時刻は午前10時20分
第一試合がおよそ一時間ほどで終わり、20分のインターバルをはさみ次の試合が始まる
今から行われるのは生徒会長決定戦の準決勝。しかも残っている選手はサラを除き全員が専用機持ちという実力者同士の試合なのだ
そして第一アリーナでは箒対簪、第二アリーナではサラ対鈴の試合と言う風になっている。
両方のアリーナでは両者が向かい合い戦闘態勢に入っている
その中で天野の声がアリーナと観客席に響き渡る
「さぁさぁさぁ、生徒会長決定戦もいよいよ準決勝!!ここまで残った4人の選手に今一度大きな拍手を!!」
彼女の声と共にアリーナのあちこちで歓声が上がる
特に彼女たちの所属しているクラスの盛り上がりは尋常ではない…とはいえ一組では箒の応援は少なく他の選手の応援が多いのはここだけの話だ
「それでは選手をご紹介…まずは第一アリーナ。第一試合は一年生同士の対決、候補生ではないがブロックの決勝ではフォルテさんを撃破しそのまま波に乗っている一年一組篠ノ之箒 そして片や日本の代表候補生にして四組のクラス代表、更識簪」
「そして第二アリーナ。超攻撃的な戦闘スタイルが売りで並み居る強敵を粉砕してきた中国代表候補生、一年二組クラス代表、凰鈴音 対するは昨年度ベスト4にして今大会の優勝候補、その戦闘スタイルは一部では騎士とも呼ばれるイギリス代表候補生 二年三組サラ・ウェルキン」
選手紹介が終わるが第一アリーナでは両者無言である
一方その紹介を聞いていたサラはと言うと
「(騎士…ですか。私には過ぎた称号ですね…)凰さんよろしくお願いします」
「よろしくお願いします(専用機を持たないけど、ラウラやシャルロットを倒している以上油断は禁物か…)」
そして試合開始のアナウンスが流れ一斉に試合が始まる
最初に動きが有ったのは第一アリーナだ
箒は今までと同様に一度距離を取り相手の出方をうかがう。一方の簪は相川戦でも使用したジャミングボムを合計4つ空中めがけて投げると今度は薙刀ではなく銃を呼び出し自分でその容器を破壊する。すると上空でボムが破裂し大量の粉が雪のようにゆっくりと降ってくる。振り方に偏りはなく、アリーナ全体にバランスよく降り注ぐ。
箒も機体のセンサーに異常が生じ始め、初めてジャミングが行われた事に気が付く
簪の狙いはセンサーのジャミングのほかに、ビットも潰したのだ。これだけ激しいジャミングならば安易にビットを使おうものなら制御を乱され自分で自分のビットの当たると言う可能性も十分にあり得るのだ
すると箒は
「ジャミングとは卑怯な手を…!!」
「卑怯?…そんなことは無い。それに最新式を使うあなたの方が十分卑怯…」
簪のその言葉が箒の気に障ったのか、彼女は簪に接近する。センサーはジャミングされたが視界に入れば何の問題もない。箒はそう考える
しかし簪にとってそれは読めていたのか薙刀を呼び出すと彼女の攻撃を受け止める
しのぎ合いの状況になると簪は箒に
「私は…負けない…あなたをこのまま勝ち上がらせないためにも私は勝つ」
「どういう意味だ?」
「貴方は生徒会長にふさわしくない…少なくとも博士のコネで専用機を得た貴方にその資格は無い」
「くっ…そう言う貴様とてコネを使ったのではないのか!!」
「違う!!」
簪は珍しく大声でそれを否定すると一気に箒を後ろに押す。そして簪は一度下がり薙刀を収納、マシンガンを呼び出し箒に攻撃を放つ
センサーが仕えないため簪は目視で攻撃を放っているため攻撃は何時もより当たらない
そしてアリーナの放送席ではというと
「これは硬直状態ですかね?」
天野がそう問う。この場に居るのは天野のほかにダリルとフォルテ、そして虚であるするとフォルテが
「若干簪ちゃんが有利ッスね。ジャミングも見た感じあと30分は続きそうッス」
「やっぱジャミングの影響は大きいですね。この短期間でよくあそこまで仕上げた事に驚きです」
虚は彼女の使う武器に対し高評価をする
するとダリルが
「相手は一般生徒だからな。経験なら簪ちゃんの方が上だろ…心配なのは相手がどれだけ隠し玉を持っているかだ。フォルテの時みたいに土壇場で使われたら厳しいだろうな」
彼女が話している間にも試合は徐々に動き始める
箒がジャミングに対応できずに戸惑っている間に、簪は近接戦で箒のシールドエネルギーを徐々に削っていく
すると箒は
「こうなったら…!!」
そう言うと彼女は二本の刀をしまい新たな太刀を呼び出す
この武器はフォルテ戦で生み出された石割だ
「(あの武器は…)」
簪は彼女の武器を見てすぐに警戒態勢に入る。生で見てはいないがあれでフォルテの武器を破壊したと言う事は聞いている
簪としてはあの武器の正体を探る必要がある。だからこそあえて簪は石割と真っ向勝負を挑む
「石割の前では無力!!」
箒と簪、石割と薙刀がぶつかり合うが結果は案の定、薙刀が簡単に砕け散る
それでも簪は動じない。
なぜなら武器が砕け散った直後に新たな薙刀を呼び出したのだ
「予備を持っていたのか!!」
「この位の準備はする…(それにしても今の砕け方は何!?)」
簪は内心あの武器に不信感を覚える。
武器を破壊した太刀と言う事は聞いていた為、彼女は当初あの武器は強度が相当な物であり、フォルテ戦は力で押し切ったもしくは太刀が振動しチェーンソーのように武器を砕くものかと思っていたが、一瞬のぶつかり合いでその二つが違うと言う事に気づかされる
強度が有るなら筋力が無い自分に何らかのダメージが有るはずだし、振動なら体にもそれが伝わるはずだがそのような物が一切ない。
例えるなら泡がはじける。それぐらい簡単に武器が砕け散ったのだ
この事から簪は一つの予想を立てる
「(あの武器…こちらの武器を強制的にデリートしてることになる。私の機体に影響がない所を見るとデリートできるのは武器だけ。アレは武器自体にそんなシステムが内蔵されている…そうとしか思えない…)」
そう考える。それはいわば”とある都市”にいる少年の右腕のようなものだ。あちらは仕組みが分かっていないが、ISは機械。様々なプログラムが組み込まれている。そして紅椿が開発者のお手製ならば”武器を消去するようなシステム”を搭載していたところで何もおかしくは無い
「(でも対策もある…刃に触れなきゃ武器は消されない。なら方法はいくらでもある!!)」
簪はまだ諦めていない。むしろ勝機さえ見出そうとしている
準決勝第一試合。まだ決着はつかない