IS~科学と魔術と… 番外編   作:ラッファ

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第15話

夜竹はここが最後のチャンスだと言う事を理解しているからこそこの一撃にすべてを掛けた

 

「(距離に…入った!!)」

 

そして彼女は大剣を振りかぶり攻撃のモーションに入る

この攻撃が当たれば夜竹の勝ちである。右側からはレーザーが迫ってきているがそんなものは関係ない、どちらにしろこの攻撃が外れれば夜竹の負けなのだ。

そして彼女は大剣を振り下ろす。

 

「(勝った…!!)」

 

だからこそ彼女は勝ちを確信する。

しかし現実は非常であった。刃が届くその寸前でセシリアの放ったレーザーが夜竹の右のわき腹に直撃したのだ

 

そして彼女は吹き飛ばされ、機体のエネルギーがゼロになる

直後、アリーナは大声援に包まれた

 

「決まったぁ!!手に汗握る大接戦、勝利を手にしたのはイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットだ!!しかし対戦相手の夜竹さんも代表候補生相手によく頑張りました」

 

天野のその声とほぼ同じタイミングで第4アリーナは大きな拍手に包まれている

そして当の夜竹たちはと言うと

 

「あーぁ、負けちゃった…勝ったと思ったんだけどなぁ」

 

「いい勝負でしたわ。夜竹さん」

 

「どうも。明日の決勝トーナメント頑張ってね」

 

彼女たちはそう言いながら握手を交わすのであった

そうしているとアリーナのスピーカーから再び天野の声が聞こえてくる

 

「さぁDブロックの代表も決まりました。残すはCブロックだけですね。Aブロックの代表は一年一組の相川さん、Bブロックは二組の凰さん、Dブロックはオルコットさんとここまで全員が一年生と言う事になっておりCブロックの決勝戦も注目されていますが…Cブロックの速報を見る限りフォルテさん相当厳しい戦いを強いられているようですね。それでは結果が分かり次第連絡したいと思いまーす」

 

彼女がそう言い終わると夜竹はセシリアに

 

「そう言えば専用機持ちは集まって練習してたみたいだけど、どうなの篠ノ之さんは?」

 

「実力だけなら一番下なのですが、機体のスペックが高すぎるので…訓練機では相当厳しいのではないでしょうか?」

 

「そうなの?」

 

「えぇ、何せ機体の能力が凶悪すぎます。私の機体のように一つの分野に特化しているのではなく射撃、格闘、両方の武装もありますし機動力もあります。さすが第4世代と言った所でしょうか…とりあえずアリーナを出た方がよろしいと思いましてよ」

 

「そうだね。それじゃぁ」

 

彼女たちはそう言いながらピットに向かうのであった

 

 

 

 

 

 

そして噂のCブロック代表決定戦

箒対フォルテの試合は時間がたつにすれフォルテは徐々に追い込まれていった

 

序盤の大技を無傷と言う形で防がれたフォルテはすぐさま小技に切り替え反撃に移るが紅椿の機動力もあり致命傷を打ち込めず、大鎌をしまい射撃武器で攻撃しても二つの刀剣を巧みに使い防御される

そして時間が経過するにつれ射撃武器の弾は底を突き、タイムアウトも使用したため一息つく事も出来ない。

このような状況になりフォルテは内心

 

「(マズイッスね…初手以降こっちから大してダメージを与えられていない。当たっても致命傷にはならないッス…射撃武器は全部弾切れ…休憩も無理。こりゃ本格的に負けを覚悟しなきゃいけないッスね)」

 

そう思う。彼女自身、自分から諦めると言う事を嫌うのだが、こうも性能差を思い知らされては戦う気すら無くなってくる。

とは言えこのまま負けると言う事を彼女は選ばない。その理由としては上級生の数少ない専用機持ちであると言う事もあるのであろう。

そして彼女は一呼吸置くと大鎌を構え

 

「まだ勝負はついてないッス!!行くッスよ後輩!!」

 

