ゼロの使い魔をひっくり返してみたらこうなった   作:笛ふき用

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○ちゃんがいないとあのネタは先に進まない~最後は原作どおり「踊り」で終わる

○ちゃんがいないとあのネタは先に進まない

 

 『土塊』の風家とは昨今倭の国各国を騒がせている怪盗の名前である。その特徴はその二つ名たる『土塊』の名に恥じぬ巨大な『土遁・土傀儡の術』を用いたまったく忍ばない、忍ぶ気ゼロの忍術使いだということ、使い手としての位階はおそらく三ツ星以上であること、特に豪族や金持ちのみを狙うこと、そして異常なほど強力かつ特殊な力を忍術具に固執していること、そして毎回壁にやたら無駄に見事な『風・家・参・上』毛筆書きの署名を残していく事、であろう。

 

 そんな男性か女性かも分かっていない……、お茶目な謎のベールに包まれた怪盗。それが風家なのだ。

 

 この時点で、この世界の忍者の大半は無能じゃね? とか言ってはいけない。先生、見てみぬ振りとか大事だと思います! じゃないと話が転がらないんですよ。ええ。だって原作の魔法使いもがほぼ無能しか……げふんげふん!

 

 それはさておき。風家襲来の翌日、関係者一同は学園長先生の部屋へと集められていた。教師とそして昨日現場に立ち会っていた才人助やるいずたちであった。

 

 そして今その部屋では……

 

「『土塊』の風家め! なんと大胆な! この忍術学園に堂々と忍びこむとは!」

 

「ええい! こんなことが里にしれたら我らの名誉はどうなる!」

 

「くそ、朱瑠語女史! 昨日の当直は貴方でしたな! この責任どうお取りにになるおつもりか!?」

 

「そんな! 私のせいだと仰るのですか!? ひどい!」

 

 とこんな風に、しきりに責任を擦り付け合っていた。

 

 そんな剣呑な空気をなだめるように、

 

「これこれ、先生方。ここで朱瑠語女史を責めても奪われた宝は帰ってきませんぞ? 誰か宝を風家から取り戻そうという勇気のある先生はおらんのか?」

 

 と、学園長のしわがれた声が響いたがその言葉に返ってきたのは、

 

「いや、私の仕事は生徒達に忍術を教えることゆえ……」

 

「私はあいにく都合が悪く……」

 

「うっ……、持病のくるぶしツヤツヤ病が、急に……」

 

「うちは家のローンが三十年残っているので……」

 

 と、情けない返事ばかり。

 

 その情けなさに彼女が、ミラクル・マジカル・オリエンタルをこよなく愛し、ロバ・アル・カリイエの果てにある島国『NIPPON』を、なによりも『NINJA』を愛する、ルイズ・ヴァリエール嬢はブチ切れた。

 

「あんた達! それでも本当に『NINJA』なの? その『KATABIRA』は飾り? その背中に背負った『NINJA-TOU』は一体何のために背負っているのよ? ああ、もういいわ。結構よ! 学園長でしたっけ? こいつらみたいな腰抜けになんか任せておけないわ。そのお宝、私が取り返してきてあげるわよ!」

 

 と見事な啖呵を切った、次の瞬間――

 

 

 

「「「「「どうぞどうぞ!」」」」」

 

 

 と教師全員一致の見事なオチがあった事はいうまでもない。後には「へむへむへむ……」という奇怪な笑い声のみが残ったという……。

 

 

 追記 この時山田先生(CV 故・大塚〇夫さんもしくは現・大塚明〇さん)と土井先生(CV 関〇彦さん)はいなかったこともいうまでもない。子供の夢は壊さないのは世界のお約束。

 

 

 そうしてその後ちゃんと才人助と弓瑠華、束さん、そしていつの間にか帰ってきて風家の居場所らしきものを突き止めてきたという長建女史ともに、一行は一路風家の隠れ家へと向かうのであった。

 

 

 

多重クロスという名の罠(混ぜるな危険!)

