とある魔術の事象選択《オールセレクト》   作:ロッソネロ

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今回は少しグダグダかも知れません…。
誤字があれば気付いた方、指摘お願いします! あとできれば感想も…。

次も頑張ります!


セレクト7

『幻想御手ね……、悪いなあんちゃん。俺も実物は持ってないんでっさぁ』

 

オレは幻想御手の情報とその実物を求めて情報屋でもあり行きつけの喫茶店のマスターに電話をしていた。だがどうやらハズレだったらしい。

 

「いつも肝心なとこで役に立たねェなテメェは」

 

『おいおい無茶言わんでくれよ。能力者でもなければ暗部でもない俺にできることなんて知れてる。どうしてもというなら俺も調べるが?』

 

「必要ない。オレ1人で調べるさ。邪魔したなァ」

 

オレが電話を切ろうとすると、マスターが静かに言った。

 

『あんちゃん、気を付けた方がいいぜ? 今回のヤマ、ただの悪戯じゃねーぜ?』

 

「あァ? どォいう意味だよ」

 

『使うだけで強度が上がるなんて代物、ただの素人に作れる筈がねーさ。その分野の専門家が、それなりの理由で作ったにちげーね。なんか知らねーが浅くはねー闇の匂いがする』

 

「……ハンッ! テメェ誰に口利いてやがる。闇なんざ嫌ってほど見てきてんだよォ」

 

そう言ってオレは電話を切った。相変わらず、要らない忠告をする野郎だ。

 

アテが外れたオレは次の情報源であるスキルアウトの根城に向かう。スキルアウトってのは普段はストレス発散の的でしかないがなかなか情報が集まらない時には貴重な情報源になる。

学園都市で裏稼業を始めて3年、殆どのスキルアウトはオレのこと知らないだろうが中にはオレと仲良くしている者もいる。

 

とある廃工場に辿り着いたオレは躊躇なく工場の扉を開けて中に入る。中に入るなり目に入ってきたのは何十人にも及ぶ大量のスキルアウト、その中の1人がオレを見るなりドスの効いた声で言った。

 

「………坊主か、今日は何の用だ」

 

「相変わらず面に全く似合わねェ口調だな駒場。聞いてるこっちも陰鬱になる」

 

このゴリラが服着たような陰鬱な口調の大男の名前は駒場利徳。第七学区のスキルアウトを取り纏める野郎でオレがご贔屓にしているスキルアウトだ。スキルアウトを取り纏めるだけのこともあってか、コイツの持つ情報は貴重だ。

 

「幻想御手の実物とそれに関する情報が欲しい」

 

「………やはりな。だが残念ながらこの中に実物を持っている者はいない。あれは不要な争いの産物になりかねん。だが情報なら知っている」

 

「教えろ、どんな些細なもんでもいい」

 

「………ここから少し行ったところに建設中のビルがあるだろ。そこで幻想御手の取引があるらしい」

 

ビンゴだ、やはりコイツらは使える。風紀委員や警備員よりコイツらの方がよっぽど優秀だ。

 

「助かったぜ。情報料はいつもんとこに振り込んどいてやる。それでパーティーでもするんだなァ」

 

オレはそう言って工場を出る。

ここから取引場所はそう遠くないこともあってすぐに到着した。だがそこで行われていたのは幻想御手の取引なんかではなく、3人の野郎が女の子と男に絡んでいた。

2人の野郎が傷だらけの野郎の両腕を持ちもう1人のリーダー格の野郎が女の子の真横に蹴りをかましていた。よく見ると絡まれている女の子の顔に見覚えがあって、確かセブンスミストで会った佐天とかいうヤツだ。

 

「おいお前、何見てんだコラ」

 

野郎の1人がオレに気付いたのか、声を上げながらオレに近付いてくる。できることなら穏便に済ましたかったが服の胸倉を掴んで喧嘩売ってきたなら仕方ない。少し手荒くいくとしよう。

 

「汚ェ手でオレの服に触れてんじゃねェよ」

 

