平安武闘伝~安珍の拳~   作:ゼルガー

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まだ主人公は僧になって無いのでハゲでもないですし僧でもないです。故にまだ【安珍】ではありません。

主人公の外見のイメージは、デジモンセイバーズの大門大です。


壱ノ拳

あれから俺は荒れた。自分の東方不敗の誇りも守りたい対象も失い、いろんな場所を放浪しながら喧嘩を売りまくった。今の俺には容赦がない。返り討ちにして殴り殺した。

 

その所為で、野盗や盗賊などの悪党どもに対しては有名になった。鬼と恐れられた。ふざけんな、むしろお前らが鬼だろ!

 

何時しか京の都から俺が鬼と言う噂を聞いて討伐隊が来た。陰陽院の陰陽師だった。

 

有名な安倍晴明ではなく、まったく知らない無銘の陰陽師が俺の討伐に来た。

 

奴は俺を鬼と思っていたが、鬼ではなく人間だと気が付き、俺のこれまでの経緯を話すと勘違いであることが分かったそうだ。

 

で、俺は奴に陰陽院にスカウトされた。なんでも、ヤツが作る術の開発の実験体に俺が必要だとか。

 

生きる意味を失っていた俺にとって、実験体になる事はどうでも良く。むしろ楽になれるのであればと引き受けた。

 

 

「喜ぶがいい。君はこの私の実験体になるのだからなぁ!」

 

「君の肉体は素晴らしい!私の脳細胞が刺激され、次々と術の案が浮かんでくる。恐ろしい、私の才能がぁ!」

 

「ヴァーッハハハハハハハ!やはり私は神の才能を持っている!いや、むしろ私がぁ神だぁーーーーー!ハーッハッハッハ!!」

 

と、こんな感じで変な男だ。檀黎斗という陰陽師は。

 

 

俺は奴に聞いた。何のために術を開発しているのかと。

 

そしたら奴は

 

 

「ふむ。陰陽術は開発者の私にとって生き甲斐だ。妖怪を倒す事も、天皇や貴族を守る事もどうでもいい。多くの者に私が開発した術を知らしめる。そして、私は死を超越し、神となるのだ!」

 

 

奴はロクデナシのクズだ。だが、そんなクズでも奴が開発した術は多くの人間を救った。

 

ロクデナシである奴ですら人を救えるのに、俺は敵を殺すことしか出来ない。まさにクズ以下だ。

 

 

俺は未だに自分の死に場所を求めている。

 

 

◆◇◆

 

 

地獄を見た

 

地獄を歩いた

 

地獄を見た

 

地獄を離れた

 

地獄を

 

見た

 

暴力で人は救えない

 

拳で飢えを凌げない

 

力では病魔から救えない

 

いつからだろう。死にたいと思っていたのに

 

死に場所を求めていたのに

 

死にたくないと、思ってしまったのは

 

 

 

 

地獄を見た

 

 

 

 

陰陽院から離れて目の当たりにしたのは、この時代の現実

 

人が飢えで死んでいた

 

飢えで自殺していた

 

病魔に侵されて村一つ滅んでいた

 

人が共食いしていた

 

 

 

なんだこれは

 

野盗や妖怪に殺されたならわかる。それなら俺が、戦えばいい

 

なんだこれは

 

俺は、誰と戦えばいい

 

前世の記憶にはこんな光景は見たことがなかった

 

なんだこれは

 

例え強くなっても、これでは誰も救えない

 

なんだこれは

 

誰か教えてくれ

 

地獄を見た

 

死にたくない

 

誰か教えて地獄をなんだこ死にたく誰教え地獄死にたく

 

 

あ、ああああああああああああああ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺は僧になった




次回は、彼が安珍を名乗る僧になった話。
そして、妖怪相手にヒャッハーします
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