 

 

 さて、ここでおさらいの時間である。るいずこと、ルイズ・ヴァリエール嬢の右目にはある特殊な力が宿っている。その才人助との使い魔契約で得た能力の名は『破幻の瞳』。某蛇的などろどろ恋愛殺戮ゲームのヒロインの持っていたこのバグチート能力がどういうものかというと、『その目で見た全ての術を破る』という、まるで国際連合における拒否権、某カードゲームにおけるラスオブゴッドやカタストロフィ、大富豪における革命返し返しに匹敵、あるいはそれを上回る最強最悪の能力である。

 

 なにしろ集中して術者を見ているだけで、術は一切発動できなくなるというまさに『NINJYU』殺し。

 

 それを混ぜると、こうなるわけである。

 

① 学園の秘宝である『破壊の筒』を風家の隠れ家を突き止める。

 

② 中に潜入した才人助が『破壊の筒』を発見し出てくる。

 

③ それを確認した風家、必殺の『土遁・土傀儡の術』による巨大土傀儡を呼び出す。

 

④ 隆起する地面! 襲い掛かる恐るべき巨人! (絵的にいうと ↑)

 

⑤ るいずさん、右目で見る。瞬時にきれる術! 崩れ落ちる巨人! (絵的にいうと ↓)

 

⑥ 軽く目をこする一同。何かの間違いかと思ってもう一回がんばる風家さん! 隆起する地面! 襲い掛かる恐るべき巨人! (絵的にいうと ↑)

 

⑦ 再びるいずさん、巨人見る。瞬時にきれる術! 崩れ落ちる巨人! (絵的にいうと ↓)

 

⑧ これを後三回繰り返す! (膝から)崩れ落ちる風家さん(絵的にいうとOrz)! 混乱する一同!

 

「一体何なのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 哀れ、風家こと長建女史は見せ場すら作れずに絶叫とともに出番が終わり、その後才人助、るいず、弓瑠華、束さんになま温かい目で見られながら捕まったのであった。

 

 哀れ、風家さん。彼女は『多重クロス(混ぜるな危険)』の最初の犠牲になったのであった。

 

 他の犠牲者はこちら。

 

・ 出番がなくなったS&W M29『デルフリンガー』 「相棒! あんまりだぜ!」とは彼の談。

 

・ 「俺は忍者だ! 忍術を使えるやつを忍者っていうんじゃない! 敵に背中を見せないやつを忍者っていうんだよ!」っていう決め台詞を前の晩から練習していた才人助君。この後、舞台裏で3時間ほど不貞寝。

 

・ 出番どころか台詞すらなかった弓瑠華、束さんの二人。その後の二人の会話がこちら。

 

「ねえ、束さん……。私たち何のためにここまでやってきたのかしら? もしかして空気? 空気なの?」

 

「…………(そっとハンカチを差し出す束さん)」

 

「……ありがとう束さん。貴方だけよ、私のお友達は」

 

「……(ナイチ○な胸を張る束さん)」

 

・ マグナムぶっ放す気満々だったるいずさん。

 

「ダー○ィハリーみたいに、「もう六発撃ったかどうか試してみるか?」とかやりたかったのに……」と地団駄を踏んでいた。

 

・ 『破壊の筒』。当然、出番なし。無惨。

 

 

 こうして全ての登場人物の出番と尊厳を奪った『多重クロス(混ぜるな危険)』! みんなも使用上の注意をよく守って、ご利用は計画的にね!

 

 

帰路での会話

 

 

「ちょっとコレって……」

 

「なんだよ、るいず。これが何か分かるのか?」

 

「……ええっと、これはね。私の国の軍隊で使われている対戦車ロケットランチャー『M72 ファイヤーボールMK3』よ。さすがに私も現物をみるのは初めてだわ」

 

「『たいせんしゃろけつとらんちあー』? なんだそれ?」

 

「う~ん、『百聞は一見に如かずよね』。ちょっと見てなさい」

 

 るいず、馬車を止めて、遠くの崖をめがけて照準を合わせ、そしてなんの躊躇もなくぶっ放す!

 

 ひゅるるる~~~~、ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン。

 

 崩れ落ちる崖。響き渡る轟音。るいず以外全員の落ちるアゴ! 

