9月23日 午前8時30分
今日はいよいよ生徒会長決定戦当日である。
そのせいもあるのか朝から生徒たちのテンションは高く、参加する生徒のモチベーションの高さがうかがえる。
そして現在はIS学園のアリーナにて開会式が開かれている。
「生徒会長決定戦に当たり前年度準優勝者のダリル・ケイシーさんによる優勝旗返還です」
そう生徒会役員の虚が言う。
本来ならこれは優勝者である楯無が行うのであるが彼女が不在となったため準優勝者のダリルが代わりに行う事となったのだ。
彼女は生徒会役員の虚に優勝旗を返還すると会場からは拍手が上がる。
その後は教員からこの試合の主なルール説明が行われ、開会式は終わりを告げるはずだったのだが、最後に生徒会顧問の真耶がマイクを借りると全校生徒に
「えっと…テステス、あっ、マイク入ってますね、はい。この生徒会長決定戦で優勝した生徒には優勝賞品として粗品を渡すほかにもう一つ豪華特典が有ります。参加者の皆さんは自分のベストを尽くし、頑張ってください」
彼女の一言により開会式は終わりを告げるのであった。
開会式後は、トーナメントの最終調整が有るためいったん生徒たちは解散となり試合のアナウンスが有るまでは各自待機との指示が出されるのであった
。
そして現在、アリーナの管制室では教員が集まり最後の打ち合わせを行っていた
「分かっているとは思うが、今までの事を考え襲撃が行われた際には速やかに大会を中止し生徒たちの非難を最優先に行うように」
そう言ったのは教員たちの最高責任者でもある織斑千冬。彼女は今までの行事で襲撃が確実に行われている事から今回も襲撃に備え万全の態勢に入るようこの場に居る教員に告げる。
運営は生徒会主体なのだが、このような警備等に関しては教員の力が必要不可欠なのだ。そして顧問と最高責任者がともに一組の教員と言う事もあり今回のトーナメントでは今までよりスムーズに話し合いが進んだとか。
そしてこの場に居るのは教員たちだけではない
「襲撃された場合はうちも参戦してええよな。織斑センセ?」
「許可できんな。貴様はOGとは言えあくまでも来賓扱いだ。有事の際には避難してもらう」
「はいよ(…まぁどうしてもダメなら静止振り切って参戦すればいいだけやしな。相変わらず頭硬いのこの元国家代表は。だから一年生は歴代最低言われてるのちゃうん?と言うかこの人絶対に教師に向いてないやろ…)」
「何か失礼な事を考えなかったか?」
「なにも考えてませんよー」
千冬とそんなやり取りを行っているのは現国家代表の近江咲夜である。
普通の生徒が千冬にこんな事を思ってしまえば容赦なく制裁が加えられるが、国家代表である彼女だからこそ多少大目に見ているのだ。この場にもしも一夏がいたなら素直に彼女を尊敬していたであろう。
彼女たちの不穏な空気を感じた真耶は慌てながら
「まぁまぁ二人とも落ち着いてください。有事の際は管制室に連絡を入れますのでここに人がいないと言う事だけは無いようにお願いします」
彼女はそう告げる。そしてその後は避難経路の確認や避難場所の確認等を行っているとあっという間にトーナメントの開始時刻が近くなったためそれぞれの持ち場に付く。
時刻は午前9時25分
試合開始がまで残り5分を切っており学園全体が慌ただしくなっている。
そしてアリーナの放送室では放送委員長の天野瑞希、新聞部副部長の黛薫子、前回準優勝者のダリルの3人が椅子に座りその時を待っていた。すると天野が紙を見ながら
「やっぱり優勝は専用機持ちの子たちになっちゃうのかなー?新聞部がやった優勝予想者アンケートでも専用機持ちが断トツだし…」
彼女はそう言い放つ。開始直前に生徒たちを対象とした優勝予想者アンケートでは上位を専用機で出場する一年生が占めていたのだ。その後に前年度好成績を収めた二年生、そして訓練機で出場する鈴と簪、一年の訓練機3強と順位が続く
すると黛が
「まぁ学校行事で専用機使う時点でこうなるのは目に見えてるけどね…フォルテちゃんやサラちゃんを筆頭とした力のある二年生の子たちは意気込んでるけどこうも専用機が多いとちょっと予選レベルじゃ勝負にならないかもね…」
そう言い放つ。彼女は二年生の実力が低いとは思ってはいないがこうも専用機が多いと実力者たちは軒並み専用機にやられると思っているのだ。彼女は二年の整備科のエースでありこの大会でも二年生たちのサポートを行っているのだがこの時間は実況の関係で放送室におり、実況終了後はすぐに席を離れるのである。彼女は整備を行うと言う事もあり多くの二年生と会話しているが参加する大半の生徒は専用機で負けるのなら仕方が無いと言うモチベーションになっていたりする。
すると二人の話を聞いていたダリルは
「学校行事とは言え勝負の世界だと何が起こるのか分からないもんだ。もしかしたら…があると思うぞ」
「まぁ実況する身としてはそういう波乱が起こる事に期待するけどねー、おっとそろそろ時間か」
天野がそう言うと時刻は丁度30分をさしており、試合開始の時刻となる
「さぁさぁさぁ、いよいよ始まります生徒会長決定戦。実況は天野瑞希がお送りしまーす。いやー久しぶりの実況なので腕が鳴りますねーそしてこの時間帯の実況補佐は同じく二年の黛薫子ちゃんと3年のダリル・ケイシー先輩です。二人とも万が一の時は補足お願いしますねー。っとこんな事はさておきピットの方から準備が出来たとの連絡が有ったのでさっそく始めましょう。Aブロック第一試合…」
そして彼女は出場選手をアナウンスしていく
そんな様子を更衣室で緊張した表情で見ているのはAブロックの相川。彼女は第3試合であり直ぐに出番が来る。そしてこの場にはティナと出番まで時間が有る鷹月の二人がいる原則としてピットに入れる生徒は2人でありアドバイスのティナとクラスメイト枠として鷹月を指名したのだ。相川曰くこの二人がいると落ち着くそうである。
するとティナは相川に
「緊張することは無いわ。二年生とは言え相手も訓練機いつも道理行けば大丈夫よ」
「そうかなぁ…?」
「えぇ、ご自慢の射撃でさっさと決めちゃいなさい。」
彼女たちがそう話していると鷹月は更衣室に設置されたモニターを見ながら
「第一試合もう終わったよ…」
「「早っ!?」」
彼女たちが驚くのも無理はない。第一試合は二年生対一年生とは言え10分弱で二年生の完勝と言う形になったのだ。
ティナもまさかこんなに早くに決着がつくなど思っても居ないため試合を全然見ていなかったのだ。
そのため彼女は鷹月に
「一回戦どんな感じだったの?」
「二年生が終始圧倒、手も足も出ない感じ。さすが上級生って所」
「となると順当に勝ち進めば相川さんと当たる可能性もある訳ね」
「そんな、期待しすぎだよーそれに訓練機3強言ってもねぇ?」
ティナの言葉に相川が笑いながらそう言いかえす。
彼女たちがそう言っている内に第二試合が開始され、彼女たちの出番が近づいてくる