ゼロの使い魔をひっくり返してみたらこうなった   作:笛ふき用

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とある少女の話~ルイズ、武器屋にて運命の会合を果たす

とある少女の話

 

 

あの決闘から数日後の話。

 

「んふふ~。あぁ! もうこの私の中の微熱が、情熱へと変わってしまいそうだわ……、才人助! ……それに」

 

 そういって甲雅忍術学院くのいち寮の自分の部屋で、その情熱的な赤い髪と、男を惑わせる豊満な肉体をしならせているのは、甲雅に隣接する大国『外流満』から留学しているくのいちの少女『須藤 弓瑠華(すとう きゅるけ)』である。

 

 くのいちとはいえ、少女ではありえないその天与のものといっても過言ではない色気はまさに魔性の女と呼ぶに相応しい。まぁ平たくいえば無駄に色っぽい男性ホイホイのようなものである。

 

 そんな彼女と、才人助の関係はもつれた糸のように絡み合っていた。彼女の実家である須藤家は『外流満』の西側の辺境を預かる名家中の名家である。そして国境を隔てて領地を持つのが、甲雅本家とも血縁でつながる甲雅有数の名家『平賀家』なのだ。

 

 当然有事あるごとに爪牙を交える関係を代々続けている因縁の両家であるが、問題はそこに留まらない。何故ならとにかく須藤家の人間は闇に生きるべき忍者という生き物の常識を凌駕して、恋愛至上主義の家系であり、過去に数え切れないほどの平賀家の男達をその美貌と色気で強奪してきた恐るべき一族なのだ。

 

 そんなただでさえ恋愛狂い、そして「平賀家のいい男は須藤(うち)のもの」をモットーにしている家にそだったおいろけ爆発娘の弓瑠華に、今日のようなかっこいい才人助を見せることがどうなるか……、読者諸兄にもお分かりのことかと思う。

 

 そして……世界の修正力とも、この物語の持つ逃れえぬ因果とも言うべきものがさらに彼女の胸の炎を焦がしていたのだ。

 

「うふふふ……、何だか分からないけど、あの才人助が呼び出した口寄せ従者の女の子。あの子から才人助を強奪するのは、もはや義務のような気がするのよねぇ……」

 

 そういいながら自らの口寄せ従者である火蜥蜴・炎(ほのお)に手を伸ばし、さも愛しそうに撫でる彼女の手の優しさとは対照的に、その目には恐ろしいまでの業火がたぎりまくっていたのであった。

 

 そうとは知らず翌日、才人助とルイズは街に買い物に出かけることにした。何故なら女性には色々と必要であることだし、さらにルイズが「護身用の武器が欲しい」と言い出したからだ。

 

 弓瑠華が身悶えていた同じ晩こんなやり取りがあったからだ。

 

 おかしなことを言い出したと思った才人助だったが、もちろんそこは才人助も忍者の端くれ、くのいちという存在が身近にいることもあり、女性の武装に対してさほどとやかく言うものでもなく色々自分の持つ武器などを、自室の床いっぱいに並べて見せてやったのだが……。

 

「これじゃダメよ」

 

「どうしてだよ、どれもいいもんだぜ?」

 

 自分が持ってきた武器を言下に否定された才人助は首をかしげる。そんな彼に彼女はこういったのだ。

 

「私が得意なのは、こういう武器じゃないのよ……。別に使えるけど、ね」

 

 何気にあっさりと恐ろしいことを言っているルイズに対して、こちらも女性が武器の扱いに慣れている世界の住人である才人助。環境とは恐ろしいものである。

 

 とりあえず……、といいながら床に並んだ武器の中から小ぶりの短刀を一振り選び、具合を確かめるルイズ。

 

 そして刹那! 自らの眼前すれすれを刃が通過したことに気づいた才人助が飛びのくとそこには、短刀の切れ味に満足そうに微笑みながら床の落ちた才人助の髪を見るルイズの姿があった。

 

 

 ……イレギュラーとは時にとんでもない結果をともなってその姿を現す。呼ぶものと呼ばれるもの、その逆転がもたらしたねじれがもたらしたそれに、この時才人助が気づくことはなかった。

 

 

 そして二人は町に出かける。

 

 そんな二人を見かけた弓瑠華は、急いで青い髪を持つ自分の親友の部屋へと駆け込んでいたのだ。

 

 

 

 

弓瑠華ととある少女のやり取り(敢えて会話形式でお楽しみください ※)

 

 

 

「束さん!」

 

「……」 

 

「ねぇ、束さんったら!」

 

「…………」

 

「ねぇ! 束さん、私どうしても急いで街に行かないといけないの! お願いだからあなたの口寄せ従者である『風精(ふうせい)』を出して頂戴!」

 