 

 そんな中、当のるいずはというと、

 

「やっぱり久々だとだめねぇ。。狙いが3サントもずれちゃった。母様にばれたら絶対訓練やり直しさせられちゃうわ(テヘペロ)」

 

 と、一人反省しきりであったという。

 

 

 最後は原作どおり「踊り」で終わる

 

 

「皆のもの、よく『破壊の筒』を取り返してくれた! 今日は祭りじゃ! ゆっくり楽しんでいくがよい!」という学園長先生のありがたいお言葉に従って広場に行ってみると、そこには――

 

 櫓、提灯、そして櫓を中心にぐるぐる回りながら踊る生徒達の姿が。

 

「きゃあああああ! こ、これが伝説の『BON-DANCE』! 『BON-DANCE』なのね!」

 

 そういってはしゃぐるいずに、才人助は恥ずかしげに手を差し伸べる。

 

「来いよ、るいず。一緒に踊ろうぜ!」

 

「ええ、サイト!」

 

 

 そうして夜が更けるまで幻想的な提灯の明かりの元、二人は楽しげに盆踊りを楽しんだのであった。

 

 

 

 

「まったくおでれ~た! 舞踏会も盆踊りも、確かに踊りにはちげえねえや!」 

 

 

 

 零の使い魔忍法帳 第一の巻 これにて完。

 

 おしまい。




人物説明および用語説明


朱武語女史

ダメ教師代表。三ツ星の土遁使いであるが、無能で、生徒を教える能力もおそらく某ネギ坊主かそれ以下と思われる。別にdisっているわけではないので悪しからず。

シュヴワーズ → 朱+武+ワーズ=言葉=語

土井先生

いわずと知れた関○彦さんの代表作。たまに人間に絶望して仮面をかぶって世界を滅ぼそうとしてみたり、中二なセリフとともに大きな鎌を振り回す癖があるという。生徒思いのいい先生だが、出番は今後もない。

持病のくるぶしツヤツヤ病

かの竜の物語的な大冒険に登場する武神と謳われるとぼけたじいさまの有名な、あの病気。他にも数パターンあるらしい。

背中に背負った『NINJA-TOU』

投げる手裏剣、ストライク。にんにん。

〇ちゃん

いわずと知れたあの三人組のオチ担当。いないと終わらない、愛すべき人。今日も東京のどこかで彼の舎弟(笑)たちと楽しくお酒を飲んでいることであろう。

「「「「「どうぞどうぞ!」」」」」もはや鉄板をはるか超え、宇宙の法則。

某蛇的などろどろ恋愛殺戮ゲームのヒロイン

公式バグチート。山田風太郎先生マジ恐るべし。

某カードゲームにおけるラスオブゴッドやカタストロフィ

ラスオブゴッド 場にいるモンスター全てを墓地に送る。お掃除は計画的に。

カタストロフィ 場のすべてのカードを墓地に送る。絶滅は手元の手札とよくご相談してから!

「俺は忍者だ! 忍術を使えるやつを忍者っていうんじゃない! 敵に背中を見せないやつを忍者っていうんだよ!」

 原作でのルイズの名台詞の才人助バージョン。使わずにお蔵入り。破幻マジ許すまじ。

ダーティーでハリー 故・山田〇雄さんの声が渋すぎる若き日のクリ〇ト・イーストウッドのはまり役。カッコイイ。「もう六発撃ったかどうか試してみるか?」というのは作中の名台詞です。

多重クロス やると何が起こるかわからない。取扱注意。ちなみに破幻で某ヘラクレスさんを見ながら一回殺す場合、どうなんのかな? とかなり思う。

ルイズがやたらと銃器の扱いに慣れている理由。

ルイズのお母さまが、彼女の世界で烈風とあだ名される凄腕の元軍人だから。
え? どれぐらいやばいかって? 某ロナウブラにいって、二丁拳銃と、ロシア出身の世界で一番おっかないお姐さんと、南米産(キリング)三つ編みメイドを一人で制圧できるくらいかなぁ(棒)?

まじめなルイズ強化の理由は、原作二巻における『ガンダールヴ』による『竜の羽衣』=『零戦』フラグを回収できるようにするためです。
三段論法的に以下のようになります。

『ガンダールヴ』による『竜の羽衣』=『零戦』フラグを無くすことが出来ない > でも『ガンダールヴ』はこの世界にはない > だからルイズが自力で『零戦』を飛ばす能力がないといけない。=つまり専門的な軍事知識が得られる設定が必要ってことですね。

踊り ダンスも日本舞踊も盆踊りも踊りは踊り。異論は認めない、かもしれない。

これにて終わり。お付き合いに感謝です。
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