IS~科学と魔術と… 番外編   作:ラッファ

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第38話

セシリアたちが退却したのとほぼ同時刻、倉庫では咲夜とエムが戦闘を行っていた。序盤はエムが優勢であったが咲夜の防御術の前にエムの機体のエネルギー、そして彼女自身の体力が徐々に削られていき、動きが鈍った隙を見て鈴と簪が攻撃を加えていくためエムは徐々に追い詰められていた

 

「(クソッ…この私が…)」

 

エムは内心焦っていた。国家代表の防御とそばにいる二人の候補生が行う波状攻撃に対応が出来なくなってきたのだ

そもそもこの機体は遠距離がメインの機体であり近接戦闘を行うにしても限りがある

そう考えていると彼女の機体に通信が入る

 

「あれれ~エム負けそうじゃね?負ける、負けちゃいます?」

 

声の主は女性ではなく男性、その声には幼さもある

そしてその声の主にエムは直ぐに気が付く

 

「クスグか…どこで見ているかは分からんが今は貴様の冗談に付き合っている余裕はないぞ。」

 

「いやいや俺としてはね、エムが負けそうになってるからさ、どうしてもって言うなら助けてあげても良いかなー、って思う訳よ」

 

その声のトーンから心配するというより何かよからぬことを考えていると言う事をエムは容易に想像がつく

笑い話にされるか、パシリにされる等々やられそうな事はいくらでも思い浮かぶ

彼女にとってみれば敵に敗北し捕まること以上にクスグにこれ以上ナメられることの方が屈辱であるようだ

 

「必要ない、黙って見ていろ」

 

「あーらら振られちゃった。まぁ負けたら骨くらい拾ってやるぜ」

 

そう言うとクスグは一方的に通信を切る

そしてエムは一旦距離を取る

すると咲夜が

 

「降参するなら今の内やで、あんたに勝ち目はない」

 

「私にも負けられない理由がある。」

 

昔のエムにとっての理由は力の証明と織斑千冬への復讐、そして織斑マドカとして認められる事であったが今は違う

先の理由がなくなったかと言われればウソになるが薄らいできている

学園での立ち振る舞いや今時点での立ち位置を見聞きし少なくとも自分が過大評価していたのではないかとすら思い、小さな事とさえ思えてくる

そんな考えを持つようになったのは彼女としても認めたくはないがクスグ達との出会いだろう

今の彼女にとって力を求める理由は簡単である

ただ単に負けたくない。その理由である

織斑千冬にも国家代表にも、そして亡国メンバーであるのスコールの下に見られる事すら彼女にとっては不満でしかない

最強となり、しがらみにも他者にもとらわれず自由になる事、その手段として力が必要なのである

 

そうすると彼女の機体が突然光りだす

それを見ていた咲夜達は

 

「セカンド・シフトやな!!」

 

「戦闘中にセカンド・シフト!?」

 

「臨海学校の時と同じって訳ね」

 

その光景に驚く中エムの心に声が響く

 

『力を求めるか?』

 

「あぁ」

 

『何のために』

 

「力を証明し自由になるために」

 

『わかりました…ならそれを自分の手で証明するのです。織斑マドカ』

 

「当然だ」

 

響いてきた声にエムが答え終わると光が収まり新たな機体を纏ったエムがそこにはいた

元々青かった機体が黒と紫を基調とした色合いに変わり武装もライフルから大型のバスターソードへと変貌する

機体のデザインも以前の機械的な風貌から蝶を思わせるデザインへと変貌している

武装の追加ではなく機体そのものが遠距離型から近距離型へと姿を変える形になったセカンド・シフトなど聞いたことも無いし見たことも無い

これが世界初のケースとなるだろう

 

それを見た咲夜は

 

「へぇ…随分とカッコいいデザインになったなぁ感激やで」

 

「さて、第二ラウンドと行こうか。」

 

「望むところや。鈴ちゃん、簪ちゃん。二人は下がっとき」

 

そう言うとエムと咲夜は再び激突するのであった

 

 

 

 

 




就職前最後の更新になるかもしれないです
4月からは更新の速度がかなり遅れる可能性も…

これが最後の更新とならないようにはしたいです
どうしてもヤバくなったら活動報告にて何らかの連絡は行います


次の更新がいつになるかわかりませんが次回もよろしくお願いします
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