IS~科学と魔術と… 番外編   作:ラッファ

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第17話

Fブロックでは試合開始のアナウンスと共に状況は直ぐに動いた

 

「では…行きます」

 

サラがそう言うと手に持っていたロングソードをラウラめがけ放つ

真っ直ぐ放たれたそれは彼女に当たる事は無い

 

「こんな攻撃!!」

 

そう言いながら彼女が手を正面に向けると剣は突然動きを止める

その正体は彼女の機体に搭載された機能のAICである

 

これはISに備わっているPICを応用し作られたものであり、対象を取るものであれば武器や機体など様々な物を停止させることの出来る能力である。

彼女はこれを有効に使い以前はセシリアと鈴を圧倒し現在でも専用機持ちの順位でトップを争うほどだ。

サラの攻撃を止め、ラウラが反撃を行うかのように見えたがそうはいかなかった

 

「その行動、読めていましたよ」

 

サラがそう言うや否やイグニッション・ブーストを使用しラウラに迫る

しかもそのタイミングと言うのはロングソードが止まった直後であり初見のAICに驚くそぶりすら見せない

さらに驚くことに更はイグニッション・ブーストを使用する際に本来であればエネルギーを取り込み放出するその技術を取り込むような動作を見せずに行ったのだ

専用機のような特殊な機体であればありえたかもしれないがサラは訓練機でこれを行ったのだからラウラの驚きは相当な物であろう

 

「エネルギーをチャージしないイグニッション・ブーストだと!?」

 

「正確には違いますけど…ねっ!!」

 

「クッ…」

 

ラウラは驚きつつも停止させる対象を放たれた武器からサラへと変更する

武器は一度動きを止めた事で勢いを失いそのまま落下する。しかし今度はサラを対象にしたのだ。

動きさえ止まってしまえば右肩に装着されたレールカノンを使い集中砲火が可能なのだ

 

しかしラウラの相手は同級生ではなく、上級生で代表候補生なのだ

サラはAICが自分に対し発動するかすかな時差を逃さずに左腰に装着されたロングソードを抜くと同時にラウラに対し攻撃を入れる

勿論ラウラに防御する術は無く攻撃が直撃し後ろに吹き飛ばされる

 

サラが行ったものは抜刀術と呼ばれるものであり、本来ならば日本刀で行うものなのであるが彼女はそれを西洋剣であるロングソードで行ったのだ

イギリス生まれの彼女がなぜこのような抜刀術を知っているかと言うと彼女は適性が低いと言う事で専用機が与えられなかったことをプラスにとらえ西洋だけでなく東洋の剣術も学び取り入れることに多くの時間をかけたのだ。

だからこそイギリス生まれの彼女が抜刀術を応用し使えるのである

 

そしてそんな彼女が後ろに吹き飛んだことでラウラに生じた隙を逃すほど甘くなどない

 

彼女はラウラに接近するが今度は最初の接近と違いある程度距離を詰めた所でイグニッション・ブースとを使用する

それに対しラウラはAICによる防御が意味をなさないと判断したため彼女の加速が終わったのを確認するといったんAICを使い動きを止め彼女の動きを止める

しかし今回は攻撃せず、後退しながらAICを解除しレールカノンとワイヤーブレードを使用し彼女に次の加速を行わせないようにする

 

「良い攻撃です…流石は軍人対応が早い。しかしまだまだです!!」

 

サラはラウラを素直に評価すると右腰に装着されたロングブレードも抜き両手にロングソードを持ち俗にいう二刀流の形になる

すると彼女は接近する砲弾やワイヤーブレードを避け、時には切断しながらラウラに向かっていく

この時ラウラが行えることは二つ、素直にAICを使い動きを止めるか近接用の武装であるプラズマ手刀を用いて近接戦を挑むか…彼女は直ぐに回答を導き出す

 

「(近接戦を挑む…!!恐らく次のAICの発動を読んでいるはずだ、それを利用すれば)」

 

その根拠は今までの行動からサラならば次に自分が何を行うのかを読んでいるはず

ならばそれを利用し自分から近接戦を挑めば彼女は対応が遅れるはずだと予想する

 

それもあながち間違ってはいないのであろう

故に彼女がプラズマ手刀を展開した時接近してきたサラは一瞬だが驚いた表情を見せたのだ

だからこそラウラは読みが当たったと判断するが、それは間違っていたのであろう

サラは確かに驚いていた。

それは攻撃に対し驚いていたのではない、驚く理由はもう一つ。

 

それは、ここまでのラウラの動きが自分の読み道理で会った事に対して驚いていたのだ

だからこそ彼女はラウラのプラズマ手刀に対し何のためらいもなく攻撃を行う

 

手刀とロングブレード

二つの武器が打ち合い自分にダメージが入っていく中、ラウラはようやく自分の今までの行動が彼女に読まれていた事を理解する

 

「まさか、読んでいた…そもそもここまでの流れがすべてあなたの想定内と言う事か!!」

 

「えぇ、多少驚きはしましたがそれでも予想の範囲内です。」

 

彼女がそう言い終わるのと同時に攻撃が今まで以上に激しくなる

AICを使おうにもこれだけの打ち合いでは集中できずに発動できない。

そんな彼女にサラの攻撃を防ぐすべなどなく機体のエネルギーはあっという間にゼロになる

 

そしてアリーナにサラの勝利を告げるアナウンスが鳴り響く

 

その後両者は機体から降りて握手を交わす

するとラウラが彼女に

 

「勉強になりました。」

 

「そうですか。まぁあなたもこの学園に来て最初はいろいろあったみたいですが今ではだいぶ馴染めたようですね」

 

「えぇ…まぁ」

 

「貴方としては内心油断が有ったのでしょう。上級生とは言え訓練機に対して自分は専用機負けるはずがないと、そう思っていたのでしょう」

 

「そんな事は…」

 

「いいのですよ、そう思っても。思想の自由です。別に咎めません、とはいえ今回の敗北をどう捕え今後にどう生かすか。それが重要な事だと私は思います」

 

 

サラはそう言い放つと機体を再び装着しアリーナを後にするのであった

 

 

 

 

そして他のブロックはと言うと

 

「まだまだ改善の余地あり…」

 

そう言っていたのは日本の代表候補生の更識簪

彼女もまたブロックの代表決定戦に出場し勝利したのだが結果はギリギリあと少しで負けると言う状況での勝利であった

そのような背景には彼女は薙刀オンリーで戦ったからでありその理由としては自身の課題である近接戦の改善と言う目標で参加していたからだ

予選と言う事もあり今までは薙刀オンリーであったが決勝トーナメントでは厳しい戦いになると言う事は彼女自身が一番よく理解していた

他の武器も一応レンタルしておりその使用を簪は本格的に考えていた

 

「(とはいえ何を使おう…登録したのはパイルバンカーとライフルあとはマシンガンを数個…薙刀との相性を考えると…うーん)」

 

そんな事を考えつつ廊下で一人考え込むのであった




簪の戦闘描写は決勝トーナメントで行います
サラの描写で力を使っちゃいました…サラの描写も微妙な方ですけど…
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