そう言い放つと箒へと向かっていく

彼女はそれを正面から迎え撃つ

 

そして二本の刀剣と大鎌による打ち合いが始まる

 

箒は二本の刀剣を器用に使い迫ってくる刃を逸らし一撃を入れようとするがそうはいかない

フォルテは強く打ちこみ、箒の反撃に合わせ刃を刀剣の刃に打ち付けることで箒の反撃を防ぐ。

一見すると単純なように見えるフォルテは大鎌を縦横無尽に振り回しその動き一つ一つに一切の無駄が無いため経験で劣る箒は徐々にだが押され始めて来ていた。

この攻撃により、箒の防御にも隙が生じフォルテはそれを逃さず攻撃を入れていくため徐々にではあるが紅椿にダメージが入って来ていた

ちりも積もれば山となる、諺にもあるその言葉道理フォルテは大きなダメージを狙うのではなく鎌を使った連携攻撃で箒を倒そうと考えたのだ

 

そこで箒は一度後退しフォルテから距離を取る

空裂を振りエネルギー刃をフォルテへと放とうとしていたのだが、その瞬間紅椿のモニターにある一文が表示される

 

「(稼働時間が一定に達したため新たな武装の習得…名は石割{いしわり}か)」

 

彼女は石割と呼ばれる新たな武装をすぐさま呼び出す。形状は太刀であり形としては一夏や千冬が使用していた雪片よりも一回り大きいのが特徴である。

それを見ていたフォルテは

 

「(この状況で新たな武器の使用!?いったいどれだけの武装が有るんスか!!)」

 

そう思ってしまうのも無理はない

この秘密は紅椿にもともと組み込まれていた無段階移行(シームレス・シフト)システムと言うものが大きく関係しているのだ

このシステムは経験を積み重ねることで武装を生み出すほかにも機体の性能が大幅に強化されてしまうシステムであるのだ

そして箒と紅椿はこの大会に向け専用機持ちたちと特訓を重ねるほかにも大会で多くの経験を積み、さらには決勝になりフォルテは訓練機でありながら第4世代機の紅椿と善戦したことで多くの経験と稼働時間を彼女と彼女の機体に与えてしまったのだ

 

そして箒は新たな武装である石割を使いフォルテの大鎌を迎え撃つ

するとその瞬間フォルテの大鎌は石割によって砕け散ってしまう

 

「そんな…!?」

 

「これで終わりです!!」

 

そう言うと箒は石割をしまい雨月を構えフォルテに一撃を叩き込む

彼女にその一撃を防ぐ術など無く、地面に打ち付けられる

機体のエネルギーは辛うじて残ったが全ての武器を失ったフォルテに戦うすべは無く、リタイアすることを箒とピットに伝える

 

 

こうしてCブロックはフォルテのリタイアと言う形で幕を閉じたのであった

 

 

 

 

試合後両選手は握手を交わしピットへと戻るのだが、フォルテはピットに入るとすぐに椅子に座り

 

「武器を失えば勝てる戦いも勝てないッスよね…それにしてもどうしてあんなギリギリまで武器を使わなかったんスかね…動きを見るに力を温存って言う風にも見えないし…」

 

そう呟いているとそこにこの試合でアドバイザーを務めた薫子が彼女に近寄りタオルと飲み物を渡すと彼女は受け取る。

するとアナウンスが流れ代表決定戦前半の結果が放送され、30分後に後半戦が始まると言う事を告げるのであった




技術ではフォルテが圧倒的に上、しかし箒は機体性能に助けられ勝利を手にしました
夜竹対セシリアは専用機補正が大きいですね。セシリアが訓練機で出ていたら勝敗は分かりませんね


更新遅れてすいません。インフルにかかってしまい暫く更新できませんでした
いよいよ4月ですね
代表決定戦も終わりが見えて来たので本編の更新ももう少ししたら再開しようと思います

後半戦も結構省略すると思いますがよろしくお願いします
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