簪は生徒会の会議終了後本音と共に整備室に籠っていた
目的は自身の専用機である打鉄弐式の完成を目指すためだ
とは言え今回は簪と本音の二人だけではない
新聞部で整備課の2年生エースである黛薫子や本音の姉虚も参加している
その他にも簪のクラスメイトで整備課志望の生徒数名や本音の友人もいる
本来なら彼女自身で作り上げたかったが、先の襲撃で何もできず危うく命を落としかけたと言う事もあり一人で作り上げるという本来の目的を諦め、本音、そして自身の人脈で腕を保証できる生徒を集めたのだ
「更識さーん、ここの出力はどうするの?もう少し上げる…?」
「…上げるとエネルギーを多く消費するからそのままかな」
「オッケー」
簪はクラスメイトとそんなやり取りを行う
彼女は口数も少なく基本的に一人でいることが多いが別に人とコミュニケーションンが取れないと言う事や性格が悪いと言った黒い部分は無いため協力を頼めば誰でも快く受けてくれるのだ
すると薫子が
「この調子だと予想よりも早く仕上がるね。」
彼女の言うとおり作業の進行度は当初の予定より大幅に進んでいた
と言うのも集まったメンバーは学園の中でも整備に関しては指折りの実力を持つ生徒であり作業が大幅に進むというのもあるが、それ以上に生徒会長決定戦で彼女が機体に何を求めているのかと言う事を事前に知れたというのも一つである
「…本当にありがとうございます、私の我儘を聞いてくれて…」
簪が改めて例を言うと薫子は
「気にしない、気にしない。それにお礼を言うのは機体がちゃんと動いてからにしなさいな」
その後は再び作業を行うのであった
一方、某所では少女がコンピュータの画面をじっと眺めていた
そこに映し出されているのは新型の駆動鎧(パワードスーツ)にも見える。
大きさは人体と同じくらいである
色は水色を基調としており、さらに機体の周囲にはナノマシンで構成された水も常時展開される予定である
「(今までと比べてスピードとパワーが段違い。燃費もいい。問題は新しく搭載された特殊装備をどれだけ私が使いこなせるか…か)」
そうして彼女はその詳細を見ていると後ろから少年の声がする
「機体の予習か…勉強熱心だな」
「ある程度のスペックは把握しておかないとね。」
「そうか」
「お仕事は終わったの?」
「あぁ無事にな」
「そう…」
彼女はそういうと一息つき椅子を後ろに向けると
少年と向き合う
「それで何の用?仕事の報告なら明日にでも報告書を見ればわかるだけなのに」
「何、俺は近いうちにここを留守にする可能性が出てきてな」
「お出かけの報告?…何よニヤニヤして」
仕事の報告だけなら書類を見るだけで終わりこうしてわざわざメンバーが車ででもないため少女は不振に思う
そして、少年は留守にすると言う事を言った際に何か悪いことを閃いたかのように顔をニヤつかせている。この笑みは確実に何か企んでいると少女は予感する
すると少年は
「織斑一夏」
「…ッ」
「伝言ぐらいなら受けてやるにゃー」
「急にその口調にするの止めてくれない!?別にいいわよ伝言なんて。と言うかなんでその名前が出てくるわけ。あなたティナちゃんの味方じゃないの」
「別にー、ただ略奪愛とか三角関係って燃えるからにゃー。最近だとハーレム物が人気みたいだけど俺的にはハーレムよりもドロドロした方が好きだにゃー。と言うかハーレムは見てるとイラつくけど後者は見てて飽きないからにゃー」
少年は嘘や裏切りを得意としている面がありこの手の話題は得意中の得意である
そもそもこの口調の時は今の話自体が嘘である可能性も否定できない
「とにかく伝言はいらないわ。」
「じゃぁ失礼するにゃー」
そういうと少年は部屋を後にするのだった
そして少女はため息を一つはくと
「全く、今の雑談で変に疲れたじゃない…」
そう言い少女はコンピュータの画面に再び目を通す
機体名はミステリアス・レイディ2ndである
名前を付けたのは少女自身である
これまた普通すぎると周囲から突っ込みを受けたのはここだけの話である
この機体が彼女の手に渡るのはもう少し際である
いまさらですが、新年あけましておめでとうございます
更新速度が遅いですが、今年もよろしくお願いします。
字数はかなり少なめです
本当に補足と言った感じですね…これを文と呼べるのでしょうか?
次回は本編、いよいよテッラ編に突入です