平安武闘伝~安珍の拳~   作:ゼルガー

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参ノ拳

 

 

 

小さい頃、まだ和尚や義兄弟たちが生きていた頃の話だ。

 

俺は身体を鍛えながらも和尚の手伝いをしたりして生活していた。

 

5歳の頃だ。和尚に教わった薬の材料を取る為に山で薬草を探していた時だった。

 

鳴き声が聞こえたんだ。それも女の子の。

 

気になった俺は声の場所に向かってみた。そこには、同い年位の幼い女の子が川岸で泣いていた。

 

 

「足を怪我したのか?」

 

「・・・・・・うん。ひっく・・・・・・痛いよぉ」

 

「一人?」

 

「・・・・・・父様(ととさま)と母様(かかさま)とはぐれたの」

 

 

 

俺はその子の怪我の具合を見てみた。幸いにもただ足を擦りむいただけで他に異常はなかった。

 

採取した薬草をその場で調合し、傷薬を作って傷口に塗ってあげた。よっぽど痛いのは泣き出してしまった。まあ、この薬は染みるから痛い。でも、治りは早いしよく効く。

 

 

「これで治療は良しっと。ほら、おぶってやるから行こうぜ。お前の親も探してるだろうし」

 

「ぐす・・・うん」

 

 

 

その後、この子を探しに来た夫婦と出会い、父親にあの子は背負われた。

 

改めて見ると、身綺麗できっと良い所のお嬢様だったんだろう。

 

あの子の両親は今の時代の貴族とは思えないほど善人で、こんな小汚い子供の俺に頭を下げてお礼を言ってくれた。いい両親を持ってて羨ましいなぁと思った。

 

 

「もう迷子になるなよ」

 

「うん。ありがとう」

 

「娘を助けてくれて感謝するよ。本当はお礼をしたいけど」

 

「気にしないでください。和尚の教えで見返りは求めてないので」

 

「そうか。だけど、清を救ったことは忘れないよ」

 

「ええ。何時かまた会ったらその時こそお礼をしますわ。ねえ、清?」

 

「うん!」

 

 

あの子は清って名前なのか。俺も名乗るべきだろうか?流派東方不敗として、名乗りは重要だし。

 

いや、止めよう。もし次に出会うことがあったらその時に名前を教えよう。

 

 

「またな」

 

「うん!またね!」

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

「・・・・・・夢か。懐かしい夢だな」

 

 

聖命連の弟子となって早3年。もう14歳か。

 

何と言うか、前世に負けないほど物凄く濃い人生を送ってる気がする。

 

命連や白蓮は僧でありながら武闘家でもあるらしく、俺に毎日稽古をつけてくれる。

 

気のコントロールも前世以上に上達し、基本技である光輝唸掌、必殺の灼熱掌はもちろんのこと。

 

 

十二王方牌大車併という分身技も習得し、帰山笑紅塵も習得したことで技の消費も軽減できた。

 

超級覇王電影弾の習得には苦労したけど、なんとか

 

一番の課題である最終奥義の為の超奥義。超級覇王日輪弾は今も苦労している。

 

一応使えないことも無いが、一度使うと消耗が激しいので動けなくなってしまう。

 

マスターアジア師匠やドモン兄はコレの完成版である石破天驚拳を良く使えるよ。本当に。

 

 

師匠は布術を、ドモン兄は剣術を心得ていた。俺も拳以外も会得したいがシックリくる武器が無い。

 

クロトの奴に符術を教わっているので多少陰陽術の心得はあるがな。

 

 

 

「おーい安珍。僕はしばらくお経を唱えているから、悪いけど姉さんと裏の山で悪さしている妖怪を懲らしめてきてくれないかな?」

 

 

ああ、安珍って言うのは今の俺の名前だ。

 

僧に出家して髪を(強制的に)剃ろ、僧としての名前を与えられた。

 

まあ、以前の名前には未練は無いし、安珍って名前も悪くないって思った。

 

 

「白蓮さんと?別に構いませんが、他の皆さんは?」

 

「星とナズは毘沙門天様に呼び出しで留守。一輪は雲山と山籠もりしてるよ」

 

 

ちっ、雲山も留守か。拳の速さ比べをまたやりたかったな

 

 

「で、今回はどんな妖怪ですか?」

 

「えーっとね・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鬼だよ。

 

鬼かよ。

 




ども、ゼルガーです。

次回、VS鬼ですが、酒吞童子一行ではありません。伊吹の山では無いので。

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