…どうしよう…はぁ」
彼女がそう言ったためティナは思い切ったアドバイスを谷本にする
「そうね…私たちはまだ一年生だし来年があるわけだから今年は初戦で負けてもいいんじゃないかしら?でもここで大事なのは結果よりも内容。勝ち負けじゃなくて負けたけどここはよかった的な物を見つけて今後につなげればいいと思うわ。緊張してるとは思うけど全力で行けば良いのよ。」
そうティナは言う。つまり負けてもいいからベストを尽くせと彼女は谷本に伝えたかったのだ。
生死がかかった魔術師同士の戦いではこんな事言えないがこの戦いはスポーツであり学校行事なのだから勝ち負けよりも自分がやってきたことをどれぐらい発揮できるかと言う事を知るいい機会であるとティナは思っているのだ。特に試合に参加している生徒たちはこの試合の結果を真摯に受け止め今後に生かせるかどうかが重要なのではないかと彼女は考えているのだ。
するとそれを聞いた谷本は
「確かにまだ一年生だし負けても来年が有るよね…成る程何事も前向きにポジティブにって事ね!!」
「そう言う事」
彼女らがそう言い終わる所でタイムアウト終了のブザーが鳴る
そして谷本は勢いよくピットを飛び出していく。
そしてティナはモニター越しで谷本を応援する。タイムアウトを行う前と比べると彼女の動きが変わり始め今まで避けられなかった攻撃を避け、当たらなかった射撃が徐々に当たり始めるようになり徐々にではあるが対戦相手を追い詰めていく。このままいけば彼女の逆転勝ちもあり得るそう思っていたのだが、そうはいかなかった。タイムアウトを行う前のダメージが大きかったのと対戦相手が彼女の反撃を耐え抜き、攻撃を与えたことにより谷本の機体のエネルギーが尽きてしまう。
試合終了後、谷本はピットに戻ってくると
「あーぁ負けちゃった…でも後半は結構良かったと思うんだけど、どう?」
「なかなか良かったと思うわ。あと少しって所だったのに…」
ティナが先の試合の感想をそう告げた所で谷本が彼女に
「そう言えばさここ以外の他のアリーナの試合の結果って分かる」
「ちょっと待ってて…」
彼女はそう言いながらパソコンを使い試合結果を確認していく
「他のアリーナだと場所によっては二回戦始まってる所もあるんだね」
「そうね…鷹月さん、初戦は勝ったみたいだけど2回戦で負けちゃったみたいね」
谷本の言葉にティナがそう言いかえす。鷹月の場合初戦はギリギリ勝利することが出来たのだが二回戦は昨年ベスト4のイギリス代表候補生サラ・ウェルキンであったため彼女は惨敗したのだ。
そうしながらも彼女たちは他の試合の結果も確認していく
「今のところ番狂わせは無し…か。このブロックもこの後二組の凰さんの試合もあるけど間違いなく勝つし…期待するならブロックの決勝でかなぁ?」
谷本はそう言う。他のブロックでも専用機持ちは勿論昨年上位進出者や夜竹なども順当に勝ち進んでおりここまでの評価としては順当に皆が勝ち上がって来ていると言った所である。
彼女たちはパソコンで結果を確認した後、ピットを後にする。谷本の出番は終わったため後は他の生徒の応援と言う形になるため彼女は観客席に向かおうとするとその途中、廊下で珍しい組み合わせと出会う。
「そっちは試合の進行早いわね。もう二回戦の中盤でしょ?」
「うん…こっちのアリーナ専用機の子も多いからその関係で」
そう話しているのは片方はティナのクラスメイトの鈴、もう片方は水色の髪が特徴的な眼鏡を掛けた女子生徒である。
彼女たちが雑談していると鈴がこちらに気が付いたのかティナ達に
「お疲れ。惜しかったわね」
そう言い谷本たちを労う。
するとティナが彼女に
「もう少しで試合なのにこんな所に居てもいいの?」
「大丈夫よ試合には遅刻しないようにいくから…そう言えば紹介してなかったわね。一年四組のクラス代表で日本の代表候補生の更識簪よ」
「よろしく…」
鈴が彼女たちの簪を紹介する。実のところティナは入学した時に一夏の専用機の事を調べた時に簪の事も知っているがこうして会うのは初めてである。
彼女たちは簪に挨拶する。
ちなみに鈴と簪が知り合った背景には訓練機で参加する候補生同士と言う事で何度か顔を合わせており鈴の性格もあり次第に打ち解け、普通に会話できる仲になったのだ。
そして簪も事情があるとはいえ専用機で参加する生徒、特に箒に対しあまりいい印象を持っておらずこの辺でも鈴と意見が合っていたりする。ちなみに簪の場合、専用機は本音の協力もある程度のゴールが見えてきたのだがとても試合に投入するレベルではない事も訓練機で参加したと言う背景もある
彼女は一時期、日本の国家代表である咲夜に稽古をつけて貰っていたため訓練機の操縦が下手と言う事は無い
すると簪は谷本に
「さっきの試合序盤のダメージをもう少し抑えられたら、多分貴方の勝ちだったと思う。でもすごくいい試合だった…」
先の試合をそう評価する。すると谷本は照れ臭そうに笑みを浮かべる
彼女としても現役の候補生に評価されるのはうれしいのであろう。
そしてティナと鈴はと言うと
「どう、この後試合だけどもちろん勝つわよね?」
「何その変なプレッシャー…まぁやる以上は優勝を目指すわよ。とはいえ私は訓練機。油断せずに行くわ。」
「そっ、この会話が初戦敗退フラグにならないことを祈るわ」
「だっ大丈夫よ…多分。今のところ特に異変なく進んでるし今回こそは事件無く平和な行事になるわよ」
「今まで行事をやれば必ず事件が発生するこの学園って何なのかしらね…?」
「今回は魔の初戦を乗り切ったわけだし大丈夫よ!!」
そんな他愛のない会話を繰り広げていた
ちなみにこの後、鈴は難なく初戦を突破したのである。
この作品の簪の候補生たちの評価としては
専用機で参加する候補生→事情があるから一概に悪いと言えないけど…微妙な感じ日頃の噂もあるし
鈴→無断で訓練機で参加する度胸は尊敬できる。私には無理
箒→姉のコネで最新鋭の専用機手に入れてそれで堂々と参加とか恥ずかしくないの?
こんな感じですね。
咲夜の評価は作中にて