生徒会長決定戦はサラの優勝が決まったことで残すは閉会式と生徒会役員の任命式のみであるのだが優勝者、サラ・ウェルキンは生徒会役員を決めていないと言う前代未聞の状況にあっていた
今は彼女と簪が更衣室で話し合っているのだ
閉会式は17時から。現在の時刻は16時。つまりあと一時間で役員を決めなければいけないのだ
生徒会に最低限必要な人数は副会長一人、書記二名、必要に応じて会計も二名まで選出することが出来る
ちなみに、役員の学年は1.2年生で占めるのが規則である
するとサラは
「候補は決まったので今から声を掛けようと思います。それと、貴方も書記として役員入りですので。」
「初耳ですよ!?」
更識簪、問答無用で役員入り確定
と言う状況に簪は一息吐くと
「いやいや…簡単に決め過ぎですよウェルキン先輩。もっと慎重に…」
簪がそう言うとサラは真剣に
「私はいたって真面目です。貴方は自分の力を過小評価しすぎている。候補生とは言え訓練機で決勝まで来たのです、しかも専用機や上級生を撃破して。もっと自分に自信を持っていいのですよ それだけ頑張った人を私は否定しません」
「そう…ですか」
簪は少しばかり照れる。彼女は今まで姉と比較され、両親意外に褒められたことのなかった彼女が初めて他人から褒められたのだ。うれしくないはずが無い。
さらに彼女は
「後は虚先輩の妹さんも入れましょう…前生徒会経験者が居るのは心強いですし。副会長で良いですよね?」
「本音が…副会長…?」
簪はその光景を想像する
のほほんとした彼女がサラの右腕となり活動し、時には代理を務めるその姿を簪は想像…できなかった。
だからこそ簪は彼女に
「本音は私と同じ書記が良いと思います。会長、副会長の二人は上級生で固めた方が威厳ありますよ…」
「そうですね。副会長は…あの人にしましょう。と言う訳で私はこれから声を掛けに行ってきます。新書記二名は職員室に行っててください」
「分りました」
こうしてサラと簪は分かれる
その後サラは副会長候補に声を掛けに行く。
その人物は
「えっ、副会長ッスか?」
「ええ。二年生の専用機持ちである貴方に声をかけたのですが…お願いできますか?」
「そりゃぁオッケーッス!!」
「ならお願いしますね」
副会長は二年フォルテ・サファイアに決定。ちなみに彼女の学力は中の上、趣味は音楽鑑賞と昼寝である。
そして会計候補。ここに関しては一年生を入れようと彼女は考えていた。
理由としてはサラたちが卒業した後、生徒会経験者が二人だけではどうにも味気ないと思っていたからだ
「(一年生は…彼女達に声を掛けますか)」
そう思い彼女が向かった先は学食。
運よく候補が二人ともいた。まずは一人目
「見つけましたよ。凰鈴音さん」
「何か用ですか?」
「一つ聞きますが貴方計算は得意ですか?」
「計算?まぁ得意っちゃ得意ですけど…二次関数とか確率が入るとちょっと…」
「成る程、ちなみに生徒会に興味が有ったりします」
「生徒会?まぁこの大会に参加した以上、興味はあったわね。」
彼女の答えを聞いた瞬間、サラは勝利を確信したような笑みを浮かべると彼女に手を差し出し
「ではあなたを生徒会の会計として任命します」
「へっ…ええっ!?私が生徒会ですか」
そう言われた鈴は驚く。いきなり役員に任命されて驚くなと言う方が無理な話である
すると鈴は
「そりゃぁ嬉しいですけど、何で私に?」
「直感です」
「はぁ…」
実力はあるにしろ役員を直感で決めるサラに鈴は不安を覚えつつもこの提案を受け入れた
人の誘いを断るほど鈴は冷たくは無い。と同時に生徒会と言うものを彼女は一度でいいからやってみたかったと言うのが本音である。
そしてもう一人の3組の田中を指名した。理由としては訓練機持ちかつ生徒会役員が選出されていないクラスの実力者と言うのを考慮した形だ。
今年の生徒会役員は二年生が2名、一年生4名と非常に若い構成となるのであった
場所は変わりアリーナの管制室
関係者以外立ち入り禁止のこの場所は非常に重い空気に包まれていた
原因は明確、咲夜の無断戦闘である
咲夜は千冬の視線を受け流しているが空気は張りつめたままである。この場に居るのは彼女たちのほかに真耶だけで残りは退出している。
真耶はこうなる事を予測し、別の教員に生徒会役員任命式と閉会式の運営を依頼していたりする。
すると千冬が口を開く
「近江、有事の際の避難を無視しただけではなく国家代表である貴様が条約を破る事がどういう事か分かっているのか?」
「分かってるでー。でもウチがあの時IS展開しなきゃ大会中止で混乱延長やで。準備に5分かかる言う事はそっちだって奇襲予測できてなかったんやろ?それとも後手で処理するつもりやったんか?まぁ無人機の襲撃予測しろって言うのも難しい話やけどな…”これが初めてなら”」
彼女の言う事は的を得ている。いくら訓練機とは言え準備に5分もかかると言う事はIS学園側は奇襲を予測していなかった、もしくは奇襲に対し迎撃するだけで咲夜のように自分から仕掛ける体制が出来ていなかったことになる
生徒会長決定戦とは言え、すべての訓練機を貸し出しているわけではない。有事の時のために教員用の予備の訓練機は持っていて当然なのだ。
「どういう事だ?」
千冬は彼女に尋ねると咲夜は
「別に。なんか今年に入って母校の行事の中止が多くて政府に聞いたら曖昧な答えやし、どういう訳か第4世代とか言うチートISが登場して何となく可笑しいと思ってた…それだけや。根拠はあらへん」
すると真耶は千冬に変わり
「とりあえず…今回の件に関しては学園の方で上手く(誤魔化して)報告しておきますね。もしかしたら事情聴取が有るかもしれませんが…その時は…」
「まぁそれは仕方ないやろ。」
彼女はそう言うと管制室を後にする
その後を真耶は見送りと言う事で着いて行く
そうして二人は廊下を歩いていくのだが、その途中咲夜は
「スマンな山やん、閉会式欠席させてもうて」
「事後処理は私たちの役目なので仕方が無いですよ。」
その後二人は他愛もない話をしながら校門まで歩き、その後は迎えの車が来たことを確認し咲夜は自分の母校を去るのであった
こうしてIS学園、生徒会長決定戦は表向きは何もなく、裏向きでは国家代表と教師の最高責任者の間に明確な壁がある事を改めて確認させられるのであった
レポートがひと段落したので息抜きがてら生徒会長決定戦編を終了させました
試験とレポートがまだ残ってるので更新は8月の第2週あたりから本格的に再開させようと思っています
次からは本編の更新です