とある魔術の事象選択《オールセレクト》   作:ロッソネロ

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セレクト5から日常は一人称(標準語で)、戦闘編を三人称に使い分けます。
読みにくてすいませんでした


セレクト3

学校から帰宅したオレは当てもなくフラフr……じゃなくて学園都市を散歩していた。特にやることもねェ時はこォやって散歩すんのがオレの癖。イギリスに住んでた時からこれは変わらねェな。

 

オレは上条みてェに不幸体質じゃねェから散歩を邪魔されることは殆どねェ。敵意剥き出しのオレに話しかけるヤツもいねェし時々スキルアウトが絡んでくるがちょっとした運動がてら叩き潰すから問題ねェ。

だが最近、そんな状況は変わりつつある。その原因は……

 

「見つけたわ!!!!」

 

コイツだァ。

肩まである茶色い髪に灰色のプリーツスカートに半袖のブラウスにサマーセーターの格好してバチバチと発電中の人間電気ネズミ、常盤台の超電磁砲〈レールガン〉こと御坂美琴だァ。

 

「ハァ…まァたテメェかよ」

 

「人の顔見るなり溜息すんな! 今日という今日こそは決着つけでやるんだから!!」

 

会うたびに喧嘩売られたら溜息の一つぐれェ出るっつゥの。大体テメェはどこぞの戦闘民族かァ? それとも産まれた時から戦う運命を……的な何かかァ? まァ正直どっちでもいいがオレからすりゃ迷惑で仕方がねェんだが。

 

「決着ってオレとテメェはいつから宿命のライバルになった。喧嘩してェならそこら辺のスキルアウトでも焼いてろ」

 

オレがこの電気ネズミに絡まれるよォになったのにはちょっとしたきっかけがある。

 

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

約1ヶ月ほど前のある日の夜、オレは『噂の超激アマ ココア!』とやらを買いにコンビニに向かっていた。意外かもしれねェがオレは自他共に認める超が付く甘党だァ。必要悪の教会時代、一瞬で糖尿病になりそォなミルクティーを飲んでたのをよく同僚に笑われてたのが懐かしいなァ。

 

回り道が死ぬほど嫌いなオレは近道をするべく路地裏に入る。上条ならここで上から花瓶が降ってきたり、スキルアウトに絡まれたりするだろォが生まれつき幸運な聖人〈オレ〉にんなことは起らねェ。その筈だった…。

 

(ん? オイオイ、マジかよ…。まさかあの野郎の不幸が移ったんじゃねェだろォなァ…)

 

路地裏の出口でスキルアウトが誰かを囲んでいやがった。チラッとスカートが見えたから女だろ。問題はそこじゃなくてこのまま進めば確実にあの群に突っ込むことだァ。

けどオレに引き返すっつゥ選択肢はねェ。んなアホくせェことしてられっか。

 

「オイ、退けよコラ。オレの目の前でなにくだらねェことやってんだァ? 正直目障りなんだよォ」

 

………うん、やっちまった。この口調と喧嘩早いのはどォにもなんねェらしい。

 

「あぁ? ………って! てめぇは!!!」

 

スキルアウトの1匹がオレの面見るなり何か思い出したよォだ。勿論オレはこんな不細工な面に覚えはねェ。

 

「もう忘れたのかよ!! 昨日俺達ボコボコしただろ!!!」

 

んー正直全く覚えてねェな。どォでもいいことはすぐに忘れちまうからなァ。特に雑魚ヤった記憶なんざ死ぬほどどォでもいい。

 

「昨日は油断したが今回はてめぇ1人、しかも数でも圧倒的だ…! しっかりと落とし前つけさせてもらうぜ!!」

 

いつの間か、今度はオレが囲まれていた。

女を囲んでいた野郎が消えたお陰でよォやく女の面を拝むことができたぜ。肩まである茶色い髪に灰色のプリーツスカートに半袖のブラウスにサマーセーターの格好。それだけなら普通のガキだが左胸にあった学校のマークだけが普通じゃなかった。

 

(ありゃあ確か常盤台のマークかァ? なるほど、筋金入りのお嬢様ってとこか)

 

常盤台っつゥのは学園都市でも5本の指に入る名門校で同時に世界有数のお嬢様学校。確か在学条件の一つにレベル3以上である事が含まれてるとんでもねェ学校で全生徒の能力干渉レベルを総合すると生身でホワイトハウスを攻略できるらしい…。

 

「落とし前つける? 笑わせんよ。テメェらみてェな雑魚、何匹集まっても一緒だっつゥの。こんな小便臭ェガキ相手に欲情してる時点で雑魚決定なんだよコラ」

 

あァ? スキルアウトの後ろでガキがプルプル震えてやがるな。まさか本当に小便でも我慢してんのかァ?

 

「誰が小便臭いガキだゴラァァァァああああああッ!!!!!」

 

ガキが叫んだのと同時にスゲェ量の電撃が発生しやがった。ギリギリで能力で防いだが正直かなり危なかったぜ…。流石にこの量は聖人でも黒焦げになる。

 

「あー……こんな雑魚共に能力使っちゃ…」

 

雑魚『共』だと? テメェ、死にてェのかコラ。

 

「オレまで黒焦げにするつもりかよ? 勘弁してくれよ全く…」

 

「えっ…………? な、なんでアンタ食らってないのよ…!?」

 

「なんでって? そりゃあオレはーーー」

 

そこまで言いかけてオレは口を閉じた。

オレは自分の能力は秘密にしてある。本業に支障がでねェよォにっつゥのが一番の理由だが他人に手品のタネを明かすほどオレはバカじゃねェ。

 

「オレは、なによ?」

 