オレは胸倉を掴んでいる野郎の手の骨を握る潰す。岩をも砕くオレの握力の前では人間の骨を砕くなど朝飯前だ。骨を砕かれた野郎はうめき声を上げながら地面にひれ伏す。

 

「耳障りだ」

 

そう言ってオレは野郎の鳩尾を蹴り飛ばす。蹴り飛ばされた野郎は壁に激突しそのまま気を失った。気絶してしまったが問題ない。情報源は1人、あのリーダー格の野郎さえいれば問題ないのだから。

 

「どうやらなかなか強いみたいだな。けどな………」

 

傷だらけの男の腕を掴んでいたもう一人の男が右手の指を動かすと、近くにあった鉄柱や鉄パイプなどが浮かび上がってくる。

 

「俺の能力でその高く伸びた鼻、へし折ってやるぜ!!!」

 

右腕をオレの方に振りかぶるとそれに応じるかのように鉄柱などがオレに向かって飛んでくる。

 

「危な……」

 

佐天が何か叫ぼうとしたがオレは簡単にそれらを躱す。そのまま一瞬で野郎に接近すると脇腹に強烈な横蹴りを入れる。うめき声すら上げることなく、真横に吹き飛んだ野郎は気を失った。

 

「カカカカカカッ、面白いなお前。身体強化系の能力者か? それに相当喧嘩慣れしてるな」

 

佐天の顔の真横に蹴りをしていた男はいつの間にか煙草を吸ってオレの戦いぶりを見ていた。

 

「オレはテメェみてェにバカじゃねェからヤる前からタネ明かしはしねェ。あとできれば穏便に済ましたかったんだが喧嘩売るなら話は別だ」

 

オレはゴキゴキ、と首を鳴らしながら野郎に接近する。

 

「オレ達はよォ……」

 

対する野郎も煙草を捨ててオレに向かって歩いてくる。

 

「盗みや暴行に恐喝にクスリ、他にもいろいろあくどい事して楽しんできたけどよ。最後にはいつも 風紀委員や警備員に追われてなウゼってー、目に遭わされてきたんだ。だから、お前みたいに正義面した奴を見るとなぶっ殺したくなってくるんだよ!!!」

 

その言葉と同時に野郎は一気にオレとの距離詰めてくる。コイツ、何を言っているんだ? オレがいつ正義面なんかした。

 

「オイオイ、勘違いすんなよ。オレは今の今まで正義面なんざしたことねェしこれからもするつもりはねェ。オレはただ……」

 

野郎はポケットからナイフを取り出し振りかざしてくるがオレは右手で野郎の腕を掴む。

 

「運命を変える、それだけだ」

 

オレはそのまま手首の骨を潰した。オレはうめき声を上げる野郎の顔面を蹴り飛ばす。気絶しない程度に調節したので野郎は地面に叩きつけられたがすぐに立ち上がった。

野郎が信じられないといった表情でオレを見ている。あーなるほど、ご加護が作用していると思ったら何かコイツが仕掛けていたのか。

 

「テメェがどんなトリック使ってるか知らねェが、常に神のご加護を受けているオレにはそんなもん通用しねェ。さァて、そろそろ本題に入ろォか」

 

そう言ってオレは一瞬で野郎に接近すると腹を殴り、首を掴んで持ち上げる。自分よりも一回り身体が小さいオレに持ち上げられているということに野郎だけではなく佐天も驚いているようだ。

 

「テメェ、ここで幻想御手の取引するつもりだったんだろ? じゃあオレが今から取引相手だ。ただし、取引つってもテメェができることは黙って幻想御手を出すことだ」

 

出さなければこのまま殺す、そう言わんばかりにオレは首を掴む力を少し強める。勿論殺すつもりなんてないが。

 

「わ、わかった…! だ、出すから…は、離して……」

 

「ダメだな、このまま離せば逃げるか隙見て不意打ちするかのどっちかだろ? テメェらみてェな低脳の考えることなんざお見通しなんだよ。オレが取り出すから場所を言え」

 