「…………(ふるふると首を振りながら彼女の目の前の巻物を指差す束さん)」

 

「えぇ、分かってるわ! でもこれはすごく大事なことなの! お願い、友達でしょ!?」

 

「………………(溜め息を一つついてから立ち上がる束さん)」

 

「ありがとう、束さん! 愛してるわ!」

 

 

 

 

 

 

 ※ 読者諸兄にお願いする。

 

 ここで「作者、手を抜きすぎだろ」といってはいけない。

 

 なぜなら人間、本当のことをいわれるのは結構つらいものなのだから。 

 

 

 

 

ルイズ、武器屋にて運命の会合を果たす

 

 

「これは……」

 

「なんでぇ! この小娘! お前なんかがおれっちになんかようか!」

 

 彼女の手に今あるのは何故だか分からないが人間の言葉を理解し話す無骨な鉄の塊であった。

 

 否、才人助や店の店主には分からなかったのだが、ルイズにはそれが何かはっきりと分かったのだ。機械工学的に洗練されつくしたフォルムを持つその黒金の何か。その正体がルイズの口からこぼれ出た。

 

「……S&W M29」

 

 そう、それはルイズの世界の武器、すなわち鉄砲。そしてその中でもつとにその破壊力で知られたスミス&ウェッソンM29であったのだ。ダーティでハリーなあの警官さんがぶっ放すあのアレ。一時世界最強なんて言われたあの拳銃である。

 

「お! おれっちの正式名称しってるなんてお前「使い手」か?」

 

 その不思議な話をする銃の質問には答えず、熱病に浮かされたようにルイズは尋ねる。

 

「あんた、弾はどうなっての?」

 

「俺は使い手の精神力を弾丸に変えることができるんだ! もしお前が「使い手」ならおれっちの引き金を引いてみな! それで分かるはずだ!」

 

 そしてあっさりと明かされた衝撃の事実。おい、お前! それじゃもはやあの宇宙海賊の左腕じゃないか! 

 

 だが作者のツッコミがこの場に届くわけもなく、謎(笑)の銃のその言葉に促され、熱に浮かされたかのようなちょっとヤバめな表情で、店の奥に立てかけてあった鉄製と思しき盾めがけて引き金を引くルイズ。

 

 直後、ズドン! というものすごい音とともにはじき出された不可視の弾丸によって鉄の盾はおろか、その背後の壁にまで風穴があいていた。

 

 ……まるで至近距離から大砲をぶちかましたかのような大穴が。

 

 

 

 

「…………快感(はぁと)」

 

 

 

 そういってからしばらくたった後、唖然としてみているしかない店主にこの世界に来て一番の笑顔でルイズはこういった。……若干銃口を店主方向に向けながら。

 

「おじ様、これ私に譲ってくださる?」

 

 その後に残ったのはまるで壊れた機械のように首を上下に動かす店主とその惨劇の主役の片方であった銃の自己紹介の声だけであった。

 

「おぅ! 相棒! これからよろしくな! 俺の名前は『デルフリンガー』ってんだ!」

 

 

 これが後に才人助の世界を震撼させる「桃色の悪魔」がこの世に生まれた瞬間であった……。

 

 




人物紹介


須藤 弓瑠華(すとう きゅるけ)

赤い髪と褐色の肌、そして無駄に色気のあるセクシーボディの持ち主である『外流満』出身のくのいち。

文中でも説明したように、須藤家と平賀家の関係は一言では言い表せない感じ。

実は案外純情ガールでもある。

キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー → 長いのでカット →キュルケ・ツェルプストー → 後は音を当てはめただけ




青い髪を持つ『風魔』からの謎の留学生。

みんなから「さん」付けで呼ばれる。

無口、チッパイ、ロリと三拍子揃っている、らしい。作者には分からないが。こう見えても強い。

好物は苦草のおひたしと苦瓜。生でもいけるらしい。

「……苦瓜をちゃんぷるーするのは私が許さない」とありがたいお言葉を頂いております。

名前に関してはいうことはない。そのまんま。


デルフリンガー

おそらく今作最大のイレギュラー。

その正体は、スミス&ウェッソンM29の姿をした魔法(?)銃で、ルイズさんの精神力が続く限り無限に打ち続けることが出来る世界最強と名高かったマグナム銃。

やはり有名なのはあのダーティでハリーな警官さんの愛銃だからであろう。

そして何故ルイズがこんなに戦えるのかは、ご都合主義ではなく、ちゃんと理由がありますので悪しからず。

とりあえず鬼に金棒、ルイズにデルフリンガー。

S&W M29について詳しく知りたい方は、WIKI様参照。かなりかっこいいです。
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