「……オレはテメェと同じ電気タイプだから」

 

それだけ言ってオレは文字通り、逃走した。もォココアなんざどォでもいい、とりあえず自分の失言を悔いたかったんだよ…。

 

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

あれ以来この電気ネズミはオレを見つけては追いかけてきやがる。最初は適当に逃げてりゃ諦めると思ったが考えが甘すぎた。コイツは諦めるっつゥ言葉を知らねェらしい。

 

「いつもいつも逃がしてばっかりだけど、今日は絶対に逃がさないんだから!!」

 

「テメェも暇だな、いつもいつもオレ見つけては追いかけま回してよォ…。いつになりゃ諦めてくれるんだァ?」

 

「残念ながら私は諦めるってことは絶対にしない性格なのよ」

 

「じゃあ質問を変える。いつになりゃ追いかけるのやめる」

 

「えっ? そ、そりゃあ……わ、私が勝ったらよ」

 

なるほど、どォやらコイツはあくまでこのオレに勝つつもりらしいな。いい加減この鬼ごっこにもうんざりしてたところだァ。現実見せるついでに力の差を思い知らせるか。

 

「……いいだろう、相手になってやるよガキ。いい加減うんざりしてたんだよ」

 

正直かなり面倒臭ェがこのままずっと追いかけ回されるよりマシだァ。

 

 

 

 

(ここから少し地の文になります!)

 

少し離れたところにある河原で大和と御坂は向き合っていた。今にも大和に飛びかかりそうな敵意剥き出しの御坂に対し、大和はとてつもなく面倒臭そうな表情をしている。

 

「ホラ、どっからでもかかってこいよ。なんならハンデでもくれてやろォかァ?」

 

「ふん、それはこっちの……台詞よッ!!」

 

御坂は電撃の槍を作り大和に飛ばす。今までとは比べものにならないほどの威力だが大和は難なくそれを躱す。

 

「相変わらずちょこちょこと! ならこれならどうよ!」

 

今度は御坂は動き回りながら電撃を放つ。一直線ではなく四方八方からの攻撃だ。一直線の攻撃は躱せてもこういった攻撃は躱せないのではと御坂は考えたのだ。

 

「結構な威力だなァ。だが……」

 

「なっ!?」

 

大和は普通の人間ではあり得ないアクロバットな動きで電撃を全て躱す。人間の限界を超えたその動きに御坂は唖然とした。

 

「当たらなきゃ意味ねェんだぜ?」

 

大和は右足を退くと目に留まらぬ速さでそれを振り抜いて鎌風を飛ばす。

 

嵐脚〈らんきゃく〉

凄まじい速さで足を振り抜くことで鎌風を発生させる足技。切れ味絶大な斬撃は御坂に向かって一直線に飛んで行く。

 

御坂はなんとか斬撃を躱すが少しだけ髪の毛が切れてしまったようだ。それを見て大和は感心したように言う。

 

「ほォ、今のを躱すとはなァ。神裂ほどじゃねェが大した反射神経してやがる」

 

「結構危なかったけどね。でも安心したわ、アンタには手加減必要ないってわかったからね!」

 

バチバチと音と同時に御坂の周りで黒い何かが舞い上がってくる。大和は舞い上がるそれは砂鉄で御坂が電磁力を使って操っているのはすぐにわかった。

 

「電磁力で砂鉄をねェ…。なかなか器用な真似しやがる」

 

「砂鉄が振動してチェーンソーみたいになっているから触れるとちょーと血が出たりするかもねッ!」

 

御坂は砂鉄で生成した剣を持ち、大和に向かって駆け出す。御坂はブンブンと剣を振るが大和には全く当たらず擦りもしない。

 

「んなめちゃくちゃに振り回すだけでオレに当たる訳ねェだろ」

 

大和は御坂の手首を掴むとそのまま投げ飛ばす。投げ飛ばされた御坂は情けなく尻餅を着いた。

だがそこで大和はある異変に気付いた。目には見えないが大和の第六感が警告している。少し落ち着こうと思い、大きく深呼吸したところで大和は異変の正体に気付く。さっきから妙に息苦しい。

 

「……オゾンかァ。能力を使って局地的に無酸素状態にしてんだな」

 

「! 砂鉄といいこれといいこうもあっさりと見破るなんて驚いたわ」

 

空気中の酸素原子は二つで『酸素』分子を作っている。だが、一度二つに分解された酸素原子は今度は三つ繋がり、『オゾン』を作る性質を持つ。

そして、オゾンは除菌・殺菌で使われることから分かるように、有毒。

聖人とはいえ普通の人間同様に大和も呼吸はする。有毒であるオゾンを吸い続ければどうなるかは火を見るより明らかだ。

 

「ハハハ…なかなかやんじゃねェか。正直ここまでやるとは思ってなかったぜ」

 

「お褒めの言葉として受け取るわ。で、どうする? 降参するなら今のうちよ?」

 

「降参? 笑えねェ冗談だな。まさかテメェ、さっきまでのがオレの限界スピードとか思ってんじゃねェだろォな」

 

大和は一瞬で、御坂にとってはそれ以上に速いスピードで彼女の懐に入る。そして彼女の右手と首を掴むとそのまま地面に押し倒した。

 

「これがオレ本来のスピードだァ。びっくりして腰抜かしたかァ?」

 

大和は苦しくならない程度に首を掴む力を強める。御坂は電撃を放とうと演算を開始するが大和が予め釘を刺した。

 

「やめとけ。オレが黒焦げになる前にテメェの首が折れるぜ? この状況で少しでも勝機があると思ってんならソイツは甘い考えだァ」

 

勝敗は決した。そう言わんばかりに大和は御坂から手を離したのだった。

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