「ふ、服の胸ポケット…に………!」

 

空いている左手で野郎の胸ポケットの中を探るとUSBメモリーがあった。野郎が言うにはこの中に幻想御手と呼ばれている音楽データが入っているらしい。

 

「じゃあテメェはもォ用無しだ。寝とけ」

 

そう言ってオレは野郎を地面に叩き付ける。野郎が気絶したのを確認してここから立ち去ろうとするが佐天に待ってください!!、と呼び止められた。

 

「か、神鬼さん…確か無能力者ですよね…?」

 

オレの能力である事象選択はオレ自身もその真価を完全に把握していない。それに自分の能力がバレるのは仕事に支障が出るという判断で書庫にはレベル0と記載されている。なんでオレが表面上、無能力者なのを風紀委員でもないコイツが知っているのか気になったが多分パンダか花瓶に聞いたんだろう。

 

「そォだがそれがどォかしたのかよ?」

 

「でも神鬼さんさっきーーー」

 

佐天が何か言いかけたがそこで止まった。何故ならオレの目の前に、風紀委員のパンダこと白井黒子が到着したからだ。

 

「何を逃げようとしてますの? 貴方には色々と聞きたいことがありますので一緒に来てもらいますの」

 

無理矢理逃げてもよかったが後々面倒なことになりそうなので黙ってオレは第一七七支部に連行されることにした。パンダは佐天も連行するつもりだったようだが何故か佐天の姿はどこにもなかった。

 

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

第一七七支部には花瓶もいて、オレはすごく適当にさっきの出来事を簡単に説明する。勿論幻想御手の取引に乱入するためとは言っていない。風紀委員が幻想御手を調べているのは知っているからだ。

 

「ふむ、つまり貴方は喧嘩をふっかけられたのでそれに対応した、これでよいですわね?」

 

「まァそォいうことだな。なァそろそろ帰っていいか?」

 

オレはそう訊ねたがパンダはまだ帰すつもりはないらしい。本当に面倒なヤツに捕まったとゲンナリしていると、パンダが何か思い出したかのように訊ねてきた。

 

「ところで神鬼さん、幻想御手というものはご存知ですか?」

 

「知らねェな。なんだそりゃ?」

 

風紀委員が幻想御手を調べているのは知っているが、どこまで知っているのかは把握していない。オレは嘘吐き、パンダから風紀委員の情報を聞き出した。

 

「 幻想御手は音楽ソフトの事を指しておりまして、それを聞く事で能力者のレベルを上がっているのです」

 

その説明に続くかのように花瓶もオレに説明する。

 

「実は私達も専門家の方と協力して調べているんですが、その方が言うには本来能力を上げるには 学習装置テスタメントのような五感全てに働きかける事で、レベルが上がるらしいのですがこの幻想御手は音楽、つまり聴覚だけでレベルが上がる事は困難だそうです」

 

「しかし、情報提供者によれば幻想御手はこれで間違いはないそうです。なぜ聴覚だけでレベルが上がるのかそれは作ったのは誰で何が目的なのかさっぱり分からないですの。ですので少しでも情報を集めようとしているのですのよ」

 

なるほど、どうやら風紀委員もそれなりに調べているらしい。だがオレが知らない情報は持っていなかった。ただ一つを除いて。

 

「残念だが力になれそォにない。まァ何かわかったら知らせてやるよ。じゃあな」

 

そう言ってオレは立ち上がり扉に手を掛けるが、花瓶に待ってくださーい!、と呼び止められた。

 

「今度な何だよ…?」

 

「あの…もしよかったら連絡先教えてくれませんか? 幻想御手のこともそうですが今度私と佐天さん助けてくれたお礼がしたいんで……」

 

オレは少し考えたが別にコイツに教えても問題ないと判断したので連絡先を教えた。だが、これがさらに面倒なことに繋がるなんてこの時は思いもしなかった。

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