ゼロの使い魔をひっくり返してみたらこうなった   作:笛ふき用

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まず最初に原作者、ヤマグチノボル先生のご冥福を心よりお祈りするとともに、ゼロの使い魔完結を大いに感謝いたします。

さてこのお話は、

・ 以前私がアルカディア様に書いたものの転載です。あちらのチラシの裏に同じものがございます。あちらのパスを忘れましたので、あちらにはこれらの事項が書き込めなくなっておりますが、そういうことだとご理解いただきたく思います。

・ ある意味究極にアンチ「ゼロの使い魔」です。

・ でもヘイトではありません。ないと思います。

・ 可能な限り、原作準拠の方向で頑張りました。原作一巻までで終了です。二巻以上は無理です。不可能。インポッシブルです。

・ 微妙に様々な作品とのクロス要素がありますが、あくまで無理な設定を何とか成立させる為とそれに伴う事柄ですのでスルー推奨です。

・ ひっくり返した結果、様々な事柄にしわ寄せが行っているため、色々と不可解なことが起こりますが、ご容赦ください。さらに、一部のキャラが物語全体のつじつま合わせの為にエラいことになっていますが、あくまでも可能な限り原作のストーリーの流れそのままにするためですので、よろしくお願いします。

・ あくまで元々が一発ネタで、完全なダイジェスト形式ですがそれでよろしい方のみお願いします。


運命の出会い、但し立場が逆

「お前誰?」

 

 突然目の前に現れた黒髪の少年の一言にピンクブロンドの髪の少女ルイズ・ヴァリエールは唖然とするしかなかった。

 

 彼の背越しに見えるのはどこか東洋的(オリエンタル)な木造建築物や植物、そして何故か滝などというものまであり東洋好きのルイズにとっては憧れの風景であったのだが、今の自分のおかれた異常な状態でそれに心奪われることが出来るほどルイズの神経は太くなかったのだ。

 

(え? 私トリスティンの電気街から家に帰ろうと思って地下鉄に向かって歩いていたはずなのに、どういうこと? ここはいったいなんなの? ていうか突然目の前に不思議な『MAN-DARA』みたいなのが現れたと思ったらピカっと光って、次に目を開けたらこんな変なところとかありえないわよ! そんなの!)

 

 パニック状態のルイズと同じくどこか困惑した様子の黒髪の少年。

 

 そんな彼らに声がかかる。

 

「おい、見ろよ! 『零』の才人助がまたおかしなことをしたぞ!」

 

「『零』の才人助が従者口寄せの儀式でおかしな平民を呼び出したぞ!」

 

 その声にルイズは声の主達、そして目の前の自分と同じ年頃に見える少年のおかしなところに気がついた。まるで彼らはその昔東の黄金の国『ジパング』の影に生きていた伝説のヒーロー達、そう『NINJA』のような格好をしていたのだから。

 

(え? この人たち『ジパング』の『NINJA』の格好してる……。ということはこれは『ジパング映画』の撮影かなにかだってこと? うそ! じゃあ……)

 

 東洋(オリエンタル)大好き、とくに『SAMURAI』や『NINJA』などが本当に大好きなルイズは彼らの格好からそれを映画の撮影か何かと考えた。そしてその間違った答えが導きだした結果。

 

「キャアアアアアアアアアアアア! まるで本物の『NINJA』みたいね貴方たち! それでカメラはどこ? この映画はいつトリスティンで見れるようになるの? それにしてもここ、すごいセットね! 撮影スタジオの中に滝まで作っちゃうなんて! あ、空も見える! そっか! ここ屋外セットなのね!」

 

 と興奮しながら話すルイズ。

 

 だがそんな常識的な彼女が導き出した比較的可能性の高いであろうその答えは悲しいかな、彼女に降りかかった現実と果てしなく乖離していたのである。

 

 

 ――まさに現実は映画より奇なり、である。

 

 

「俺たちは確かに『忍者』だけど『えいが』って何? 『とりすていん』って何の事だ? ていうかお前誰なんだよ……。何で口寄せの儀式で人間が出て来るんだ。俺は蝦蟇とか鷹がよかったのに……」

 

 言葉は通じるのに、意志は通じない。そんなやり取りをしていた才人助たちに業を煮やしたのか、黒装束に身を包んだ壮年の……頭部が幾分寂しい男性が言う。

 

「ごほん! 平賀才人助殿! 人間を口寄せするなど例のない事で驚くのも無理はありませぬが、早急に口寄せ契約を済ませてしまいなさい。後は君だけなのですぞ!」

 

「そんな! 山田先生! もう一回、もう一回だけやらせてください! 次こそ……」

 

「駄目です! そもそもこの神聖なる『春の忍術学院従者口寄せの儀式』を何と考えているのです! 口寄せしたものは呼び出した口寄せ従者と必ず口寄せ契約しなければなりません! これは規則です! ただでさえ予定が遅れているというのに! 早くしなさい!」

 

 と才人助の必死の抗議もむなしく、山田と呼ばれた教師らしき男の主導でその儀式とやらは進んでいく。

 

「くそっ、仕方ないか」

 

 そういいながら懐から何故か鈍く輝くナイフのような刃物を取り出す才人助に、思わず後ずさるルイズ。だがその刃がルイズに向く事はなく、才人助はその刃で自分の右手の親指に小さな傷をつけたのだ。

 

 そしてその傷ついて血が出ている親指をルイズの顔、正確には彼女の可憐な唇に向けてぐいとつきつける才人助のその異常な行動に、ルイズは気を失ってしまいそうになっていた。

 

(なになになに? 一体どういうこと? 『儀式』ってなんなのよ? もしかして私生け贄とかにされちゃうわけ?)

 

 そうやってパニック状態のルイズを尻目に才人助の親指はルイズの唇に触れ、そして彼はこう祝詞を唱えた。

 

「我が名は甲雅忍流忍者平賀才人助、万物を司る六行よ! このものに祝福を与え我が従者となせ!」

 

 そう彼が言ったとたん、才人の指先からルイズの体へと電気のようなものが走り、そして体中の血が沸騰したように熱くなった彼女は耐え切れずに気を失うこととなる。

 

 そして彼女が知らぬまま彼女の右目にはとある文字が刻まれた。

 

 それは遠い昔に失われた、伝承にのみ残る伝説の口寄せ従者の証。

 

 ここに始まるはとある物語と因果を逆転した不思議な不思議な物語。

 

 ――その名も零の使い魔忍法帳という。

 

 

 

続く。




コンセプト 

ある意味アンチだよね?を目指してみました。

この世界のルイズを見れば、彼女も才人の苦労が分かるでしょう的な。

人物説明

ルイズ・ヴァリエール 

数多存在するパラレルワールドの中の一つ、「限りなく私たちの世界に近い歴史をたどり科学の発達したハルゲギニア世界」におけるルイズさん。

貴族制は既に廃止されており、ご先祖様が貴族だったのは知っている、東洋的なものが大好きな普通の女の子。

特に『NINJA』と『SAMURAI』は大好き。

後に伝説の口寄せ従者であることが発覚する。

平賀才人助

由緒正しい甲雅忍者の統領の家柄の少年だが、忍術が使えないのでみんなに零と馬鹿にされている。体術はかなりの腕前。

実は失われた第六の忍術系統『虚無』の使い手である。

山田先生

某ツルベール先生の代わり。苗字は日本一有名なあの忍術学園の先生からいただきました。

甲雅は誤字ではありませんので念のため。
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